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2019.03.30

免許不要でサブスクもOK。東京こそEバイクが必要です。

フォトグラファー兼ビジュアルクリエイター・桐島ローランドさんによるライフハック術。第6回目となる今回は、Eバイク(電動アシスト自転車)について。サブスクリプションサービスを行うVanMoofやオフロードに強いKTMなど、その最新事情を伺います!

CREDIT :

文/桐島ローランド 写真/中野江美 コーディネイト/JUBILEE

電動自転車というと日本では「ママチャリ」のイメージが強いですが、海外に目を向けるとその様子は一変するようで。ここでは、オーストリア産のKTMやオランダ生まれのVanMoofなど、数々のEバイクを乗り継いできた桐島ローランドさんに、Eバイクがオススメな理由を伺いました。

それでは桐島さん、よろしくお願いします!
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世界で話題のモビリティ=「Eバイク」

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こんにちは、桐島ローランドです。皆さんは「いま最もホットな乗り物」と聞いて、何を思い浮かべますか?

僕の答えは「Eバイク」です。最近では日本でもよく聞くようになりましたが、「Eバイク」とはいわゆる「電動アシスト自転車」のこと。クラウドファンディング発のメーカーが台頭したり、大手メーカーが参入したりとその市場は急拡大中で、僕自身、世界中を旅していてもEバイクが各都市に浸透してきているのを日々実感しています。

もちろんクルマやバイクに比べれば、その市場規模はまだまだ小さなものかもしれません。ですが、ネット全盛、クラウドファンディング全盛のこの時代において、Eバイクはテック系の若い世代を中心にその存在感をグングン伸ばしており、今まさに面白い製品がたくさん生まれつつもあるのです。

ということで今回は、僕がEバイクに乗る理由と、Eバイクが東京にフィットする理由をお伝えしたいと思います。

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Eバイクは第三の選択肢

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僕はもともとバイクが好きでしたし、フォトグラファーという職業柄もあって移動にはいつもクルマを使っていました。ですが、その一方でガソリンを使う乗り物に対して、環境保全の面から「どうだろう?」と思うこともしばしばありました。

そもそもクルマはガソリン代・駐車場代・税金等と維持コストが高くつき、とりわけ東京では頻繁に渋滞に巻き込まれたりコインパーキングでも高い料金を取られてしまいます。当たり前のことですが路上駐車や飲酒運転などのペナルティも厳しいので、非常にリスクの高い乗り物です。

だからと言って電車やタクシーですべて代用が効くかといえば、通勤ラッシュのスシ詰めとなった電車や、急いでいるのになかなか捕まらないタクシーなど、一長一短の側面があったりもします。そんな時に、クルマでもなく電車でもない、第三の選択肢として出てくるのがこの「自転車」なんですね。

最近では行政によるコミュニティサイクル(レンタルサイクル)サービスが定着しているのと、自転車通勤のムーブメントが広まってきているのは皆さんご存知の通りでしょう。その波に乗って、次世代のモビリティ(移動手段)として最近注目を集めているのが、まさしくこれらのEバイクなのです。

僕もこれまでにYAMAHAなど国産のものを3台、オーストリアのバイクメーカーKTMのものを1台、そして今はオランダ生まれのVanMoofというメーカーのEバイクを乗り継いできましたが、今ではもっぱら都内の移動はEバイクが定番となりました。

一度乗ってみると生活が一変するEバイク。ここではKTMとVanMoofのものをピックアップしてご紹介します。
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バイクメーカーが作るKTMのEバイク

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まずはこちら、KTMのEバイクをご紹介。バイク好きの方であればKTMと聞けばピンと来るはず。モトクロスタイプなどオフロード走行に強いバイクを手がけるオーストリアのバイクメーカーですが、実は自転車の歴史も古く、1964年から製造を行なっています。
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で、その自転車にBOSCHの電動ユニットを搭載したこのEバイクは、まさに「パワフルサイクル」のひと言。もともとの走破性に電気アシストの力が加わるので、どんな道でもぐんぐん進んでいきます。さすがは海外製で、ちょっとしたクルマやバイクなら楽に追い抜いてしまうほどの加速感があります。

が、ここで法律的な問題が一つ。電動アシスト自転車と原動機付自転車(いわゆる原チャリ)、原理として似ている両者ですが、日本においてその線引きは法律でしっかり決まっています。

その法律の基準とは、

(1)人の力を「1」とすると、10km/h未満ではアシストパワーの引き上げを最大でも「2」とすること。
(2)10km/h以上では、走行速度が上がるほどアシスト比率を徐々に減らしていき、24km/hでのアシストパワーは「0」にしなければならないこと。
(3)改造することが容易でない構造であること。


という3点が主な内容です。これを満たしていないと原動機付自転車(原チャリ)の部類となってしまうため、公道を走る際には免許やナンバープレートが必要となります。

ちなみにこのKTMは上記の基準を満たしていないため、正確にいうと「原動機付自転車」という扱いになってしまいます。それゆえ、公道を走る際にはナンバープレートが必要です。欧米ではもちろんこれは「自転車」なのですが…。

日本でも未発売のこのモデル、僕は気に入っていたのですが、国内で乗るにはなかなかハードルが高いため今では友人に譲ってしまいました。でも、乗り物としては最高ですので、原付と割り切って乗るか、広大な私道・私有地をお持ちの方にオススメしたいと思います。
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オランダ生まれのEバイクは日本基準に適法

そのようなわけで今、僕が愛用しているのはオランダ生まれの「VanMoof」というメーカーのものです。このEバイクは日本の法律に適法しているため、「原動機付自転車(原チャリ)」ではなく「電動アシスト自転車」の部類に入ります。それゆえ免許もナンバープレートも不要で乗ることができます。

何より僕にとって嬉しいポイントがいくつかあるので順にご紹介していきましょう。

(1)身長185cmの僕が乗ってもジャストフィット

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国産のものにいくつか乗ってきましたが、僕くらいの身長になるとやはりサイズが合わずに窮屈な思いをすることが多々ありました。ですがこのVanMoofは世界でも平均身長の高いオランダ製ということもあり、サイズ感は僕にぴったりです。

(2)フレームにバッテリーが内蔵されているので見た目がスッキリ

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電動アシスト自転車はバッテリーの容量がその性能にそのまま直結します。そのため、大容量化してしまうのが常なのですが、そうすると見た目が悪くなってしまうことがほとんど。でも、このVanMoofはバッテリーをフレームに内蔵することでその問題をクリアしています。見た目がスッキリしているので、電動アシスト自転車であることを全く主張しません。デザインにもこだわりたい人には嬉しいポイントです。
サドルはBROOKSのレザーのものに変えました。ポーチもつけて、ちょっとしたものを収納するのに役立ちます。ハンドルやペダルも自分の手足に馴染むものに交換することで走行時の負担も軽減。リアキャリアは純正のものを追加しました。このように、自転車の良いところはカスタマイズが容易なところだと言えるでしょう。自分好みのデザインに仕上げていくことで愛着も湧いてきます。

(3)電子ロックとGPS付きでセキュリティも万全

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このVanMoofはスマートフォンと連動する電子ロック式。またGPSも装備しているため、もしどこかに失くしたり盗難されたりしても、アプリを使うことで居場所を簡単に突き止めることができます。盗難に遭いやすい自転車だからこそセキュリティは万全にしておきたい、という方にはバッチリの仕様となっています。

また、このVanMoofの面白い点は「サブスクリプション」サービスも提供しているという点。電動アシスト機能を搭載しないSmart X、Smart Sモデルであれば、購入せずとも電子ロックやセキュリティ、各種のサービス料などがコミコミとなった料金(月額3000円〜 ※別途初期費用1万2000円が必要)で乗ることができ、万が一盗まれたとしてもわずか1万円で新しい自転車に交換することができます。

個人的にですが、これは画期的なシステムだと思っています。いずれは電動ユニットが搭載されたモデル(Electrified S2、Electrified X2など)にも適用されると思いますが、これらのEバイクを普及させるためには、まずはその本体の価格を下げないことには広がらないからです。ですが、パワーユニットの原価もありEバイクの価格をそこまで引き下げることは難しく、こういったサブスクリプション制が使用者のニーズにもマッチしているのではないかと考えられます。
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通勤にEバイクの時代がそこまで来ている

サンフランシスコなど坂道が多い都市では、通勤に自転車を使うことも一苦労です。ですがミレニアル世代を中心に、今の若い人たちは経済的にシビアに考え、これらのEバイクで通勤している人が多いと聞きます。

東京も同じように、若い世代を中心に自転車での通勤が加速しているので、このEバイクの波がやってくるのも時間の問題でしょう。

また、もっと未来の話をすれば、今はバッテリーをコンセントに繋がないといけない「充電」の問題が電動アシスト自転車のネックですが、いずれ「スマートグリッド化」された社会になれば、非接触での充電でいつでも「満タン」走行が楽しめる時代になっていくことでしょう。

そんな時代を見越して、Eバイクに興味がある方はぜひ試乗してみてはいかがでしょうか。

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●桐島ローランド

フォトグラファー・3DCGエバンジェリスト。

1991年 ニューヨーク大学芸術学部・写真家卒業後、本格的にフリーランス・フォトグラファーとしてのキャリアをN.Y.でスタート。
1993年 東京に活動拠点を移し、多くのファッション撮影、広告撮影の他、ムービー作品も手掛ける。
2007年 パリ・ダカールラリー完走。
2014年 株式会社AVATTA設立、代表取締役に就任、3DCGエバンジェリストとしての活動を開始。国内外を問わず、多数のテクノロジーオリエテイティドなカンファレンスなどにも出席、マイクロソフトの販売代理店アドバイザー、自動二輪車メーカーのアンバサダー等も務める。
2018年 AVATTAがサイバーエージェントグループとなる。

2019年 3DCGプロダクション 株式会社CyberHuman Productions 取締役。
2023年 AI、3DCG、VIRTUAL 等、最先端技術を活用した制作会社、株式会社Cyber AI Productions 取締役。

HP/https://www.cyber-ai-productions.co.jp

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