2019.03.05
跡継ぎがいない!? 女性経営者が増える時代 【vol.19】
日本の企業は300万以上あるなかで、ほとんどがファミリービジネス=同族経営というのが実態です。昭和の頃までは嫡男が家業を継ぐのが普通でしたが、昨今は少子化の影響もあり、後継者が不在な企業も増えているようで。その解決策のロールモデルとなりそうなのが、今回のお話し。
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文/加藤順彦
ますますの“女性上位時代”が到来!
というのも、300万以上ある日本の企業のほとんどがファミリービジネス=同族経営。50年、100年、200年に続く商いも、昭和の頃までは嫡男がその家督・家業を継ぐのが普通でした。
ところが昨今は少子化の影響もあり、嫡男云々どころか、長男は東京でサラリーマンをしているので実家に戻らない。後継候補は娘か娘婿しかいない。あるいは分家から後継を迎えたり、古参の従業員に譲渡する途を選ぶしかない……といった様相でどちら様も後継者難。
今や女性が普通に家業承継に向き合う時代となっているからです。ま、ゼミのレポート等も優秀だな~と思う方は、大概が女性ですしね。
税制が変わるも家督が引き継がれにくいワケ
なぜなら新税制は優遇の濫用を防ぐため、現社長の子(後継者)がその先の孫(次世代)にまで事業を引き継いだ時に漸く免除される仕組みになっているからです。
事業承継を考え始める経営者の多くは70歳あたり。必然的に子は40歳前後が多くなります。となると、その孫に経営権が移るのは30年ほど先になる計算。多くの現役経営者がそこまで先は見えず、制度利用に二の足を踏みます。
現実には70代の経営者でも事業承継に向けた準備を行っている経営者は半数にとどまる(中小企業庁調べ:2017年)など、マクロでみても中小企業の後継者難は深刻な状況。その一方で最近の老境は後期高齢にも関わらず、今わの際までピンピンしている方も多いですな。
突然ポックリ逝って、ご本人は満足かもしれませんが、残ることになる社員、取引先、融資先のほうは気が気ではないので、周りがドギマギしているケースもよくあります。
僕が参画する一般社団法人ベンチャー型事業承継が、34歳未満の後継者候補への啓蒙に注力しているのは、なかなか後継者が決まらないのはバトンを受け取る側の覚悟や姿勢も大きいとみているからです。
OLから急遽、世界9カ国、社員1000名の社長に
2014年2月、裕美子さんが世界9ヵ国に拠点を置き、1000名超の社員を抱える武蔵塗料グループの代表に就任にするにあたり、大学生の頃から2010年までベンチャー経営の経験もあった陽孝さんは経営に於いても彼女を支えていこうと、前年から取締役に就いていました。
同社グループが中国、東南アジア各国への展開を強化していたこともあり、グローバル経営の時代を意識した福井さん一家もアジアの国々からのアクセスが良いシンガポールに2015年に移住したことで、僕と陽孝さんとの御縁が生まれました。
しかしアレです! 女は強し。そして遺伝子は強し。優秀なCEO裕美子さんの経営手腕を確認した陽孝さんは、家庭も仕事も常に一緒なのは寧ろよろしくないと、いま一度スタートアップの経営に挑もうと決意。2016年6月に同社の取締役を退任するに至りました。
そして夫は、“音声のYouTube”を起業
さて、このVoiStock! 「世界中の声を集め、それらをデーターベース化し、新しい価値とサービスを創り出すボイスプラットフォーム」という画期的な氏のアイディアを具現化するためのビークルです。
一言でいうと、“声のYouTube”です。ピンときましたか? こないですよね。ぶっちゃけ画期的すぎて、UXレベルまで具現化しないとイメージが通じない日々が続いておりました。
更に解りやすく使っていただくべく先日公開したバージョンでは、様々なユーザーさんのプレイリストの共有などの機能を付加いたしました。
有名な声優さんの声をアップロードされているユーザーさんもいるようなので、この機に是非ご使用いただければ、と思います。
こちら開発は若き役員サンチルさんの御縁により、彼の故郷ウランバートル(モンゴル)で行っています。ちなみにグラフィックは同サイトのイメージキャラクターとコスプレアイドルのくろねこ嬢です。
● 加藤順彦ポール(事業家・LENSMODE PTE LTD)
ASEANで日本人の起業する事業に資本と経営の両面から参画するハンズオン型エンジェルを得意とする事業家。1967年生まれ。大阪府豊中市出身。関西学院大学在学中に株式会社リョーマの設立に参画。1992年、有限会社日広(現GMO NIKKO株式会社)を創業。2008年、NIKKOのGMOグループ傘下入りに伴い退任しシンガポールへ移住。2010年、シンガポール永住権取得。主な参画先にKAMARQ、AGRIBUDDY、ビットバンク、VoiStock等。近著『若者よ、アジアのウミガメとなれ 講演録』(ゴマブックス)。