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2024.02.25

【第89回】

「ずっと好きだった人にはいきなりラブホテルに連れ込まれて……」奥手美女が求めるオトコとは?

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)

「ワイングラスの向こう側」(KADOKAWA)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第89回目のゲストは、前回に続いて佳乃さん(32)です。前編では、女子校育ちで男性への免疫がなかったことや、好きになった人に対して蛙化現象を起こしやすいという悩みを聞かせてくれました。後編では、その後の恋愛談について掘り下げます。
美人はスーパーカーである 美女 恋愛 大人
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飲み会の帰り道、朝っぱらから連れて行かれたのはラブホテルでした

── 前回は、「自分は男を見る目がない」と話していましたが、なぜそう感じたんですか。

「新卒で就職した会社に、若手が集う会みたいなのがありまして。そこにカッコよくて話しやすい先輩がいて、ちょっと好きだったんです。みんな仲良くて土日も遊んだりするような仲間で」

── そういう時って、“好き好き光線”を出しちゃう?

「はい、出ているんでしょうね(笑)。それは向こうも気づくから調子に乗るじゃないですか、俺のこと好きだなって。飲み会でもチューしてくるし、私以外の子にもするし」

── 前回、チャラい遊び人を好きになるって言ってましたもんね。ちょとモテる、軽い感じの人なんですね。

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「そう、モテるのは分かるんですけどねえ。後々聞いた話によると、社内の女性5〜6人に手を出していたようで、凄いな……とは思いました」

── ええっ、それも社内で? 凄いなそれは……。後から嫌になる要素はたっぷりありそう。あの失礼ですが、男性経験は?

「一回ありました。大学時代に好きだった人です。彼のことは4〜5年引きずっちゃったかな。めちゃめちゃカッコいい細マッチョだったんですけど、モテるし、彼女もいるかもしれない、でもずっと好きで」
美人はスーパーカーである 美女 恋愛 大人
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── あ〜、そういうことか。モテモテなイケメンタイプが好みなんですね。

「そうなんです(笑)。仕事関係の女子とのホームパーティーに声をかけてみたら、その彼が友人と来てくれたんですね。朝になって一緒に帰ったんですが、その帰り道に雪が降っていて『寒いからどこかに入ろう』と言われ、『1〜2時間なら大丈夫だよ』と答えたら彼がタクシーを捕まえて。連れていかれたところがラブホテルでした」

── え、朝ですよね? すっごいですね。やる気満々というか。じゃあ、もういいやOKって?

「最初はめちゃくちゃ抵抗してたんですけど、本当にずっと好きだったし、そんなに後悔しないだろうと思って」

── なるほど、初めてだというのは伝えたんですか。

「いや、伝えてないです。彼はそうとは思っていなかったと思います」
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── ちなみに、その時にそういうことって気持ち悪く思いましたか。

「いや、行為自体はそんなことはなかったんですけど、あの、本当に変態な人だったので……」

── 変なことしたんですか!

「はい、何がとはここでは言えませんけど、相当な変態だと思います。それで、すっかりその人に対する気持ちがなくなってしまって、まあ、蛙化ですよ(笑)」

── うわー、それは冷めるのも当然です。初めてなのに。そいつは失礼でダメな奴ですね。きっと、他の女の子にもやりたい放題のことしてたんじゃないですか。

「そう思います。その後は、結婚離婚を繰り返しているようです」
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友達の延長線上でも、ずっと一緒にいられる人ができたら

── それでもう2度としたくない、みたいな気持ちにはなっていないですか。男性にデートに誘われることも多いと思うんですが。

「それは大丈夫ですが、なんとなくふたりで会いたくないマインドになることは多いです。よくあるのが、約束した時はもう楽しみでワクワクしているのに、前日になると行きたくなくなる、みたいな」

── あー、それはわかります。楽しい予定のはずなのに、楽しくないんですよね。不安とかいろんなものがいっぱいになっちゃうのかもしれません。

「大学生までずっとそうでした。今はそうでもなくなりましたが、やっぱり途中でつまんなくなってしまうことはあって、心が閉じていくというか」

── どういう時に「この人嫌だ」と思うんですか。

「タイミング的には、好かれている感じが出てくると無理になっちゃってます」
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── あ、そうか。ということは、ざっくり言ってしまうと佳乃さんは「自分が好きになった人以外から好きになられても全く興味がわかない。でも、その好きになった人が自分のことを好きになり始めると、好きじゃなくなる」ってことですか?

「そうなっちゃってますね」

── それだと恋愛はうまくいかないですよね〜。
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「そうですよねえ〜。でも今、好きな人は欲しいなとは思っています」

── いわゆる“両思い”をまだ体験してないってことですもんね。ただ、一昔前は恋愛結婚なんてほとんどなかったですし、親がうるさく言うから、そう悪くない人と結婚してみたら、そのうちに好きになったなんてこともあったようです。
「あ〜、そういうのもいいなと思っています。特に結婚や子供を望んでいるわけじゃないので、友達の延長線上でも、ずっと一緒にいられる人ができたら嬉しいですね」

── それだったら結婚を意識しなくても、独身でも全然楽しいと思います。ちなみに、お仕事は楽しいですか。

「仕事が凄く楽しいです。業務が広報なので、いろんな人とお会いできるという、ちょっといい日常もありつつ、自分の考えた企画が通ることもあって」

── あ〜、今の毎日が楽しかったら本当に良かったです。今焦って何かを決めなくていいし、充実した日々を積み重ねることで見えてくるものもあるかもしれません。応援しています。今日は貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!
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【林さんから〆のひと言】

この連載では、いろんな女性たちにお話を聞いて、いろんなことに気付いているのですが、今回も勉強になりました。恋愛って難しくて面白いものですよね。佳乃さんらしく幸せな人生を送ってくださいね!
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■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/19:00〜24:00
定休日/日・祝
TEL/03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。最新刊は『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(‎幻冬舎)

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