2020.06.18
VOL.07「付箋は時に引き金に」
要注意! それは誰にあげるプレゼント?
人気放送作家にして戦略的PRコンサルタントでもある野呂エイシロウさんが、長い業界生活の中で見聞きし、あるいは遭遇した、恋するオヤジさんたちの愛すべき艶話をこっそり披露する連載です。
- CREDIT :
文/野呂エイシロウ イラスト/早乙女道春、林田秀一
■ Theme07「付箋(ふせん)は時に引き金に」
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食事が終わってドルチェとともにエスプレッソ。妻は紅茶を飲んで幸せな時間が続いていた。そのタイミングで妻のために選んだプレゼントを渡したという。その瞬間、「あなた!コレ何?」とどす黒い声が。「ハンドバッグだよ」と呑気に答えたらしいのだが、彼女の手にあったのは付箋、それもブランドの名前の入ったもので、そこには、「中」の文字。
時間をタイムマシンで2時間前に戻そう。実は彼はそのブランドショップで3つのバッグを買った。だが、紙袋も箱も同じだった。その時、プレゼントを包装してくれた店員さんが付箋に「大」「中」「小」の文字を書き、「くれぐれも付箋は剥がしてくださいね」とひと声。急いでいた彼はすっかりその注意を忘れていたのだ。それが引き金だ。つまり、奥さん以外にふたりの彼女がいたのだ。「大」を奥さんに渡しておけばまだしも……、彼女がいる男性は、要注意。
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野呂エイシロウ
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。気さくな人柄と豊富な知識、そして巧みな話術にファンも多い。現在は戦略的PRコンサルタント業務など、多忙を極める。