ここでは、「ビーチと言えば、この映画!」を選定基準に、彼女と一緒におウチで盛り上がることのできる夏映画を5本厳選してご用意しました。どの作品も、海のある風景が印象的なのはもちろん、サスペンスあり、ミステリーあり、青春物語も、往年の名作も、そしてもちろん恋模様もありなので、きっとお気に入りが見つかるはず。美しい海を舞台に美男美女が繰り広げる夏物語で、たっぷりとバカンス気分に浸ってください。
時差もなければ、長距離移動もなし。面倒なパッキングに頭を悩ませる必要もなし。都会に居ながらにしてお酒のグラスを片手に行けるビーチへの旅、彼女と一緒にこの夏気軽に何度でも満喫しちゃいましょう!
碧く輝く地中海を背にしたアラン・ドロンの物憂げな表情が印象的
『太陽がいっぱい』
『太陽がいっぱい』は映画史に名を残す色男、アラン・ドロンが25歳のときに主役を演じ、彼の世界的知名度を決定づけたサスペンス・ストーリーです。パトリシア・ハイスミスの小説が原作で、39年後の1999年にはマット・デイモン主演でリメイク作品『リプリー』が作られています。
孤独な青年リプリー(ドロン)が、大富豪の御曹司フィリップと出会い、行動を共にするうちに彼の財産をだまし取ろうとするのですが……。
舞台であるイタリアのローマ市街、ナポリ市街などオールイタリアロケで撮影された本作は、地中海ならではのまばゆい太陽、それに照らされてきらきら輝く碧い海、美しい砂浜、豊かな緑が印象的。ナポリ湾に浮かぶ美しいイスキア島の海岸で撮影されたラストの名シーンを観ていると、こちらまで太陽がまぶしく感じられ、思わず目を細めたくなったりして。御曹司フィリップがビーチリゾートで気ままに豪遊する様子は、グラマラスなリゾート気分を盛り上げてくれること間違いなし。
美しすぎる“伝説のビーチ”を巡るミステリー。見ているだけでトリップできる
『ザ・ビーチ』
刺激を求めてタイのバンコクにやってきた、アメリカ人バックパッカーのリチャード(ディカプリオ)は、安宿で出会った奇妙な男から、夢のように美しい伝説のビーチの話を耳にします。一枚の地図を手に苦労してたどり着いたビーチには、サルという美女にまとめられた秘密のコミュニティがあり……。
物語はスリリングなミステリーですが、リチャードとサルの妖しい関係、旅仲間の女性との恋なども“楽園”を背景に描かれ、やはり夏にアバンチュールは欠かせないなと妙に心躍ったりして。撮影が行われた場所は、タイのピーピー諸島。映画を観ているだけで非日常にトリップできる、まさにこの世のパラダイス的風景が広がっています。
最高のサーフィン映画にして、最高の青春映画。何度でも見たくなります
『ビッグ ウェンズデー』
海辺で友情を育み、バカ騒ぎに興じ、恋を楽しむ仲間たち。地元に伝わる伝説の大波“ビッグ ウェンズデー”に挑み、乗りこなすことを夢見た彼らは、ベトナム戦争への出兵によってバラバラに。戦争が終わって再会を果たしますが……。
サーファーならずとも、男ならずとも、主人公たちが大波に挑むエンディングは圧巻で、胸が熱くなります。このシーンが撮影されたのはハワイ州オアフ島のサンセット・ビーチ。ノースショアにある、美しい夕景で有名な場所なので、行ったことがある方も多いのでは? そのほかには、カリフォルニア州サンタバーバラ、マリブ(『猿の惑星』の衝撃のラストシーンもここ!)、ベンチュラ、さらにはエルサルバドルなどサーフィンの名所がロケ地となっています。青春は儚くても、そこでかけがえのないものを手にした男たちの姿が切ないほどに美しい、サーフィン映画の金字塔です。
湘南を舞台にした若者たちのひと夏の夢と恋。昭和っていい時代だったなと思えます
『波の数だけ抱きしめて』
1982年の湘南を舞台に、大学最後夏休みの思い出にと、4人の大学生がミニFM局の設立を目指す恋と情熱に溢れたひと夏が、「心ほどいて」「Valentine's RADIO」「SWEET DREAMS」「真冬のサーファー」といったユーミンの名曲や西海岸サウンドに乗せて描かれています。とはいえ、制作されたのは1991年。泉麻人氏の時代考証により、バブル期に向かって好景気に沸く活気ある日本が忠実に映し出されているので、公開当時から“懐かしさ”が人気の理由に。
ヤマハ・ポップギャル、ダットサン、デンオンのレコードプレイヤー、パンナム、黒電話、「Yes Coke Yes」の看板など当時の空気を感じさせるアイテムやブランド、サーファーファッションやこんがり日焼けメイク、ファラ・フォーセットばりのサーファーヘアなど当時のビーチカルチャーを知るのにも、興味深い1本です。
頻繁に登場するのは、横須賀・三浦・逗子・鎌倉・茅ヶ崎などをつなぎ、湘南海岸沿いを走る134号線。個人的には、そこから望む海に落ちる真っ赤な夕陽や、マジックアワーに幻想的に浮かび上がる江の島など、夕景シーンもおすすめです。
やっぱりハワイ、最高! な美しい景色とプレスリーの甘い歌声にトロけます
『ブルー・ハワイ』
映画の魅力を挙げるなら、まず、とにかく真っ青な空と海が広がるハワイの風景が美しい。キツイ時差も気にせず、手軽にエキゾティックな楽園に瞬間移動できるのですから、こんなお気楽なことはありませんよね。そして何より、プレスリーの歌声が甘美でセクシー。「ブルー・ハワイ」「好きにならずにいられない」「アロハ・オエ」「ハワイアン・ウェディング・ソング」など、名曲揃いのサウンドトラックは、観終わった後も素敵すぎて耳から離れません。さらに、物語がシンプルでわかりやすい! だから深く考えることなしに、夢のように美しいハワイを背景にしたトロピカルでロマンティックな世界観に、ただただ浸かることができるのです。
また、プレスリーがツアーガイドという設定なので、顧客を観光名所へと案内するというのが基本的ストーリー。色鮮やかなポリネシアンパラダイスを堪能できる観光ガイド的役割もある作品なのです。ロケ地はラストに登場するカウアイ島のココパームス・ホテル以外は、オアフ島が中心ですが、映画が撮影された1960年代と、現代とではワイキキやアラモアナ、カイルアの風景が大違い。古き良き時代と今、その違いを二人で語りながら観るのも楽しそうです。