2020.02.27
【第22回】
檀れい似の美人歯科医師。欲望のままに次々と彼氏を変えていったその結果……
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
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取材/林伸次 構成/木村千鶴
テーマは今どき美女たちの“悩める”恋愛事情。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。第22回のゲストは、歯科医師のれいさん(33歳)です。
好きだとこういうことが出来るんだって満たされた気持ちになって
「こちらこそよろしくお願いします」
── さっそくですが、ニックネームを付けましょう。やっぱりこの大人な感じの雰囲気は、檀れいさんかな。今日はれいさんと呼ばせてください。
「はい。なんか変な感じですね(笑)」
──ですよね(笑)と言いつつ、色んな恋愛の話を聞いていくんですが、れいさんが初めて男子と付き合ったのはいつでした?
「ちゃんと付き合うみたいなのは高校に入ってからかな。田舎の進学校だったんですが、最初に付き合ったのは先輩でした」
── 告白は向こうからですか?
「ん~私がアプローチをかけて、最後だけ向こうに言わせた感じ。それを繰り返した人生ですね。負け戦だと思ったらさっさと引き上げる(笑)」
── それは好き好き光線出すヤツですか?
「その類です(笑)。毎日メールしたり、ふたりで会いませんかみたいなこと言ってみたりして、向こうが“これはイケるだろ~”って思うところまで持っていって、最後は相手に言わせる(笑)」
── なるほど、決定的な事は言わずに“あれ、この子いけそうじゃん”って思わせておくのが手なんですね。
「そうですね。でも始めは付き合うってことがよくわかんなかったんです。私が好きになるタイプって、イケイケじゃなくておとなしい人なんですね。最初に付き合った先輩や次の彼とも、キスとか体を触る程度まではあってもそれ以上はなくて」
── そういうタイプの人だとあまり積極的にはこないのかな。
「気持ちはあるのかもしれないけど、表現が少ないんですね。するとそれ以上の展開が見えなくて、こっちもだんだん冷めてきちゃう。自分でもう勝手にストーリー創り上げて終わらせちゃう感じ」
── そっか、幼いってそんな感じかもしれませんね。
「少女的感覚かもしれませんね。でもその後にお付き合いした人は私の前に長く付き合ってた彼女がいて、経験済でした。まじめな人だったんですけど、付き合って1週間くらいで一線を超えました」
── へえ~、やっぱり男子が経験してるとそうなるんですね。
「大きいと思います。それまでは愛情表現が言葉だけでしたが、付き合うってこういうことか~って、彼とのことでわかりました。愛されてる充実感がありましたね」
── じゃあ、愛されてるって思うにはセックスって必要な事ですか。
「必要だと思います。彼のことが好きで、好きだとこういうことが出来るんだと、満たされた気持ちになりました」
── するとそれまではセックスのない関係だったから思い入れがそこまではなかったけど、セックスすることによって愛情が完成した、と。
「そうですね、完成された気がしました」
女の子って意外とセックスしたいと思ってる。言わないけど
「入学してから2年付き合った彼がいたんですけど、回数的に片手くらいしかしてなくて……友達の関係みたいになっちゃったんですよね。とても居心地の良い人だったんですけど。サイズの問題なのか痛くて、痛がる顔を見たくないって彼がしなくなっちゃって……」
── 彼って経験者だったんですか。
「いえ、私が初めてです。」
── あっ、それもあるかもしれませんね。
「そうかも。その後、大学5~6年から社会人になるまで長く付き合って、結婚までしようって言ってた彼がいたんですが、これまた彼が完全に童貞で」
── え! 結構童貞キラーですね(笑)。
「そうでした(笑)。付き合うこと自体も初めてっていう人だったんですけど、前の彼で悶々としてたので今度は『やりたいっ!』って自分から言ったら、彼も一生懸命勉強してくれて」
── ワハハハ!
「ふたりで勉強して、本を買って読んでは実践しました(笑)」
── ふたりとも医学生で勉強とか身体とか好きだから(笑)。彼は学習能力あるからスキルアップしたんじゃないですか。
「はい、凄いスキルアップしていって(笑)、ようやく発散できました」
── でも結婚しなかった。
「そうなんですよね。お互いの両親にも会って挨拶してたんですが、私が“このままいったらこの人と普通に結婚するんだろうな、これで終わりなのか?“って思っちゃって」
── あ~女性ってそんな風に思うんですね。
「今思えばもったいないことをしたなって思います。でも欲望に勝てなかった……」
── 欲望というのは、それは他の人と恋愛したかったんですか、それともセックスですか。
「正直に言うと、セックスでした」
── わ~そうなんだ! やっぱりそうなんですね。このインタビューやってて本当に思ったのが、女性ってセックスしたいんだ~ってことなんです。
「意外としたい。言わないけど、女子同士でも言わないけど、心の中ではそう思ってる」
── そうか、彼以外とやってみたいと思ったの?
「いろんな人としてみたいって気持ちがあったんですよ。夢っていうか(笑)。小説とか読んでるといろんなシチュエーションが出てきますよね。お酒飲みながらとか、ワンナイトって本当にあるの?とか、浮気とかってどうなんだろうって」
── そうか~、20代前半はいろんな事考えますね~。彼にお別れを言ったらどんな感じでした?
「僕よりいい人がもっといると思うって、そんな感じでした。純な人で、凄く好きでいてくれたから……幸せになってね、って言われて……」
── もう~、れいさんひどいですね~(笑)。
「本当に、いま思えば……」
──でも、そんなもんなのかな。女性は「あっちの方がいい男だな」って思ったらわりと簡単に心変わりするんです。どちらかと言うと男性の方が動かない。もうこの企画で色んな女性の話を聞いてて本当にそう思う(笑)。
「やはり女性のサガなんですかね……」
オラオラした男は2~3回目から手を抜き始める
「そうですね、治療で顔を合わせると毎回『いつ飲みに行く?(笑)』って誘ってくる人がいましたが、毅然とした態度で断ってましたよ」
── それはそうか~。患者さんですもんね。
「でも、ある日私が失恋している時に誘われて、お断りはしたんですが、いつもと違ったんでしょうね、態度が」
── きたきた!!
「隙があったんです(笑)、たぶん。帰り際にスッとアドレスを渡され、つい行ってしまい……ということが1度だけありました」
── 男子! 何度もトライすれば落ちる瞬間がやってくる!(笑)
「アハハ。でも、結局、そういう男性とは長続きせず、経験値だけ増えていきました。3カ月以上続かないってことが多くて……」
── うわ~。
「今度はこっちもどんどん傷ついていく」
── それは毎回傷つきますよね。そういう時の別れる理由はどんな?
「ひとつは、職種的に私の方が稼ぎがあることですね。私は気にしないんですが、男性の方が『俺の方が上に立っていたい』って感覚だったみたいで。そんな理由で別れるのかぁって思ってからは、逆に収入を気にし出しましたけど」
── あ~でもそうなると条件がグッと狭まってきますよね。
「でも歯科医師の年収って若いと1千万切るくらいなので、普通よりは高いかもしれないけど、全然います。医療系の人、MRとか証券マンとか、結構知り合って、まあいろいろと(笑)」
── なんか遊んでそうな相手ばかり……(笑)。
「オラオラ系ばかりで(笑)。私の好きなタイプが、仕事が好きな人なので」
── そうすると凄く“男”ですからね。彼らはセックスもオラオラしてますか。
「してますね(笑)」
── どんな感じなんだろう。
「えっと、盛り上げようとしてくれるのは感じます。やっぱり仕事できる人、仕事が好きな人って細かいところにまでこだわるじゃないですか」
── はい、あ、セックスもこだわるんですね(笑)。
「ちゃんとこちらの反応も確認する。だけど2~3回目から面倒くさくなってるのを感じます」
── オラオラした男は2~3回目から手を抜き始める(笑)。
「はい、そういう人って勝手に相手を知り尽くしちゃった気持ちになっているのかな。これをこうしたら気持ちがいいんだよね?っていう会話ができない」
──なるほど。
「結局、“彼の一人エッチに付き合わされてるのかな”って思わされるようなことが多くなって……。最初のうちはいろんな人とできるのが楽しかったんですけどね」
── 続けられませんよね、そんなこと……。でも、遊んでる 男性ってそういうセックスしがちですよね。
「そう、ようやく気づきました」
サイズのことは気にしなくていいんです
「いえ、28歳くらいで付き合った彼が、凄く手順を大事にする人だったんですよ。1カ月までキスもしないとか」
── あ、凄い真面目ですね。
「そう、そのステップがある意味、前戯(笑)。長い時間をかけた前戯に感じました。ようやく3カ月後くらいに結ばれて、その彼が、頭もよくて背も高い素敵な人だったんですけど……」
── ですけど……?
「もの凄く小さかったんですよ」
── うわ~~~どうしよう~あ~あ(笑)。
「本当に男の人の大きさってよくわからないんですけど、これは明らかに小さい!っていうくらい」
── 時々話に出てくるんですよね。で、どうなりました?
「それが、私、狭いタイプで、ちょうどよかったんです(笑)。3カ月の期間で好きになってたのもあり、凄く久しぶりに良いセックスをしたって思えたんです。そのことから、気持ちがあってちゃんと手順を踏んでくれる人が好きなんだなって思いました」
── え~それは良かった! サイズのことはあまり気にしないでいいかも、男子!(笑)
「はい(笑)。そんなことより、彼が手順をちゃんと踏んでくれたことがうれしくて、その行為と思いやりすべてが前戯になっていました。必要なのは『余裕』なんですかね。すると、身体だけじゃなくて心の充実感も得られるんだなって思います」
── ちゃんとリラックスして、ゆっくりゆっくりっていうのがいいんですね、なるほど~。これは勉強になった。ありがとうございました!
「わぁ、あっという間に終わっちゃた。楽しかったです!」
【林さんから〆のひと言】
★この連載では登場していただける女性を募集しています
林さんに自分の恋愛観・恋愛体験をぜひ語ってみたいというアナタ。簡単な自己紹介文と写真、どんなことを話したいかを添えて下記までメールでご応募くださいませ。お願いするかたには担当よりご連絡させていただきます。
メール宛先/s1209@mb.shufu.co.jp
件名は「美人はスーパーカーである募集」でお願いいたします。
■ BAR BOSSA(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/☎ 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。最新刊「なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか」(旭屋出版)は、林さんが「このお店はすごい! 」と感じた飲食店のオーナーに自らインタビュー取材。繁盛店の秘密に迫ったドラマティックなビジネス書です。