2023.08.13
【第80回】
清楚系リケジョの告白「私、性欲が強いんです」
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第80回目のゲストは、メイサさん(28)です。
性の知識が全然なくて、お菓子と間違えてアレを食べようとしました
「はい、ちょっと緊張しています」
── どうぞお気楽にお話しください。まずはここでのニックネームを決めなければいけないんですが、え〜っと、ちょっと黒木メイサさんに似ている気がしますので、今日はメイサさんと呼ばせてください。
「光栄です。よろしくお願いします」
── 早速ですが、初めてお付き合いした彼のことから聞いていいですか。
「ちゃんと付き合ったのは高1の時、席が隣で仲良かった男子が最初だったように思います」
── わ〜、青春って感じがしますね。彼が告白してきたんですか?
「う〜ん、本当にロクでもない話なんですが『クリスマスまでに彼女が欲しい。今だったらお前だなと思ってるんだけど、お前が違うんだったら俺は別の人にいく』って、そんな言い方で告白してきたんですよ(笑)。それでも仲が良かったし、付き合ったんですが」
── 素直に言えない感じの男子だったのかな。でもお付き合いはしたんですね。
「はい、付き合ってから好きになっていきました。彼が初めての人です」
「それが私、高校生まで性の知識が全くなかったんですよね。だからよくわかっていなかった」
── 高校生まで興味もなかったんですか。
「そう、うちの高校には、新入生を部活に勧誘するために先輩たちがお菓子を配る習慣があったんですが、イタズラでコンドームが混ざってて、でも何かわからずに開けて齧ってしまったくらい何も知らなかった」
── ワハハハ!! 齧ったんですか。でもその後周りがどんどん経験しだすし、自分も経験して、色々気になって調べたりはしませんでしたか?
「彼に『こういうキーワードで調べたら出てくるから、自分で自分のことを開発して』って言われて調べたことがあります。なんか不満だったんでしょうね。私からの反応がなくて」
── え!? 彼がそんなことを言うんですか。なんか偉そうというか、お前何様だよって感じですよね。
「本当にそう! 紳士じゃないんですよね。今の知識を持っていたらそんな男にはいかないです。向こうはガキだったし、その頃の私は自己肯定感が低かった」
自己都合で終わらせる男性には満足できないですよね
「これがですね、慣れてきたら、私はとても性欲が強かった(笑)」
── あ、え?(笑) そういうこともあるんだ。
「でも学生時代に付き合った男性は自己都合で終わらせる人が多かったんです。すると満足もできないし、腹も立つし、だからまあ、浮気をしますね」
── 浮気をするんですか。
「最初の人の時には浮気はしませんでしたけど、浮気というか、ずっとなんとなく好きだけど、彼にはいつも彼女がいて付き合えなかった男子がいたんです」
── なるほど、モテる人だったんですか?
「カッコ良かったと思います。ベースをやってて、背が高くて、顔が好みでした。ずっと一緒に委員会活動をしていた仲間だったので、自分の気持ちに最初は気づいていませんでしたが、後から思えばその頃から好きだった。ある時、彼に誘われて関係を持ってしまい……。ひたすら優しくて、思いやりがあって良かったんですよね〜」
「こっちになびいてくれたらいいのにと思いました。これで私に落ちてくれればって」
── そんなふうに女子に思われる男子がいるんですね。でも、彼ってちょっと悪い男じゃないですか?
「そう、悪い奴だと思う。それで私に乗り換えてくれるのかなってちょっとは思うじゃないですか。そんな気配もなく。その後大学生になってからも何回か会ってるんですけど、あちらにはいつも彼女がいるんですよ。こちらにも彼氏がいる時は、結果浮気になっていました」
── それでもそういう関係になってしまう?
「なんか、彼にハグされると『好きー♡』ってなっちゃうんですよね。もうこのままでいいやって。飲みに行かない?って誘われたら絶対に行っちゃうし」
── ワハハハ! 今、その彼と会ってもそうなっちゃいますか。
「もう大丈夫。『あの人何考えてるかわかんないし、もういいや!』とちゃんと思えてますから」
例のアノ人がカットインしてきて、また浮気を
「どうなんだろう。惹かれるのは変な人かもしれない。大学に入学してから付き合った人は、束縛がひどかった。彼の家から出してくれないし、自分の家に帰ると鬼電がかかってきて、電話に出たら長々と怒られるんです」
── なんでそんなことに!?
「その人と付き合っているときに、例の好きな人と一度浮気したのがバレたからですね(笑)」
── あれれ。でもまさか殴られはしなかったんでしょう?
「そこからモラハラDVみたいになってしまって、何度も殴られましたよ。本当に怖かったです。でも殴り返してみたら、びっくりして泣き顔になって。自分は殴っておいて、やり返されたら泣くって、ずいぶん舐めてませんか。モラハラDVを繰り返す人種ってやり返されることは想定していないんですね」
── 本当にダメな男ですね。彼とは別れられたんですか。
「しばらく共依存みたいな関係が続いていました。それでもなんとか縁を切りたくて、別れて他の人と付き合いました。その彼がすごくまともな人で、うまく引っ張り上げてくれたのでよかったです」
── いい人だったんですね。
「はい、私の受けた悲しみや心の傷についても話を聞いてくれていました。それでも一回怒られましたけどね。『被害者ぶるのはやめなよ。悲しい気持ちはわかるけど、同じことばかり言うのはやめよう』と」
── ちゃんとした人ですね。その人とは長くお付き合いできたんですか。
「はい、ただ一度またあの例の好きな人がカットインしてきて(笑)」
── わああ、なんで〜(笑)!!
「バレてしまい(笑)。激オコでしたね」
── それでもよく別れないでいましたね〜。
「結局は私から別れを切り出しました。さすがに申し訳ないなと」
── そうなっちゃいましたか〜。でも、その彼とは切れたんですね。大人になってからの恋愛は後編で聞かせてください。
後編へ続く
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/19:00〜24:00
定休日/日・祝
TEL/03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。著書は小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。最新刊は『結局、人の悩みは人間関係』(産業編集センター)。