2019.06.29
梅沢富美男「ネットで知らないヤツにどんなに批判されたって、俺は痛くも痒くもないんだよ」
怒涛の昭和~平成~令和を生き抜いてきた梅沢富美男さんが考える「男の生き方、身の処し方」とは? 常に一本芯の通った、炎上を恐れぬ本音コメントは世の迷えるオヤジ&コヤジのバイブルですぞ!
- CREDIT :
構成/紺野美紀 写真/内田裕介 イラスト/ゴトウイサク
俺が仲のいい役者で竜 小太郎っていうのがいるんだけど、彼のキャッチコピーが『流し目のスナイパー』。そしたら、ネットの中で「こいつだ~!」って竜 小太郎への攻撃が始まっちゃった。
彼から夜中に電話が来て「どうすればいいでしょう!」って。彼じゃないんですよ。まったくの別人。なのにネットじゃ、完全に犯人扱い! だから俺がツイッターで「いいかげんにしろ!」って怒ったんです。
「ろくに調べもしないでいい加減なこと書いてんじゃね~」って。そしたら、「梅沢さんが怒ってる~」ってまた騒ぎになって(笑)。
言いたいことあるなら、名前も住所も全部晒してから言え
顔も名前も住所も晒さない匿名性を隠れ蓑にして、何の責任もないところで騒いでる。雀が群がってるようなもんですよ。こぼれた米粒に雀が集まってチュッチュッやって、カラスでも来たらわ~っといなくなる。
それと同じ。どんなヤツか分からない連中がやんや言って、怒られたら、わ~っと逃げる。最低です。言いたいことあるなら、きちんと顔付き合わせて言えよって話です。
俺なんてテレビでの発言がしょっちゅう炎上してますけど(笑)、ネットの中で何言われようが、まったく気にしません。言いたいことあるなら、事務所にでも何でも電話してこいよって。そしたら話聞きますよ。
SNSは単なる個人の感想文
竜 小太郎が間違われたのだって、誰か一人がテレビを見ていて「流し目のスナイパーといえば、コイツじゃないか」って勝手に思って書き込んだのが始まり。
しまいにはテレビを見てもいないヤツらがその書き込みを見て、「竜 小太郎は詐欺師だ。許さない」ってなるんだよ。
現実社会で言いたいことも言えない鬱憤をネット社会で晴らしてるんだと思うと、ある意味かわいそうだとは思うけどな。
表に出て行動するバイタリティを見せてくれ
この前、香港で学生たちの大きなデモがあったけど、海外では「間違ってるぞ」と思ったら行動するでしょ。何もデモがいいと言ってるわけじゃないけど、そういうバイタリティがもう少しあってもいいんじゃないかと俺は思うよ。
俺らの時代には学生運動が盛んで、過激派なんてメチャクチャに暴れてたヤツらもいたけど、あの世代の人たちは2回もバブルを経験してすっかり腑抜けになっちゃった。
そんな親に育てられた子どもや孫たちだって、いまじゃ腑抜けもいいとこ。別に俺は、いま、過激派みたいにムチャやれって言ってるわけじゃないですよ(笑)。
ただ、いまの日本は、きちんと表に出て、責任もって自分の意見を言う人が少なすぎるって言ってるんです。だから俺みたいに、ダメなものはダメって怒る“昭和のジジイ”が重宝されてるのかもな(笑)。
● 梅沢富美男(うめざわ・とみお)
1950年11月9日、福島県福島市生まれ。血液型B型。俳優・歌手・タレント。剣劇一座「梅沢劇団」の創設者で大衆演劇のスターだった梅沢清と娘歌舞伎出身の竹沢龍千代の5男として生まれ、1歳5か月で初舞台。15歳で本格的に役者の道へ。1976年、女形に転向し「下町の玉三郎」として大ブレイク。1982年には『夢芝居』で歌手デビューし50万枚を超えるヒットに。現在は「梅沢劇団」三代目座長として年間180日舞台に立つ傍ら、テレビにも数多く出演。バラエティや情報番組での歯に衣着せぬ直言コメントで人気を得ている。