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2022.02.14

実業家が何度も観る、勇気が出るエンタメ作品って?

「なんか面白い本とか映画とか、知らない?」——コロナ禍で在宅時間が増えた世間では、そんな会話もちらほら。そういえば仕事に忙しい実業家の皆さんは、どんなエンタメ作品を楽しんでいるんだろう? ということで、繰り返し観たお気に入りを聞いてみました。

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文/宮原友紀

寒さとコロナ禍が続き、まだまだ在宅時間も長めな昨今。ここは一つ、映画や本などのエンタメ作品に触れて、充実を測ってまいりましょう。そこで今回は、日頃からインプットを繰り返し感性を磨く3人の実業家に、普段どのようなエンタメ作品を嗜んでいるのかを伺ってみました。

◆ 「YardWorks」代表取締役・天野 慶さんのお気に入り映画

独立する前の“怖いものなどない”という若い時の気持ちを取り戻せる

四季のある風景を造園や植栽でつくる「ランドスケープデザイン」を生業とする天野さん。アウトドア愛好家でもあり、自然を身近に感じるライフスタイルも好きだとか。そんな彼が何度も見てしまうのが、ノンフィクション映画作品『IN TO THE WILD』。裕福な家庭で育った主人公のクリスが、金で物ばかりを与えようとする両親に嫌気が差し、世界の真理を求めアラスカへと旅に出るストーリーです。

「ストーリーの面白さ、圧倒的な映像美で、大自然の美しさ、雄大さを感じながらも、センスあるサウンドトラックでより魅了してしまう映画。表現やジャンルは違えど、観る人を魅了させることに関しては庭も同じで、その心境にさせることの探究心を深めさせてくれます。主人公のクリスの自分探しの旅が、環境は全然違うけど、自分の独立前の旅の時と重なって心奮わせてくれるんです」
映画 イントゥ・ザ・ワイルド
▲ (C)MMVII by RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC and PARAMOUNT VANTAGE, A Division of PARAMOUNT PICTURES CORPORATION.All Rights Reserved.
この作品を初めて観たのは、以前、仕事のアイデアに煮詰まり脱却する方法がわからなくなった時のこと。アカデミー賞でも話題になっていたので何気なく観たところ、自身のマインドに深く入り込んできたという。

「独立する前の20代の頃の一人旅を思い出し、初心に戻ったり、“怖いものなどない”という若い時の気持ちを取り戻せるんです。それに、“やはり自然は雄大だな、でも身近に恐怖もあるよな”っていうことを改めて感じる。だから観ると、めちゃくちゃやる気になるんです。そして自分を奮い立たせてくれる」

多忙を極める中、今も3カ月に1回くらいの頻度で、この作品を観たくなるのだとか。庭の設計に集中したい時、自然溢れる山小屋で一人で見ることが目下の夢だと教えてくれました。
映画 イントゥ・ザ・ワイルド

イントゥ・ザ・ワイルド

ショーン・ペン監督の最高傑作。恵まれていた22歳の青年がひとりアラスカを目指し、2年間の放浪の果てに最期を迎えるまでのストーリー。壮大な自然、圧倒的な映像美、エモーショナルな音楽が作品を盛り上げる。販売元/Happinet(※販売は終了)


天野 慶(あまの けい)

● 天野 慶(あまの けい)

株式会社「YardWorks」代表取締役。緑を主体にした植栽設計で空間を作り上げ、オリジナリティ溢れるセンスが支持されるガーデナー。個人住宅のエクステリア(外構)&ガーデン(庭)設計、店舗ディスプレイなどを手がける。拠点とする山梨から世界へ、”緑のある暮らし“の良さを高い感性で提案し続けている。

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◆ 「波乗不動産」代表・佐々木 真さんのお気に入り本

コーヒーを飲みながらページをめくると、思考が広がり、アイデアが生まれる

サーフボードを持って入りやすい家、泥まみれの体を流す外シャワーが付いた家、そんなサーファーのニーズに応えた家を造り続ける佐々木さん。もちろん彼自身、プライベートでもビジネスでもサーフィンは切り離せない要素となっています。彼が愛読するのは、サーファーたちのユニークでクリエイティブな住まいを紹介する本『Surf Shacks』。彼らの人となりやライフスタイルも垣間みえる、美しい装丁の一冊です。
「世界中のサーフハウスが出ていることが一番の魅力ですね。豪邸やタワーマンションではなく、自然との融和があり個性的でリアルな“サーフ小屋”に惹かれるんです。僕の仕事というか、もはやライフワークでもあるけど、サーファーが暮らしたり遊んだりする居場所=サーフハウスを構想していくうえで、この本からいろんなインスピレーションをもらっています」

朝起きてサーフィンしたあと、コーヒーを飲みながらページをめくる。次第に思考が広がり、アイデアが生まれることもたびたび。“さて、間取り考えるか!”なんていう意欲も湧いてくるんだとか。この本に出合ったのは、ここに登場している友人のサーフハウス取材に同行したことがきっかけ。自然と共存する人たちの豊かな暮らしが住まいに息づいていることに、改めて共感したそうです。

何年経っても色褪せない一冊を大切にしながら、友人のSNSなどでキャッチアップしながら新しい情報も取り入れている佐々木さん。変わらないものと変わるもの、アナログとデジタル。そのグッドバランスの中で日々を楽しんでいます。
写真集 Surf Shacks

Surf Shacks

カリフォルニア、オーストラリア、日本など、各地のサーファーの住まいを紹介したフォトブック。それぞれのサーフィンライフはもちろん、レコードコレクションやアートスタジオなど、奥深いカルチャーにも触れられる。vol.1とvol.2あり。販売元/gestalten
※書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

佐々木 真(ささき しん)

● 佐々木 真(ささき しん)

株式会社「波乗不動産」代表。一級建築士。千葉、一宮のビーチサイドでサーファー用の物件を専門に紹介している波乗不動産と、サーフハウスを専門にデザインする「THE SURF HAUS DESIGN」を手がけている。情熱とグローバルな目線で、住居だけでなく街づくり全体にも取り組んでいる。

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◆ 建築家・坂東幸輔さんのお気に入りアニメ

コロナ禍というままならない世の中で、懸命に生きる自分たちの姿に重ねられる

建築家の坂東さんが仕事の合間に英気を養う元は、U-NEXTで観るアニメ『機動戦士Zガンダム』。子供の頃にかじりついて観ていた“ガンダム世代”でもあるけれど、坂東さんいわく“大人になった今あらためて観ると、感慨深いものがあるのです”とのこと。

「昨年公開された映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』が素晴らしく、興奮が冷めないままガンダムの宇宙世紀シリーズを手当たり次第見る中で、再び『Zガンダム』に出合いました。私は主人公のカミーユを取り巻く“人並み以上の才能はあるが、上手に生きられない人達”に強く心を奪われます。コロナ禍というままならない世の中で、懸命に生きる自分たちの姿に重ねることができるからかもしれません。

特に若きリーダー、クワトロ・バジーナに共感するんです。彼は人生を謳歌して自由に生きようとする自分と、大義を持った家系に生まれた宿命を受け入れ指導者として進むべき自分との間を行き来し続けるのですが、それが人生を楽しむことと、デザインに身を捧げることの間でためらう多くのデザイナーの姿と重なりキュンとします。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
また、カミーユに戦闘で一度も勝つことができない将校、ジェリド・メサにも心打たれます。コロナ禍でよりビジネスの競争が激化する昨今ですが、負け続けても挑戦する姿勢は、プロポーザルへの心意気を取り戻させてくれるのです」

子供の頃に馴染みのあったものを見返すと、大人になった今の感性だからこそ気づけることがあると坂東さんは言います。また、“世界観が確立され新しいものを受け入れ難くなっている大人は、信頼している知り合いから勧めてもらうのも新しい作品と向き合えるチャンス”と語ってくれました。
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

アムロとシャアの最後の決戦を描いた『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』より33年、その世界観を色濃く引き継ぐ富野由悠季氏による同名小説を映画化した作品。2021年6月の劇場公開以来、興行収入21億円、観客動員100万人を突破し大ヒットを記録した。U-NEXTでは、ガンダムシリーズ43作品が見放題となる「ガンダム見放題作戦」を実施中(2022年2月現在)。
https://video.unext.jp/title/SID0062010?rid=PR00577

坂東幸輔(ばんどう こうすけ)

● 坂東幸輔(ばんどう こうすけ)

建築家(坂東幸輔建築設計事務所)、京都市立芸術大学准教授。「建築で世界を変える」をビジョンに、建築設計やまちづくりを通して社会に貢献する。手がけるのは、インターナショナルスクール、古民家のリノベーション、廃校活用、新築の別荘や集合住宅など多岐にわたる。第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展において審査員特別表彰を受賞。

※掲載の価格はすべて税込みです。

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