2019.07.22
【第10回】
出会うべき師とは、3年後の理想の自分を実現している人
年収1億円! 普通のサラリーマンには夢のような金額を、アナタにとってリアルな目標に変えていくのがこの連載です。まず大事なのは思考法。考え方が変われば仕事に対するスタンスが変わり、見えてくる世界が変わります。マーケティングコンサルタント船ケ山哲氏がアナタを年収1億円に導きます。
- CREDIT :
文/船ケ山 哲 編集協力/遠藤励子 写真/内田裕介 スタイリスト/稲田一生 ヘア&メイク/勝間亮平(MASCULIN)

それを踏まえた上で、本日は、理想を夢で終わらせず、掲げた目標を具体的に叶えていくお話をしていきます。その際、大切になってくるのが、「脳科学」の観点です。
モノマネ細胞、ミラーニューロンの効用とは?
皆さんは「ミラーニューロン」をご存知でしょうか? ニューロンとは脳を構成する神経細胞のことで、この中に「ミラーニューロン」と呼ばれる特別な反応をする細胞があることが、1996年、パルマ大学のジャコモ・リッツォラッティ教授によって発見されました。
「ミラーニューロン」は別名「モノマネ細胞」とも呼ばれ、他者の行動を観察しているだけで、自分もその行動を追体験しているかのように、鏡のような反応をする細胞なのです。これはつまり、ある相手の行動をしっかり観察していると、脳内ではその行動をする相手と同じように脳が活性化されるということを意味します。
例えば習い事などで、常に先生について行動していくうちに、いつのまにか技術が上達することがあるように、この「ミラーニューロン」の性質を利用すれば、理想とする相手と一緒の時間を過ごし、共感していくことで自分を相手に近づけるように変えることができると考えられます。
この実験自体はサルの脳で行われたもので、「ミラーニューロン」が人間の脳にもあるという確証は得られていませんが、多くのデータが人間にもそれに近いものがあることを示唆しており、これが人間の「他人に共感する能力」を司る神経細胞だろうと考えられています。
自分の理想を実現している人のそばにいるだけで大きな意味がある
だから、とても会えないような雲の上の存在の人であっても、その人が発信している内容に少しでも触れることができれば、今、抱えているジレンマを解消し、人生に分岐点を与え、新たな軌道を作ることができるのです。
冒頭、「3年後の自分の理想を叶えている人」と出会うべきだと言ったのはこういう理由です。とにかく、その相手と何も考えずに一緒にいるだけで、その人の考え方・口癖・行動パターンなどがあなたに伝染していくのです。こんなに素晴らしいことはありません。
このように言うと、「私には家庭もあるし、仕事もあります。付き人のようにピッタリ一緒にいることなどできません」と言う人もいるでしょうが、心配ご無用です。
確かにずっと一緒にいれば、その分、影響を受ける度合いも大きいかもしれません。しかし、物理的に一緒にいる時間を作れないというのであれば、その先生の本を読んだり、音声を聞いたり、動画を見ることでも影響を受けることは可能です。
「ミラーニューロン」は視覚だけでなく、聴覚や触覚などを通じても活性化することが知られています。
・ 目から入る情報(文字)
・ 耳から入る情報(音声)
・ 肌で受ける情報(体験)
このように五感に触れる部分が多くなればなるほど相手からの影響を多く受け取ることができるのです。
相手から得るだけでなく、相手にも与える人間関係が大切
当たり前のことではありますが、あなたが先生から多くのモノを得ようとするなら、先生にとっても、あなたとの付き合いが意味のあるものとなるよう、あなた自身もできるだけ気遣いをすることが必要です。適度な距離感や敬意を忘れない言動など、社会常識を守るのはもちろんですが、さらに先生の人として思いに心を巡らせてください。
例えば先生にとってあなたと過ごす時間が義務や責任しか感じない味気ないものであれば、あなたが先生から得るものも多くは期待できないでしょう。逆にあなたが相手の好意を自然に引き出し、自分の味方につけてしまうような魅力的な人間であれば、仕事能力にすら関わらず、あなたはきっと成功への道を歩むことができるでしょう。あなたの心構えと学ぶ姿勢のちょっとした違いが、大きな結果の違いを産むのです。
ちなみに私の場合は、先生が行なっているプロジェクトにお金を払って参加するだけでなく、ボランティアスタッフとして関わることで、お客という立場ではなくチームの一員として側に置いてもらうことを意識していました。
その際、タイミングを見て先生に積極的に声がけもしました。それによって、大勢の中の一人として埋もれることなく気にかけてもらうことができましたし、一般的なアドバイスだけでなく個別にマッチした相談を親身にのってもらうこともできました。
先生から何かを得ることだけを考えるのではなく、自分ができる範囲でどんどん相手にもお返しする=与えることを考えてみてください。そうすることで、その1つ1つが自分の成果に繋がり、他とは比べものにならない結果を出すことができるようになるかもしれません。

● 船ケ山 哲(ふながやま・てつ)
1976年、神奈川県出身。心理を活用 したマーケティングを得意とし、人脈なし、コネなし、実績なしの状態から、起業後わずか5年で1000社以上のクライアントを獲得。その卓越したマーケティング手法は、数々の雑誌やメディアに取り上げられ、現在ではテレビ番組(テレビ神奈川)のメインキャストを務めるほか、ラジオ番組(FM横浜)でもメインパーソナリティーとして活躍中の起業家。 またプライベートでは子どもの教育を最優先に考え、マレーシアのジョホールバルに在住。
主な著書に『武器としてのビジネススキル』(PHP研究所)、『お金と自由をもたらす最速の稼ぎ方』(徳間書店)、『洞察のススメ』『超・起業思考』(きずな出版)他。最新刊は『会社を辞めずに収入を月50万円増やす! 小さく始めて成功させる「自分ビジネス」』(集英社)本体1400円+税。