2020.02.08
【第20回】
倉科カナ似の美人グラドル「誰にも言うなと社長に千円渡されて」
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか?「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
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取材/林伸次 構成/木村千鶴
第20回のゲストは、グラビアアイドルのカナさん(32歳)です。
中学で初めて付き合った野球部の先輩に5股されました
「よろしくお願いします。なんかちょっと緊張する」
── ここでは似ている芸能人の名前でお呼びすることになってるんですけど、誰に似てるって言われますか。
「柳家小三治師匠に似てるって言われます」
── あ~(笑)、その美人のパターンですね。だいたいそうやってなんか挟むんですよ(笑)。いろいろ思い浮かぶけど、倉科カナさんかな~。カナさんにしましょう。
「わぁ、うれしいです」
── グラビアのお仕事をされているんですよね。すると自分の美人度を自覚されていると思いますが、子どもの頃からかわいくてモテてたんですか?
「そうでもないんですけど(笑)、小4くらいからモテだしたかな。でも中学の時に5股されてました(笑)」
── えっ、中学生で!?
「驚きですよね。野球部のカッコいい、ボウズでイケメンのちょい不良(ワル)な感じの先輩です。ずっと好きで、バレンタインでチョコあげてちょっと付き合ったんですけど、どうやら他にも彼女が何人もいるって噂で聞いて」
── なんか発展的な学校ですね(笑)。
「田舎なんですけどね。先輩にそのこと確認するとあっさり認めたんですよ、5人いるって。でも私、それでも1番にしてくれるならいいかなって思っちゃって(笑)。そう言ったら『う~ん、3番だね』って(笑)。その時はフラれました」
── 彼もひどい。でもカナさんも1番ならいいって(笑)。
「ひどいですよね~。だけど私が中3になってから彼が改めて告白してきたので、付き合ったんですよ」
── すると彼は高校生かな。その年齢だと彼はエッチな事する気持ち満々で迫ってくると思いますがどうでした?
中3なのに何も知らなくて……知らないまましちゃいました
── へえ~! 周りの女の子ともそういう話しないんだ。
「はい。なのでキスした時に舌を入れられてびっくりしました。ひえ~って(笑)。そんなことも知らなかったから」
── 口づけるのは知ってても、それはわからなかった、と(笑)。
「はい、驚いて目を開けたらなんか彼が白目だったんですよ。憧れの先輩が白目むいてて、一瞬嫌いになりました(笑)。子どもの頃ってちょっとしたことで嫌になったりしません?」
── ワッハハ、なるほど。ちょっと嫌いになって、でも好きだし……みたいなことありますね。
「そう、それ(笑)。初体験は中3の時のその彼です」
── 彼ってカナさんに告白した時には他の彼女たちと別れてました?
「別れてはいたんですけど最終的に浮気してました(笑)。彼の家に行ったら女の子と寝てるの見ちゃって、めちゃショックでそのまま家に帰って……」
── 彼高1ですよね? 凄いな。で、それで別れました?
「その後に問いただしても適当な返事だったので、もういいやって思って別れました」
── エラい! 女の子ってズルズルと悪い男に引きずられる子も多いから。そのあとはどんな人と付き合いましたか?
「高校でもイケメンと付き合ったんですが、その頃からセックスが楽しくなってきましたね」
── それは相手が上手かったからですか? それとも自分の身体の準備が整った?
「身体の準備が整ったんだと思います。だって最初の先輩と付き合った時にはまだ生理も来てなかったですから」
── え~!ちょっと、待って、それは(笑)。だから中3までセックスのこと知らなかったのか~。
「はい、何にもわかんないまましちゃったんです」
── わ~そういうことか。ちょっと衝撃。じゃあ女性としての準備が整って、それで気持ちよさがわかってきたんだ。彼とは長く付き合ったんですか。
「はい、彼とは4年間付き合いました。でも私はスカウトされて芸能の仕事をすることになったため、遠距離に」
さっきのことは誰にも言うなって言われて千円渡されて
「そうです。なんかおっぱいも出てきたし、その頃はグラビアアイドル真っ盛りだったんで、グラビアだ!!って思って。スカウトされた時は高校生で、東京に来れる?って聞かれたけど行けなかったので、高校を卒業してから事務所に所属しました」
── そこで地元を脱出したわけですね。きっと色んな男性に出会ったと思いますが。
「はい、まず初めに所属事務所の社長にセクハラされました(笑)」
── あ~そういう悪い男が多い業界ですもんね。どんなことが!?
「初めて事務所に行った日に『どんな感じか、ちょっと触るよ』っておっぱいを触られて。18歳の世間知らずだったから、そういうものなのかなって思ってしまったんですよね」
── そんなセクハラするオヤジがその頃にはまだいたんですね! 今じゃ一発アウトでしょう……服は着てたんですか?
「水着でした。でもそういうモノかなって思ってたら、帰りに『さっきのことは誰にも言うなよ』って言われて千円渡されたんですよ(笑)」
── ワハハ、千円! セコイ!
「そう。で、その後日、宣材写真を見せるからってホテルに連れて行かれて。写真を見ながら色々話してたら、ガバッと襲いかかってきておっぱいを鷲掴みにされて。それで初めてこいつはダメなヤツって気づきました。抵抗したのでそれ以上されなかったけど……」
── 無理矢理にまでする人じゃなかったんですね。やられなくてよかった~。
「そしたら、悪かったって言って、今度は帰りがけに1万円くれました(笑)。本当にキモかった」
── 増額してる(笑)。しかし本当に危ない綱渡りしましたね。
「はい、あとで同じ事務所の子が大勢セクハラされているのがわかって、みんなで会社にそれを訴えて、私は本社の事務所に移籍しました」
── あ、ちゃんと制裁を加えたんですね。良かった~!けっこうしっかりしてる!
付き合ってた彼氏にバックドロップされました
「同棲していた彼氏にバックドロップされたことがあります(笑)」
── え~~~!!! またハードな話だ(笑)。何でそんなことになったんですか?
「束縛が激しかったんですよ、彼。グラビアアイドルもやめろって言われてて」
── はあ~、そっか。なるほど、やきもちやきなんだ。
「はい。彼はアーティストなんですが、地方営業から帰ってきた朝、私は友達と約束してたから出かけようとしたんですね。そしたら出かけないで一緒に寝ようって言われて……いつもそうなんで、束縛が嫌だって振り切って出かけようとしたら、後ろから掴まれて、バックドロップされた(笑)」
── 凄いですね……言葉が見つからない。
「壮絶でしたよマジで。叩かれもしました」
── あ~、ほんとダメですね。彼は浮気とかしてました?
「してないと思う」
── そういう男って、凄く夢中になっちゃって二人だけの世界に閉じこもって束縛するんですよね。カナさんが浮気してばれたとかじゃないんですよね?
「はい、浮気なんてしてないです。とにかく束縛がひどい人。飲み会があるとクルマで迎えに来て待ってましたから」
── 何でそんなに束縛するんでしょうね。その彼とはどうやって終わったんですか。
「そのバックドロップの時ですね。このままこの人といたら死んじゃうと思って……別れた後もずっと連絡が続いていて大変でしたけど、先日ばったり会ったとき、普通に対応してくれたのでもう大丈夫だと思います」
── あ、会ったんですね⁉大丈夫でした? なんかこのインタビューしてると、「ひどい男だって思ってたけど、また会ったら関係が戻っちゃった」って人も多くて。
「あ~、そういうのよく聞きますよね。でも私はなかったです。ただ、彼も大人にはなってました」
私が家賃を払っているその部屋で、他の女と同棲されて
「ワハハ。でもその後どうしょうもないです。妻子あるデザイナーの人と6年付き合ってましたから」
── ひぇ~!! 6年?不倫? え~! 彼はいつか別れるって言ってくれてたんですか。
「はい。ダメですよね~、本当に。でも、結局奥さんとは別れたんですよ」
── あ、彼は本気だったんですね。カナさんのことは本当に好きだったんだ。カナさんも彼の言葉を信じてたし、好きな気持ちが本当だって感じてたんですね。
「はい。でも別れちゃった。彼が離婚する頃には私の気持ちが離れていて。待ってた時間が長すぎて嫌になってた」
── そうかそうか、20代の6年は長すぎますよね。
「そう。私はもう家に帰ってほしいって言ってたんです。私の家で同棲してたんですけど、離婚とかしなくていいからもう家に帰ってって。なのに突然離婚してきて」
── 本当に男女って難しいですね。タイミングがずれるとね。
「本当に悲しかった」
── 彼とはすんなり別れられたんですか?
「私はわりと引きずりました。彼に離婚までさせちゃったという罪悪感もあって、一緒に暮らしていた部屋からは私が出て、それでも家賃も光熱費も私がずっと払ったままにしたんです。1年間くらい」
── え~~~!!!
「いつでも戻れるようにって気持ちもありましたね。そしたらですよ、彼、数カ月後には新しい女できて、私が払い続けている部屋でその女と同棲してたんです(笑)!! 半年知らないまま払い続けてましたから(笑)」
── ひどい!! お金返してって言いました?
「いえ、もういいやって思ったから。でもそれで目が覚めました」
── そういう男じゃダメだって、気づいたんですね。じゃあもうオラオラした人は好きにならないんですよね?
「んん~……」
── やっぱりまだ好きなんだ(笑)!
「もう好きにならないって決めてるんです(笑)。でも本当はラッパーとかアーティストが好き(笑)。ダメだとは思ってるんですけど……」
── 思ってはいるけど、やめられない(笑)。なんでそういう感じの人が好きなんですか。
「なんかカッコいいって思っちゃうんです。それでいてちょっとシャイで、そんな感じがかわいくて。見た目も好きだし」
── でもオラオラしてる人ってダメな人も多いですよね、それはわかっている?
「はい。遊び人ですよね、結局。だから慎重になろうとは思ってます。でもね、6年付き合った人は、結婚さえしてなかったら最高でした。彼にはいろんなことを教えてもらいました。今でも感謝しています」
── カナさんって、仕事は今も芸能関係だけですか。
「いえ、飲食店や他業種何件か経営しています」
── 凄くやり手なんですね!
「自分でお金を稼げれば相手を頼らなくっていいので、自分の好きな人と付き合えるって思ってたんですよ。仕事したりアイデア考えたりするのが好きっていうのもあるんですけどね。でもやっぱり相手にもしっかりしていてほしい。これからはちゃんと選択していこうと思っています」
── そうか、その方がいいですよね。きっといい出会いがあると思います! 応援してますよ。
【林さんから〆のひと言】
お店もうまくいきそうです。恋もビジネスもうまくいくのを祈っております!
■ BAR BOSSA(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/☎ 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。最新刊「なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか」(旭屋出版)は、林さんが「このお店はすごい! 」と感じた飲食店のオーナーに自らインタビュー取材。繁盛店の秘密に迫ったドラマティックなビジネス書です。