柔術も仕事も楽しいから続ける。そもそも楽しそうに生きてないと愛されない!?

「若かりし頃は意識せずとも体型を維持できていたのに、今やお腹周りに浮き輪のようなお肉が……」なんて嘆いているそこのアナタ！ そう、太りやすいオヤジ世代だからこそ、体が引き締まっていると、ちゃんと美容や健康面のケアもしてるんだなって周りから一目置かれるって話なのです。

そこで、ブラジリアン柔術で絞った男らしい体と、人付き合いやインスタグラム投稿のマメさのギャップも魅力な「愛されオヤジ」にインタビュー！

アパレルや飲食などのお店のディスプレイを手掛けるVMD（ヴィジュアルマーチャンダイザー）として、数多くのクライアントを抱える長崎勇平さん。普段はラフな白T姿ですが、柔術の道着に着替えると、厚みのある肩や胸板、割れた腹筋と、なんとも男らしい体型であることに気づかされます！

「いや僕も、8年前の40手前頃は腹がポーンと出て、まあまあ太っていたんですよ。だけど40歳の誕生日に勢いで糖質制限ダイエットを始めて、2週間経った頃ウエストが15cmくらい減っててね。その時、『痩せて動きやすい体になったからには、何か運動を始めたい！』と思ったんです。

友達がやっていたブラジリアン柔術を体験してみようと軽いノリで行ったんですけど、めちゃくちゃ負かされて悔しくなっちゃって。見返してやろうと思って、その場で道場に入会しました（笑）」

ブラジリアン柔術とは、寝技を主体とする組み技系の格闘技のこと。格闘技というと殴る蹴るのケンカのようなイメージがありますが、柔術は実戦性を備えてはいるけれど打撃技はないため、力よりもタイミングが重要で、投げて倒して締めるという技のバリエーションやガードワークといった総合力が必要なんです。

相当スタミナを使うはずですが、今や長崎さんはほぼ毎日道場に通っているそう。しかも、オフィスを置く東京と家族のいる神戸の2拠点生活という多忙の中で、ルーティン化しているというから驚き！ 新幹線での移動中に、練習風景を撮った動画を観て復習することもあるとか。

「基本的に毎日1時間ほど取っ組み合いをするので、柔術以外にトレーニングすることはないです。だけど柔術は全身運動だから、これだけで自然と体が絞られていく。さらに、昼の休憩時間に練習するので、昼飯を食べることがほぼなく1日2食か1食になりました。

そうすると僕の場合は体の調子がすごくよくなったし、夕飯を美味しく感じられるようにもなった。『昼だからご飯食べなきゃ』という惰性的な食事がなくなり、“お腹が空かないと食べない食生活”に変わったんです」

この食生活になってからは1食1食を大事にするようになり、できるだけ美味しい店、友人がやっている店など、行きたい所にだけ行くようになったそう。食べるものに関してはあれダメこれダメという制限こそ作らないけれど、いい店が出す料理なら体に悪いものに出合うこともない、と長崎さんは言います。

とはいえ、年に2回ほど出る試合の前には、重量制限のため食事制限をすることも。全日本レベルの大会で3位という好成績を残す長崎さんですが、なぜそこまで続けることができるのか、聞いてみました。

「今はもう体を鍛えたいというより、強くなりたいという思いのほうが大きいかな。だから練習しないと不安になる。結局格闘技って弱いと楽しくなくて、負けないためにやり続けているんですよ。帯の色が変わっていく喜びもあるし、格闘技界のチェスと言われるくらい頭もかなり使うから、仕事のことを忘れるほど没頭できるんです」

長崎さんのほどよく引き締まった体には、逞しい、頼れそう、男の色気があるといった見た目の印象だけでなく、自己管理ができる努力家といった内面も見受けられます。それが好感に結びつき、長崎さんが多くの仲間から慕われているのは言わずもがな。

柔術と聞くと、無骨で飾り気のない男の世界をイメージしがちですが、長崎さんの場合は違う模様。仕事柄、「物を扱うなら、自分が消費者でないといかん」というポリシーがあり、新しいものや流行りもののチェックに余念がなく、実はコスメの知識にも長けています。

「今はメンズコスメが豊富だから、楽しんでみるのもいいですよ。何もやらないより、やったほうがいいとも思いますしね。僕もいろいろ使ったけど、化粧水はキールズの『カレンデュラ』が自分に合うなと感じます。ボトルが大きく量も多いから、風呂上りや朝起きた時にバッシャバッシャかけられるのがいいんです」

「女性はしっとり感を求めると思うんですが、男性はどちらかというとスッキリしたいんですよね。僕が愛用しているコスメも、テクスチャーが爽快で清涼感が得られるものがほとんど。けどまあ、妻や娘からは『私たちも使える保湿系のコスメにして』と言われますけどね（笑）」

長崎さんは前述の体の管理以外に、時間の管理も徹底していることが発覚。特に人との約束の時間は守るのが鉄則と語ります。

「友達同士って、結構当たり前にドタキャンってあるじゃないですか。だけど友達とご飯食べるのも仕事も同じスケジュールの一環だから、僕は優劣をつけたくないんですよね。だから、仕事でパンパンになっていても『行くよ』と言った集まりやレセプションには必ず顔を出すし。けど結局、そういったくだけた場面で会ったり話したりするほうが、仕事だけ根詰めてやっているより得られるものがありますよね」

大手アパレルメーカーの営業マンだった経歴もあり、人との交流が好きだと言う長崎さん。彼のインスタグラムは、物や場所を紹介した投稿にコメントが寄せられたり、その日会った人をタグ付けしたストーリーズ投稿をしたりと、コミュニケーションツールの1つになっています。

「自分はオヤジだからってインスタに躊躇する人もたまにいるんですが、そんなことは全然ない、楽しんだもん勝ちですよ」

仕事柄、何をどう見せるかという構図スキルを持ち合わせているだけに、フォトジェニックな写真に魅せられているフォロワーも多く、実は筆者もその1人。

「楽しく生きていたらそれが一番じゃない？ って。柔術も食事も人との付き合いだって、楽しいと思うから続けられる。僕からしたら、『愛されオヤジ』って“無理なく楽しそうに過ごしている人”。ストイックなヤツがカッコいいとは思わないんです。

それこそ、“首尾一貫”ってファッションでは悪で。昨日は赤で作ろうって言った物も、今日は黄色になることだってある。そんな気分の様変わりを楽しめる柔軟さで、日々楽しく過ごせたらいいなと思うんです。

そういう意味では、柔術だって人生だって総合力。1つだけ突出していてもどこかで行き詰まるし、いきなり一本取りに行くなんてハードルが高いわけだから、柔術も人生も柔軟に立ち回れるいろんな技を身につけていきたいですね」

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