2022.07.01
【vol.18】モテる日本酒講座/後編
女性と日本酒を飲む時に絶対オススメなのは?【後編】
いい大人になってお付き合いの幅も広がると、意外と和の素養が試される機会が多くなるものです。モテる男には和のたしなみも大切だと、最近ひしひし感じることが多いという小誌・石井編集長(48歳)が、最高峰の和文化体験を提供する「和塾」田中代表のもと、モテる旦那を目指す連載 です。
- CREDIT :
写真/トヨダリョウ 文/牛丸由紀子 スタイリング/稲田一生 ヘアメイク/伊藤歌苗 撮影協力/ザ・キャピトルホテル 東急 取材協力/ダイナースクラブ(運営会社:三井住友トラストクラブ)
さて、後半から参加してくださるのは、唎酒師の資格を持ち日本酒もプロデュースするタレント高田秋さん。高田さんがセレクトしてくれた日本酒を実際に唎酒しながら、その味わいの違いを考察していきます。
モテる日本酒のタイプも!? 4タイプの違いで日本酒の香りと味わいを知る
高田 はじめまして。今回は神崎先生や田中さんのような専門家を前にご説明させていただくということで、ちょっと緊張しています。昨日夜、予習してきたのですが、説明に足りないところがあったら、追加してくださいね。
神崎 いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。高田さんはどうして日本酒に興味を持たれたんですか?
高田 私は北海道出身なんですが、地元に帰って母と和食屋さんに行った時に、出された北海道の蔵の日本酒が本当においしくて。それまで日本酒のイメージって、アルコールがきついイメージで、苦手だったんです。ところが、その大吟醸がとってもフルーティで華やかで。日本酒ってこんなにスルスル飲めて、おいしいんだと感動して、それ以来はまってしまいました。
高田 資格を取るのは難しかったですけど、日本酒の楽しさをより深く、本格的に知ることができました。今回はその時にも勉強した、日本酒の味わいの違いを編集長に体験していただきたいと思います。
石井 試飲しながら教えていただけるんですね。よろしくお願いします。
高田 まず、日本酒の味わいを初心者の方でもわかりやすく知っていただくために、作られたのが、こちらの「日本酒の香味特性別分類」です。
高田 そうなんです。1タイプずつ飲んでいただき、その違いを実感してみてください。まずは“薫酒”のタイプをご用意しました。編集長、いかがでしょう。
石井 う~ん、まず香りがいいですね。華やかな香りがする。
高田 はい。薫酒は香りがすごく高くて、果物のようにフルーティで華やかなものが多いんです。主に大吟醸酒や吟醸酒がこのタイプになります。
神崎 お米をたくさん削って低温でゆっくり発酵させたお酒ですね。
高田 今日ご用意したのは、三重県鈴鹿市で造られている「作(ざく)」です。作にもいろいろな種類がありますが、これは三重県産のお米を50%まで磨いた大吟醸で、搾りの工程で一番澄んだ部分を取った“中取り”というお酒です。
高田 りんごみたいな甘い香りがしませんか?
石井 本当だ。甘い香りですね。高田さんが言うように、味もりんごのようなフルーティさがある。
田中 ちょっと上品な、エレガントな感じもあると思います。
神崎 純粋に誰でも“おいしい”と感じられる味だと思いますね。
高田 そうなんです。どちらかというと味がシンプルなのも薫酒の特徴です。甘さを感じるので、辛口が好きとおっしゃる男性は、もしかしたらちょっと物足りないと思われるかもしれないですけど。
石井 でも通な人じゃなくても、きっとおいしさがわかるお酒ですよね。
神崎 いや、そうだと思いますよ。これを物足りないなんて言っちゃいけない。
石井 ということは、薫酒は“一番モテる酒”ともいえるのかも(笑)。
田中 こういう香り系のお酒は昔からあるわけではないですよね。
神崎 最近ですね。というのも、醸造管理が難しいと思うんです。どこで発酵を止めるかが重要なんですよね。放っておくとどんどん熟成が進んでしまうので。さて、口を水で少しゆすいで、次を飲みましょうか。
高田 次は“爽酒”です。軽快で滑らかなタイプで、主に本醸造や生酒が多いですね。ご用意した「磯自慢」は静岡の老舗酒造のお酒です。兵庫で造られたお米を使用し、南アルプスを源泉とする名水で造られています。
田中 ひと口、含むだけで味わいが違います。こうやって比べて飲むと、それがよくわかると思います。
神崎 爽やかだけど、パンチはまぁまぁありますね。そんなに酸味も強くない。
高田 軽快な中にも、しっかりとうまみがあると思います。爽酒はその名の通り、本当に爽やかで、結構スルスル飲めちゃうお酒なんです。味も結構清々しいというか。飲み口がさっぱりしているので、逆に私は豚バラの角煮のような甘めのおつまみに合わせたりします。
神崎 これは初心者の人には危ないね。飲みすぎちゃうな。
高田 そうなんです、スルスルと飲めちゃうんで。夏は冷やして飲むのがおすすめです。
石井 飲んでいて、お酒に対する抵抗を感じないですよね。爽酒は、意外と危ないと覚えていたほうがいいですね(笑)。
【ポイント】
■日本酒は薫酒(くんしゅ)、爽酒(そうしゅ)、醇酒(じゅんしゅ)、熟酒(じゅくしゅ)の4タイプに分類できる
■薫酒は香りが高く、エレガントな味わい。主に大吟醸酒や吟醸酒系。女性好みのモテ酒
■爽酒は軽快で滑らかなタイプで、主に本醸造や生酒系。飲みやすいので飲みすぎに注意
個性あるラベルや香り楽しむ酒器などで、さらに広がる日本酒の世界
高田 ワイングラスはワインの香りをより感じやすくする形状なので、薫酒のような香りの高い日本酒なら、より楽しめると思います。
高田 こういった渋い御猪口で飲めばやっぱり風情がありますし、もっと気軽に楽しみたいなら、例えば私は夏になると風鈴のイラストのガラスの器でお酒をいただいて涼しさを演出してみたり、お酒の味とともに器も大事だと思います。
高田 家に友達が来て日本酒を飲む時は、たくさんある御猪口から好みのものを自分で選んでもらうんです。私はこれ、今日はこっちにしようかなとか、けっこう盛り上がって楽しいですよ。
田中 最近はボトルも、ワインのようなデザインの効いたラベルがあって楽しいですね。
神崎 なかなか勉強熱心ですね。男性はうまいかどうかしか関心がない人が多いけど。
石井 僕もそっちでした。でも色々知ると面白いですね。では、次のお酒にいきましょうか?
高田 次は“醇酒”です。醇酒はコクのあるタイプです。香りは低いけれど複雑な味わいがある、純米酒に多いタイプですね。いかがでしょう?
石井 なるほど、前の2つのタイプに比べて、お米の酒らしいふくよかな感じがしますね。
神崎 醇酒は、お米の香りと旨味を味わえるお酒なんですね。
高田 これは東京の奥多摩で作られている澤乃井というお酒です。今も蔵の裏にある湧き水を仕込み水として使っているんですよ。今日お持ちしたのは、伝統的な手法の生酛(きもと)造りで造られたものです。
高田 そうですね。味わいの違いを表すもので、今日は初めてなのではっきり4つのタイプで比較していますが、実際には「薫酒よりの爽酒」などの言い方をして紹介しています。
田中 日本酒の味わいはそう明確に分類できるものではないからね。ただ、このマトリクスがあることで、おおよその位置づけできるのは素晴らしいと思います。
石井 どういう意味ですか?
神崎 最初は色、次に香りで判断して、半分ぐらい落とす。そこから口に含んで吐き出し、残味を確かめてまた半分に。残りの50種をもうちょっと口の中で回しながら確かめると、熟成度がわかるので、またそこで絞る。最後に10種ぐらい残ったら、飲みなはれと。
田中 逆に、自分にとってのいい酒と出会うにはそこまでの手間がかかるとも言えますね。それだけ酒の世界は深いと。
高田 なるほど。勉強になります。
【ポイント】
■器も重要。季節や飲むシーンを考えて選択を。日本酒の香りをより楽しむなら、ワイングラスで飲むのもあり。
■最近の日本酒はラベルも個性的。
■醇酒はコクのある複雑な味わい。お米のうまみとふくよかさを楽しめる。純米酒系に多い
通好みの古酒も体験。ロックで飲む楽しみも
神崎 色がもう、一見して違いますよね。
石井 本当だ。かなり黄色っぽいんですね。
石井 香りが本当に特徴的だし濃厚。確かに御猪口以外のグラスで出されたら、日本酒って思わないかもしれない。ワインのような感じもありますね。熟酒は大人の扉を叩く感じですね。
田中 神崎先生は熟酒タイプがお好きなんでしたっけ。
神崎 これに氷を浮かべて飲むのが好きですね。このままでもおいしいですが、熟酒に癖があると感じたら、氷を入れるのもおすすめです。
石井 ロックで! 以前ロックアイスに日本酒入れて飲んでいる人がいて、真似していたんですけど、氷入れるのって邪道かなと思っていたんですよ。先生自らそういう飲み方するって聞くと、ちょっとうれしいな(笑)。
石井 最近は若い女性でも日本酒好きな方が多いですよね。僕の父親もお酒大好きで、一升瓶がど~んとあって、それこそ酔っぱらえればいいみたいな(笑)。日本酒と言えば昔はそんな感じでしたが、今は違いますよね。
高田 私の周りにも日本酒好きの女子はものすごく多いですね。いろんなお酒を揃えているお店も最近は多いですし。私は家にも何十本も揃えていて、友達が来た時には好きなものを選んでもらっています。
石井 お~、酒亭「秋」だ(笑)。
高田 実は私、日本酒のプロデュースもさせていただいて、昨年函館の蔵で「秋華七 -AKIHANA-」というお酒を造ったんです。私が好きな薫酒タイプのお酒です。友達にもよくプレゼントするんですが、日本酒ってこんなに美味しいんだと、今までとは違うイメージを持ってもらうことが多いですね。
石井 そうなんですね!
石井 確かに女性の方がシビアな目線で見るんじゃないかと思います。でも今回こうやって高田さんに4タイプの日本酒をセレクトしてもらって、いろんな味わいがあることを実感できました。個人的には、薫酒タイプが一番おいしかったなぁ。
田中 モテる酒ですね(笑)。
神崎 今日の日本酒の選択は、お世辞抜きですごくよかったですね。本当に違いがとてもよくわかる。
高田 ありがとうございます!
神崎 あなたのプロデュースしているお酒がなかったのがちょっと残念ですが(笑)。
高田 すみません! ぜひ今度飲んでいただきたいです。飲んだ後、感想を聞くのはちょっと怖いですけど(笑)。
石井 じゃあ、それはまた次回ですね(笑)。今回はお酒の文化から味わいの違いまで、とても勉強になりました。そしてモテる酒のタイプもわかったので、実践したいと思います(笑)。本当にありがとうございました!
【ポイント】
■器も重要。季節や飲むシーンを考えて選択を。日本酒の香りをより楽しむなら、ワイングラスで飲むのもあり
■最近の日本酒はラベルも個性的
■熟酒は香り高く複雑な味わい。主に3年以上熟成させた古酒系、長期熟成酒系。日本酒通、上級者が好む味わい
■熟酒は氷を入れて飲むのもおすすめ
● 高田秋(たかだ・しゅう)
1991年、北海道生まれ。モデル・タレント。日本とアルメニアのクォーター(祖父がアルメニア人)。趣味は立ち飲みで、TV番組がきっかけで2018年唎酒師の資格を取得。地元・北海道の箱館醸蔵で日本酒「秋華七」をプロデュース。BSJapanext「おとなの嗜呑(たしのみ)」、BS-TBS「町中華で飲ろうぜ」、ラジオ日本『高田秋のFEEL SHU NICE』など、TV・ラジオに出演多数。BS11『BSイレブン競馬中継』やYouTubeでの競馬予想など、競馬方面でも活躍中。
● 神崎宣武(かんざき・のりたけ)
岡山県出身。武蔵野美術大学在学中より宮本常一に師事し、陶磁器・食文化・民間信仰の研究を主とする。文化審議会委員、(公財)伝統文化活性化国民協会理事、旅の文化研究所所長などを歴任。現在、東京農業大学客員教授、日本民族学会会員、(公財)伊勢文化会議所五十鈴塾塾長、岡山県文化振興審議会委員などをつとめる。岡山県宇佐八幡神社宮司でもある。『酒の日本文化 知っておきたいお酒の話』(角川学芸出版)、『三三九度―日本的契約の民族誌』(岩波書店)、『日本人の原風景―風土と信心とたつきの道』(講談社)ほか著書多数。
● 田中康嗣(たなか・こうじ)
「和塾」代表理事。大手広告代理店のコピーライターとして、数々の広告やブランディングに携わった後、和の魅力に目覚め、2004年にNPO法人「和塾」を設立。日本の伝統文化や芸術の発展的継承に寄与する様々な事業を行う。
和塾
豊穣で洗練された日本文化の中から、選りすぐりの最高峰の和文化体験を提供するのが和塾です。人間国宝など最高峰の講師陣を迎えた多様なお稽古を開催、また京都での国宝見学や四国での歌舞伎観劇などの塾生ツアー等、様々な催事を会員限定で実施しています。和塾でのブランド体験は、いかなるジャンルであれ、その位置づけは、常に「正統・本流・本格・本物」であり、そのレベルは、「高級で特別で一流」の存在。常に貴重で他に類のない得難い体験を提供します。
■和塾
HP/http://www.wajuku.jp/
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●【ご招待制】ダイナースクラブ プレミアムカードの詳細はこちら
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