オトナの世界を楽しく刺激する艶語の世界
そこから20年の時が流れ、2024年現在。髪をカーラーで巻いている女性も少なくなり、現在の女性ファッションはなんと言うか……こざっぱりしてニュートラル? 艶女ほど女らしさムンムンのスタイルは絶滅危惧種となりました。では、女性たちは“艶”をどこかに置き忘れてきたのか? と聞かれたらその答えは否。女たちは心の底に艶を秘め、出すべき相手にはきちんとターゲティングして放出しております。
そこで、本連載ではいつかの艶女&艶男(NIKITAではアデオスと読んでました)のために、艶のある言葉=艶語(えんご)に注目。昨今、スマホやPCに頼りすぎているため漢字の読み方などついおざなりにしがちですが、艶語を知ることでアナタの艶もちょっぴり刺激され、乾いた日々にも少し潤いがもたらされたらいいな、なんて。いくつになっても艶を忘れず、色っぽく参りましょう~!
ということで、第1回のお題はこちら。
●この漢字、何と読む?
ちなみにこちら、音読みで「けい」となり、閨房(けいぼう)、孤閨(こけい)などのように使われます。閨房とはやはり寝室の意味で、マルキド・サドの『閨房の哲学』なんて本もありましたっけ。「少女ウージェニー、サン・タンジュ夫人、ドルマンセの三人を中心に進められる物語は、会話や議論を行うシーンとその実践としての乱交のシーンが交互に繰り広げられ、その展開の中から独自の反革命思想が立ち上がってくる」と、講談社学術文庫版の内容説明にありましたが、筆者は未読です、ハイ。
孤閨といえば、これまた寝室の意味でして、とくに夫が長く不在にしている女の寝間のことだそうです。女ひとりでも未婚の場合は孤閨と言わないのでしょうか? 主な用法として「孤閨をかこつ」というものがありますが、夫に放っておかれた婦人が寝室でひとり何をしているやら……殿方たちの妄想を描きたてることでしょう(実際は高いびきで寝てるだけだと思いますが)。
ちなみに古い言葉ですが、閨秀作家というのもあります。これは女流作家の意味。閨房で秀でている女性という意味で、語源は論語にあるそうですが、今使うには少々ためらいを感じますね。現在活躍している女性作家のみなさんを閨秀作家などと呼んだら炎上間違いなしでしょう。
「閨」の用法と例文
1.「閨の睦言を本気にするヤツがあるか」
(「こないだジュエリー買ってくれるって言ったのに~。嘘つき!」と続きます)
2.「閨のお仕度、整っております」
(旅館の仲居さんが「このふたり、不倫かしら? 」と勘繰りながら)
3.「キミ、旦那が単身赴任だって? それで孤閨をかこっているわけかね」
(それ、セクハラです!)