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2023.06.24

【お宅拝見!】猫のためにおウチをリノベーション!?

全国の推計飼育頭数は犬が705万3000頭、猫が883万7000頭。つまり、犬よりも猫を飼う人のほうが多く、ペットというよりコンパニオン・アニマル(伴侶動物)になっている。そんな猫のためのリノベーションを拝見!

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文/山本久美子(住宅ジャーナリスト)

記事提供/東洋経済ONLINE
いまやペットは欠かせない家族の一員だ。実は近年、猫が快適に過ごすために住まいをリノベーションする事例が増えているという。ではどんな点に注意して、リノベーションをしたらよいのだろうか。住宅のリノベーションを数多く手がけるリノベるが開催した「偏愛くらし展 #猫 byリノベる。」の会場を訪れ取材した。
【お宅拝見!】猫のためにおウチをリノベーション!?
▲ 猫のために住まいをリノベーションする事例が増えている。(写真/リノべる)

猫を偏愛する人の究極の猫リノベが増加中?

“偏愛くらし”にもさまざまあるが、事例として多いのが「猫」だという。中古マンションを究極の猫リノベしたMさんのお宅の事例が展示されており、間取りスケッチにさまざまなアイデアが記載されていた。
【お宅拝見!】猫のためにおウチをリノベーション!?
▲ 「偏愛くらし展 #猫 byリノベる。」の会場にて。(筆者撮影)
「リノベる。」の設計を担当する、設計施工本部 首都圏デザイン部の前田彩さんに話を聞いた。ここ1年の設計で、前田さんが担当した20件中5件が猫を飼う想定の家だったという。前田さん自身も猫を飼っていた経験があるので、猫リノベを担当することが多いというが、それでもかなりの数だ。

ペットフード協会によると、全国の推計飼育頭数は犬が705万3000頭、猫が883万7000頭だ。いまは犬よりも猫を飼う家庭のほうが多く、ペットというよりコンパニオン・アニマル(伴侶動物)として家族の一員となっている。

そのため、家で暮らす人にとっても猫にとっても、快適な空間にしたいと考える人が多く、リノベーションでそれを実現したいということのようだ。実際に猫を飼っている人ばかりでなく、今後猫を飼いたいのでリノべーションしておきたいという人も多いという。
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猫リノベに欠かせないキャットウォーク

Mさんのお宅の事例を詳しくみていこう。リノベでこだわったのが、寝室も兼ねる広いLDKの上部にぐるりと付けた「キャットウォーク」。猫には、高い所から見下ろすのが好きな習性がある。高い所は危険が少なく、獲物が見つけやすいからのようだ。

猫は頭が通れば狭いところでも通り抜けができるので、飼っている猫2頭がすれ違えるような幅の板でキャットウォークを作った。合わせて、視線を遮る場所も必要なので、キャットウォークに物陰となる穴の開いた板を部分的につけている。
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▲ Mさんの猫リノベ事例。キャットウォークと物陰部分。(写真/リノベる)
この長さなら2頭が自由に好きな場所を歩くことができるが、「ワンルームなど狭い家ではキャットウォークも短くなって、猫が快適に過ごせないということはないのか?」と聞いてみた。

猫は上り下りの運動ができることが大切で、キャットウォークに長さは必要ないそうだ。Mさん宅では段差のある複数の棚やステップを付けて、上下運動できる場所を設けている。

「臭いがするトイレの設置場所」も気になるところだ。Mさん宅では、換気扇のある脱衣所に猫用トイレを設置し、脱衣所の扉にアーチ形の猫用扉を開けた。また、脱衣所の床を手入れがしやすい塩ビタイルにした。
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▲ Mさん宅の猫用扉。(写真/リノベる)
ただ、臭いについては、飼い主は意外に気にならないので、換気扇はマストではないという。気をつけたいのはトイレの数だ。「猫の数+1」のトイレを設置したほうがよい。とくに多頭飼いの場合は、トイレを余分に用意することで、ほかの猫と同じトイレを嫌がる猫が粗相をしてしまうのを防ぐ効果があるからだという。

猫を飼っている人の悩みで意外と多いのが、「猫の毛が洋服についてしまう」というもの。Mさん宅では、ウォークインクロゼットや納戸を猫が入れない玄関側に集中させることで、衣類に猫の毛がつかないように、重要な本や書類にイタズラされないように、といった工夫をしている。
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▲ Mさん宅リノベーション前。(写真/リノベる)
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▲ Mさん宅リノベーション後。(写真/リノベる)

危険から猫を守ることも猫リノベのカギに

猫が快適に過ごせるように工夫するだけではなく、家族である猫を危険から守るための工夫も大切だ。前田さんによると、注意したいのはキッチンと玄関だという。
【お宅拝見!】猫のためにおウチをリノベーション!?
▲ リノベーション前。(写真/リノベる)
【お宅拝見!】猫のためにおウチをリノベーション!?
▲ リノベーション後。(写真/リノベる)
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この猫リノベ事例の特徴は、キッチンの開口部とLDのガラス入り扉の奥に見える玄関前に、木製の格子状の造作扉が付けてあることだ。まずキッチンだが、火や水を使い、刃物も置かれる危険な場所だ。猫が入れないように閉め切ってしまう方法もあるが、互いに様子がわかるようにしたほうがいいという飼い主の意向で、格子状の扉を造りつけた。
【お宅拝見!】猫のためにおウチをリノベーション!?
▲ キッチンの中からも猫の様子がわかる。(写真/リノベる)
同じように、玄関から脱走してしまい、交通事故や感染などの危険を避けるために、リビングと玄関の間に鍵付きの格子状の造作扉を取り付けた。

なお、こちらの事例もキャットウォークとステップを付けた。LD上部のキャットウォークの通路と隣室の間の壁は、あえて透明ガラスの窓を入れ、猫は隣室の様子もガラス越しに見ることができるようになっている。
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▲ キャットウォークとステップ。(写真/リノベる)
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肉球や猫のカワイイ姿を飼い主だって見たい!

猫は1日12~16時間も寝るのだそうだ。猫を偏愛する飼い主なら、そんな猫の姿をたっぷり見たいもの。最近人気なのは、キャットウォークをガラスで作って、猫の歩く姿を下から見られるようにしたもの。

とくに、肉球がはっきり見えるので、飼い主のハートはわしづかみされる。前田さんによると、アクリル板だと傷がつくので強化ガラスのほうがおすすめだそうだ。

そして、もう1つが猫ボウル。キャットウォークに猫ボウルを組み合わせた猫リノベを紹介しよう。猫は丸いものが大好きなので、ここにすっぽり入る姿を下から見ることができる。ただし、猫が入ったときに落下しないよう、ボウルをはめる集成材に高い加工精度が必要だったりと、安全性を考慮して制作する必要があったという。
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▲ キャットウォークに猫ボウルを取り付けた事例。(写真/リノベる)
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▲ 猫ボウルは2つある。この事例でも、キャットウォークと隣接する部屋の壁は透明ガラスの窓にしている。(写真/リノベる)

猫リノベにどんなデメリットがある?

近年の猫人気の高まりを受けて、建具や部材、商品などで猫仕様のものが増えている。爪とぎをして壁などを傷つけたり、臭いがしたりといったことについては、消臭機能のある壁紙・床材や引っかきキズに強いスーパー耐久性タイプの壁紙などもある。こうしたものを採り入れれば、デメリットと思われることは軽減できる。

なので、猫リノベをしてデメリットになるのは、「売るときではないか」と前田さん。猫仕様になっているので、買い手が猫好きであれば取引がスムーズに進むだろうが、猫を飼わない人の場合に売りづらくなる可能性がある。

こうしたことを考慮して、猫用ステップを本棚として使えるように配置したり、マグネット式の着脱できる棚にしたりといった事例もあるという。また、家具会社も猫仕様のものを増やしているので、造り付けでなくキャットタワーのような家具を設置するといった方法もあるだろう。

猫は家族同様の時代。猫が快適に暮らす様子を見れば、飼い主もうれしいはず。今後も猫リノベは、ますます増えるのではないか。とはいえ、家の広さやリノベーションの費用に限りはあるので、人の快適さと猫の快適さのバランスをどう取るかが、猫リノベの成功のカギになる。
当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です

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