【プロ伝授】在宅勤務の部屋を、簡単にお洒落オフィスにできるコモノ

いま、ビジネスのコミュニケーションとして大きく定着しつつある、Zoom、LINEのビデオ通話、Google hangoutなどで楽しむオンライン通話。自宅での通話タイムはいわば「半パブリック・半プライベート」なこれまでにない状態ゆえ、自身の身だしなみとともに “背景”にお悩みの方も少なくないのでは？　

そこで、今回は人気インテリアスタイリストの窪川勝哉さんに、アイテムを１点投入するだけでとたんに背景が豊かになり、私生活も素敵だと思われるインテリアアイテムを挙げていただきました！

ご自身も自粛期間中はテレカンが多かったと話す窪川さん。

「自分が使って思ったことは、なるべく画面に近づきすぎない方が良いかもしれません。たまに顔が切れるくらい寄ってる人もいるけど(笑)、バストラインが写るくらいの引きが、身振り手振りも伝わりやすいですね。その分、背景周りに何か置いて部屋の奥行き感を演出すると、私生活も洒落てる感が出せますよ」

そんなアドバイスを参考にしながら、まずは好みを選ばないシンプルモダンな背景づくりに役立つアイテムをご紹介。

「背景演出のために模様替えのごとく、大型家具を投入する必要はナシ。まずはどこにでも置けて持ち運びも便利なテーブルライトからトライ！」と窪川さん。

「点灯しないときでもオブジェ代わりに置ける、デザイン性があるものがおススメ」ということで、まず選ばれたのは、写真のようなオブジェにも見えるコードレスライトです。

このアンビエンテックの「ターン」は、メタルから削り出したパーツで構成されたシンプルかつアイコニックなデザインランプ。素材は、真鍮、ステンレス、アルミニウムのバリエーションがあります。タッチセンサーにより4段階に設定された調光機能で、普段使いからムーディーなシーンへの演出もお手の物です。

自然素材を活かしたナチュラルデザインを得意とする名デザイナー、アレックス・マクドナルド氏がデザインした「ディスプレイ シェルフ」。奥行きが浅いので、空間を仕切るパーティション代わりにも使えます。

「曲線の動きがあることで、置くだけで背景にデザイン性が生まれる優れもののシェルフ。なんならコンパクトでフラットに畳めむことも可能な、合板のしなりを応用した名作です(窪川氏)」

さらに個性やセンスをさり気なく演出したい方は、お気に入りの絵画やポスターを貼るのもありですが、それこそ選びのハードルを自ら高めてしまう恐れが。

「そこでトライしやすいのが、飾るだけでアート感を高めてくれる、壁掛けアイテムやモビールです」と窪川さん。

飾る位置も、壁掛けなら同アイテムの大小タイプをランダムに配置したり、モビールを天井に吊るすことで空間に遊びと動きが生まれるのだとか。「それ、どこで買ったの？」と会話が生まれるきっかけにもなりそうですね！

デンマークのインテリアブランド・メニューによる、壁掛けフラワー＆キャンドルベース「POV サークル ベース」。ストックホルムで2008年から活動するデザインスタジオ、ノートが手がけました。

「POVとは ”Point of View” その名の通り、観点（＝見方）によってさまざまな表情を見せてくれます。角度によっては平面のグラフィックのようにも、またはキャンドルが浮かび上がっているようにも……。単品でももちろん、大小を散りばめるように配置すれば、よりアーティスティックな背景が生まれます（窪川氏）」

家具デザイン・プロダクトデザイン・インテリアデザインを広く手掛けている藤森泰司氏デザインの「スルーアウト」は、一筆書きの曲線が連なったモビール。サーキュレーターから来る風などで浮遊感たっぷりに動くのが印象的です。

「W500mm×H740mmの大型モビールなのでインパクトもありながら、空間になじみやすいデザインと色味が◎。ふと見つめるだけでも癒されます！(窪川氏)」

最後のテクニックは、１枚のパーテーション(間仕切り)で、即席で個別空間をつくってしまおうというちょっとした裏ワザ。

「マンションでのひとり暮らしの方はリビングスペースが一面に広い住居を好む傾向が多く、仕事とプライベートが混在しがちの環境に。そんなストレスからも解放してくれるのが、リビングにパーテーションで仕切りを作り、新たな空間で作業を行えば良いのです(窪川氏)」

これはまさに目ウロコな発想でした！　そして現在では置くだけで印象がガラリと変わる、さまざまなパーテーションが人気を集めているようです。

フィンランドを代表する建築家・デザイナー、 アルヴァ・アアルト氏によるデザインのパーテーションの素材は、柔らかなフォルムを描くパイン材を使用。これらを垂直に並べ、繋ぎ合わせたシンプルなデザインです。

写真のように直線では置けない構造ゆえ、流れるような曲線型に配置する点も、空間に動きをあたえる大きなポイントに。

「北欧風空間を簡易的に作りたいならコレ。ちなみにパーテーションにS字フックで小物を掛けて飾るのもオススメです(窪川氏)」

ロンドンを拠点に活躍する著名デザイナー、アンドリュー・タイ氏による組み立て式パーテーション。幾何学模様を連想させる、独特のシルエットと光沢あるラミネート加工素材は、置くだけで空間に華やかさとエッジィな印象をもたらします。

「デザイン性の高いパーテーションは、その場しのぎのアイテムにならず、長い目で自宅の空間の空気を変えてくれる一押しアイテムです(窪川氏)」