2022.10.09
第69回
自立心も性欲もちょっと強め。美人エステティシャンの恋愛観とは
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
写真/田中駿伍(MAETTICO) 取材/林 伸次 文・構成/木村千鶴
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
“ザ・男”って感じの人が好きです
「ガタイのいい人が好きです。身体に厚みがあって、言葉のラリーが面白い人には興味が湧きます。細い人にはあまり性的な魅力を感じない。今そういう人が凄く多いけど、私はゴリゴリの“ザ・男”って感じの人が好きです」
── その“身体の良さ”って、どんなところがいいんですか。安心感とか?
「抱きしめられた感覚? 抱擁感かな。回した手が届かないくらいの、あの感じが好きなんです」
── 顔はどうですか。
「いや〜、顔はそんなにこだわりないですね〜」
── あ、それだったらかなりストライクゾーン広いですね。では、あの人よかったな〜、結婚すべきだったかなと思う人はいますか。
「いましたね〜。その人のことは今でも狙ってます(笑)」
「たぶん人生で初めてひと目惚れした相手だと思います。会った瞬間のシーンをすごく覚えてて、その時にもうなんか打ち抜かれたような感情があったんですよ。彼は私の女友達の友達だったんですけど、彼女が本人に『優子なんかあなたのことタイプらしいよ』って言ったみたいで(笑)」
── おお! いい援護射撃!
「そう(笑)。すると男性も全然そんな気なかったのに、『お!?』ってなったんでしょうね。そこから急接近して始まりました」
── ちなみに、ひと目惚れで結婚したら離婚率が低いらしいです。直感はわりと信用できるのかもしれませんね。付き合っても良いままでしたか? 彼は。
「はい、良かったです。でも付き合ってる時はタイミングじゃなかったかもしれません。お互いにメンタルがボロボロだったというか。20代の頃の私は結構依存タイプだったし、彼は仕事でかなりやられてて、余裕もなく、結構トゲトゲしてました」
相手の男性の自信を失くさせてしまいがち
「その彼と昨年ぐらいに再会して、やっぱり良いなって思ったんですけどね〜。たぶん私、彼の自信を失くさせたと思います。私、相手の男性の自信を失くさせがちなんですよ……」
── えっとそれは、どう言って自信をなくさせちゃうんですか。
「言い方というより行動ですかね。私、意思を通しすぎる方で、それでもちゃんとお互いに話し合って、心情とかを共有できれば『あ〜だからそういう行動したんだな』とか、行動の意味がわかるじゃないですか。でもそれが苦手なんですよね」
── それは話し合うのが苦手なんですか。それとも意思表示が?
「う〜ん、話し合いたいとは思っているんですけど、なんか急に相手の立場に立てなくなって、我を通すところがあるんです」
── そうか〜。恋愛相手の人が目の前にいると、なかなかね〜。ちなみに、今誰かと結婚を前提に付き合うとしますよね? 性格が合うとか会話が面白いっていうのは大前提として、重要視するのは何ですか。例えば、お金とセックスだったらどっちが大事かとか。
「その二択で言ったらセックスの相性かもしれない。お金は自分でも稼げるじゃないですか。でもセックスの相性は変わらないから。あ、でもそれも育てようとはしますけど」
「こうしたらうれしい」って伝えたら、そのままやってもらえます
「もちろん最低限の相性が合う上での話ですが、自分の要望を伝えるのは大事だと思います。言い方、言葉のチョイスですよね。『こうしてほしい』じゃなくて『こうしてくれたらうれしい』と言うとか」
── 「こうしてくれたらうれしい」って言われると、男性はやっぱり頑張りますよね。
「はい、そのままやってくれます(笑)。さらにもっと『これはどう?』って聞いてくれます」
── なるほどそうか〜。そうして会話しながら育っていくんですね。優子さんは、食事くらいなら誰とでも行きますか。
「誰とでもではないですね、時間は貴重だから。そのラインがどこかってことですよね? う〜ん、その人と話して面白そうかどうか、かな。私は知らないことを知るのが凄く好きなんです。以前『広く浅い知識をつけた方がいいよ』ってアドバイスをくれた人がいて、その通りだなと思ったので」
── それは確かに。会話の糸口にもなりますよね。
── それは凄くいい話ですね。
「以前、サバゲーに誘われて、全然興味がなかったけど、やらなければ良いも悪いも判断できないんで、ひとまず行ってみたんです。そしたら意外に面白かった。こういうことは他でもあるだろうなって思って、なんでも興味を持つようになりました」
── するとそれが男性だとしても、面白そうだったら食事ぐらいは行くと。
「そうですね。この人信念を持って仕事してるなとか、その人なりのシーンみたいなのが見えると興味が湧きます」
── その気持ちはとてもわかります。今日はいい話をたくさん聞きました。ありがとうございました。
【林さんから〆のひと言】
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。近著に小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)など。最新刊はcakesの連載から大人論を抜粋してまとめた『大人の条件』(産業編集センター)。