2021.01.23
【第37回】
今は愛人が4人。池田エライザ似の彼女がお金儲けにこだわるワケとは
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林伸次 写真・構成/木村千鶴
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第37回のゲストは、前回に引き続き、商社勤務のエライザさん(28歳)です。前編では、波乱万丈という表現がぴったりな過去を話していただきました。22歳で離婚し、引越しをしたその日に乱交パーティーに足を運んだその後は……?
今は私、4人と愛人関係です
「腹いせしたかったから。ピンクコンパニオンの会社を経営している友達がいて、その人に誘われたんです。その日から世界が変わってしまった」
── じゃあそこからはちゃんとした彼氏も作らずにバンバン遊んで?
「いえ、ちゃんとした彼氏は常にいるんですよ。でも彼氏と別のカテゴリーがあるというか」
── というと、浮気をしちゃうんですか。
「浮気とも違うんですが、その辺が自分でもよくわからなくて。ちゃんとした社会生活を送って結婚も見据えた交際をしている自分と、その裏で、お金を作るための関係性をもつおじさんたちがいる、別人格の自分がいます」
── あ〜、じゃあ自分がふたりいると思って良いくらいの感じですか。
「そう、名前も違うし。彼は本名で、あちらは私がつけたニックネームで呼ぶ」
── それって今も続いている状態ですか。
「今は彼氏はいませんが、真摯に向き合っている人がいます。それとは別に、パトロンのようなおじさんたちが4人いる」
「両方ですね。みんなに愛情があります」
── ほう、愛情もあるんですね。中年男性と若い女の子が愛情もあってつきあっているって、読者的にもすごく気になると思うんですが……。
「あ〜、最初はお金でした。全員が夜の仕事をしている時に知り合っている人なので。まず金払いがよく、身なりがきちんとしている人に『私、そろそろお店辞めるから、会う関係にしない?』って話を持ちかけて」
── 自分の方から提案するんですか!?
「そう、それで1回のデートにいくら払えるか聞いて、高い順に選びました。最初は気乗りしないのを奮起して会いに行っていたんですが、今は『やっと会える!』という気持ちに変わってます」
── え〜〜!! 本当のことですか、それ。
「お金をもらっている関係ではあるんですけど、お相手は皆さん、やっぱり経営者として仕事をきちんとしてきた人たちなので、話の内容が面白くて勉強になるんです。尊敬もしてますし」
── あれですか、それは寝たから好きになったんじゃなく、デートや会話を重ねて「この人いいな」って思って好きになるんですか。
「はい、そうです。一回寝ると仕事の話をめっちゃしてくるんで“この人こんなことやってんだ〜”って、人間が見えてくる。それでいいなって思うようになる」
── そういうおじさんの自分語りは嫌いっていう女性はたくさんいるんですけど、それは大丈夫なんですか。
「うん、実態が伴っているかによりますが、全然大丈夫」
── そっか、ただの自慢話だったら嫌だけど……。
「そうそう、例えば有名人の名前が会話に出る時、『俺さ〜ホリ○モンとご飯食べる関係なんだよね』とかはうざいんだけど、『事業の立ち上げの時にこういうことがあって、その時にホリ〇さんがいてくれたから今の僕があるんだよね』みたいな話ができる人が好き」
── なるほど、これは男性陣よく聞いた方がいい。女性は見栄じゃなく、実のある話かどうかを見極めているんですね。
愛人からのお金の使い途は……?
「まだまだですけど、貯めています。母に家を買うために」
── なるほど、お母さんに家を買いたいっていうのが今でもモチベーションになってるんだ。でも豪邸じゃなければ、ある程度貯まった時点で買えませんか?
「キャッシュ一括で買いたいんですよ(笑)」
── キャッシュ一括!!
「絶対にローンを組みたくなくて。だって来月のことなんかわからないでしょう」
── 凄い。今、真摯に向き合ってる彼は、お母さんに家を買ってくれそうなんですか? 彼はお金持ち?
「いえ、彼はお金ないんです(笑)。でも初めて、お金関係なく好きになりました」
── わ〜いい話!
「彼に会って真面目になりたいと思ったから、夜の仕事は辞めました。以前は夜職を続けられるような腰掛け程度の仕事しかしてませんでしたが、今は日中の仕事だけです」
── あ、辞めたんですね。夜の仕事は収入がいいから、辞めるの大変って聞きますけど。
「収入もガクンと減ったんですけど、お昼ご飯はお弁当とお茶持参で頑張ってます。彼とちゃんと向き合いたいから、生活を切り替えられた」
昼の生活を始めたエライザさんの、これから
「お店で出会ったんです。それで一回振られたんですよ」
── あ、自分から言ったんですか? 好きって。
「友達付き合いをしているうちにだんだん好きになっちゃって『夜の仕事を辞めるから付き合って欲しい』って言ったんです。そしたら、『ごめん、出会ったのがあの場だから、結局は夜の女の子にしか見えない』って言われてしまいました」
── わ〜辛い!
「そのまま半年以上会わずに、夜の仕事も続けてて。そしたら彼から、飲みに行こうって連絡が来て、その瞬間に店長に『来月でやめます』って伝えました(笑)」
── 素早い(笑)。
「で、会った時に『なんで連絡してくれたの?』って聞いたら、別に理由はないけどって言われました。がっかりしたけど、でもきっとそんなことない、私のこと思い出したんだって思い直して」
── 自信がある感じがいいですね! やっぱりモテてきた人だ。
「そこから1年半くらい経つかな? 今は合鍵をもらって、週3〜4回彼の家で過ごしています」
── じゃあ、彼の家で半分同棲している感じなんですね。
「そうなんですけどね、正式に付き合っているわけじゃないんです。彼は真面目だし慎重な人なので、向き合ってもらえるまで努力を積み重ねようと頑張っています」
── 好きになっちゃったんですね〜。えっと、おじさんたちとの関係は切れてるんですか。
「これがまた別人格なんですよね〜(笑)」
── あ、継続してるんですね。それは全然バレずに?
「はい、皆さん仕事としての付き合いもしてくれてるんです。私が事務の手伝いをしたり、投資の相談に乗ってもらったり。月に1回ですが、会うことが不自然な関係ではないので」
── あ〜なるほど。その人たちにお母さんのマンションを買ってもらおうとは思わない?
「それは違う。この人たちは私と過ごした時間の対価としてお金を払ってくれる関係だから」
── そうすると切りたい時に切れますもんね。彼らには好きだとは言うんですか。
「お金の関係だよ、ちゃんとお金を払ってくれるから大好きと言っています。でも内心はちょっとずつみんなのことが好きです」
── そうか〜、やっぱり好きなんですね。4人は固定してるんですか、増えたりはしない?
「たくさん精査した結果、残った4人ですから」
男を落とすなら可愛さやぶりっこじゃ勝負できませんね
「頭が良くて温厚な人。例えば電車の中でドスンと隣の人が座った時に、舌打ちするような人は100%無理。相手が悪くても、さり気なくずれてくれるような優しい人が良いです」
── オラオラ系好きを卒業できたんですね。よかった。ではエラさん、男性は攻めたら落とせますか?
「商業的な方の話ですよね? 落ちます。でもぶりっ子とか可愛さじゃ釣れません。その人のいる業界に合わせた話題に持っていって、話すと奥深いって思わせるんです」
── 銀座のホステスさんもそうだって聞きますけど、そういうことですか? それとも元からそういうのが好き?
「日頃から見聞を深めることが好きなんですよ。きれいな語彙を使い分けていると、まともな人は落ちるという印象がありますね」
── なるほど〜! 今日は本当に面白い話を聞かせてもらいました。ありがとうございました!
【林さんから〆のひと言】
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。最新刊「なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか」(旭屋出版)は、林さんが「このお店はすごい! 」と感じた飲食店のオーナーに自らインタビュー取材。繁盛店の秘密に迫ったドラマティックなビジネス書です。