2020.01.04
【第18回】
深津絵里似の美人ライター「1回出来たらその後タダ? そんなワケないじゃないですか(笑)」
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか?「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林伸次 構成/木村千鶴
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シーズン2のテーマは、ズバリ、今どき美女たちの“悩める”恋愛事情。美人だってときには恋に傷つくこともあるよねという推論のもと、美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第18回のゲストは、フリーランスでライターをされている絵里さん(30歳)です。前半(こちら)では大学の先生に不倫失恋して、失意のうちに六本木の会員制クラブ嬢になった経緯を告白。会員制クラブ時代の話から続けましょう。
プレゼントなんていらないから。その分、店に会いに来て
「同伴やそれにつながるデートはしますが、プライベートなお誘いは全部お断りしてました」
── へぇ、そうなんだ! 向こうは最初から同伴するからって言うんですか。
「言わない時もあって、そういう場合には色々調整して、店に連れて行きます(笑)」
── アハハ! 同伴ってそんなに大事なんだ。
「はい。お店のプラスにもなるし。あ、うちの店は順位性じゃなくって、同伴のポイントが全員にバックされるシステムだったんです。だから全員で一致団結、みたいな」
「口説いてきますけど、全部面倒くさい(笑)。夜の世界はフィクションなんです。なので私はプレゼントも断っていました。何もいらないから、そのぶんお店に会いに来てって」
── あ~そうなんだ! でもその年頃でたくさんお金稼いだら、やめられないですよね。
「私は留学にお金を使いたかったので」
── あ、そのお金は留学に使ったんですね! それはいい。水商売をしているとタクシーとか使うのが当たり前になっちゃって、金銭感覚がおかしくなるって聞きますから。
「お店が良かったんです。店にいるほとんどの女の子に目的があったので。起業したいとか、独立したいとか」
── わ~! 六本木にそんないいお店あるんだ。偶然そこにいけてよかったですね。で、留学して。そこでの恋愛話も是非(笑)。誰かと付き合いました? 外国人かな、同じような留学生かな。
「モラハラ男には引っかかりました(笑)」
── それはまたどうして。現地の人ですか?
「日本人コミュニティで知り合った日本人です。きっと寂しさと心細さに流されたんですね。セフレみたいな関係でした。最初は素敵に見えたけど、徐々にあれ?おかしいなって」
── どんな風におかしかったんですか。
「私が友達と遊ぶのを嫌がるんです。そして彼、私の家にず~っといるんですよ。自分の外出にも私を付き合わせ、四六時中とにかく彼の手中にいないとダメって」
── え~!?
「最初は楽しかったんです。ず~っと一緒にいられるのってやっぱりいいじゃないですか。でも、そのうち怖くなっちゃって。上手いこと友達の力を借りて抜け出しました」
── それは逃げ出せてよかった~!
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男の人とは寝ちゃうより、手をつなぐほうが勇気がいります
「私、ちょっと浮気の定義がわかんないんです」
── じゃあ、彼氏がいる時に他の男性とふたりで食事には行きますか?
「それは行きます」
── その時、手をつなぐのは……?
「手をつなぐのは絶対にナシです!」
── そっか(笑)。そしたらキスやセックスなんかとんでもない、と。
「あ、それはする(笑)」
え~~~~っ(笑)!!! 全然わかんない、どういうこと!?
「なんか、手をつなぐって、凄いことっていうか。どうでもいい人とキスやセックスはできても、手をつなぐなんてとてもできないです」
── ん~そっか。手をつなぐって恋愛状態というか……。
「そうそう、もう本当に心を許していて、この人と触れたいな~みたいな気持ちがあってから手をつなぐので」
── すると魅力的な男だったら転んじゃうわけですか、手はつながないけど(笑)。
「はい(笑)。ゲームですよね。モーションかけて向こうが声かけてきたら、勝ち!みたいな」
── すると彼氏がいても、この男、落としたいな~って自分から狙っていくこともあったんだ。
「ありますね。でもそれは浮気心じゃなく好奇心なんですよ。本当に付き合っている人にしか恋愛感情は持ったことないです。駆け引きのゲームが楽しいからするだけで」
「そういう人もいましたね」
── え~! やっぱりそうなんだ。それはセックスがいいから、上手いからそうしてるんですか。
「はい、上手いのかな。まあ、欲望ですよ」
── じゃあ彼氏ができてもその彼とはしていた?
「そうですね」
── うわ~~~やっぱりそうなんだ~。これは……男子、みんな落ち込んでる……。
「え~! いやいや、そりゃ、ひとりの人でぜ~んぶ満たされればいいですけど。それは男女関係なく一緒でしょ? 男性だって、ひとりの人で全部満たされれば、浮気なんてしないでしょう」
── まあそうか、しないですね。人間って元々色んな人とセックスするようにできてるみたいですから、正直に生きればそうか。
1回で終わっちゃう男にはそれなりの理由があるんですよ
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── その頃って楽しかったですか。
「ん~その時には楽しいと思っていたんですけど、振り返るとそうでもない。本当にゲームです。1回で終わりにするつもりがまたデートしようとか言ってくる男性が多くて面倒だし」
── 男って1回できるとそのあとタダだって思っちゃうんで(笑)。
「そんなわけないじゃないですか(笑)。1回でいいやって思う人って、セックスだけじゃなくって、話が面白くないとか、一緒にいてもつまんないとか理由があるんですよ」
── そうか。会話も面白いし何もかも面白いからセックスまで許すんだと思ってた。違うんだ!
「会話つまんないけど見た目好みだし、1回くらいやっておくか!ってしてみたら、やっぱり微妙だったな~ってこともあるんですよ」
── あ~そんな感じなんですね~。男子は勘違いしたらダメだな。あの、結局、絵里さんにとって最高な男ってやっぱり……。
「うん、大学の先生は忘れられないですね~」
── どんなところがいいんですか。
「本当にすべてが感動でした。楽しかった。そこから出会う人はみんなその人と比べちゃって。でも唯一、今の彼だけが比較しなかった人。ある時それに気づいて、あ、私この人とずっといようって思ったんです」
── わ~それはいい話だ~。僕ちょっとこれは泣ける。良かった~、それって時間だと思いますか? それとも彼がいい男?
「たぶん後者だと思います」
── 良かった~! これからはその彼のこと大事にしてください!
「はい!」
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【林さんから〆のひと言】
★この連載では登場していただける女性を募集しています
林さんに自分の恋愛観・恋愛体験をぜひ語ってみたいというアナタ。簡単な自己紹介文と写真、どんなことを話したいかを添えて下記までメールでご応募くださいませ。お願いするかたには担当よりご連絡させていただきます。
メール宛先/s1209@mb.shufu.co.jp
件名は「美人はスーパーカーである募集」でお願いいたします。
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■ BAR BOSSA(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/☎ 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。初の小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)も話題。