2017.09.21
現役秘書の本音対談【1】「デキる男」と「デキない男」の明らかな差とは?
普段から一流の上司(ほぼ男性)に接している秘書の皆さんだからこそわかる「デキる男」の条件とは?
- CREDIT :
構成/簗場久美子(office k.) 写真/椙本裕子 協力/「こちら秘書室」powered by ぐるなび

参加してくださったのはこの4人
Aさん マーケティング会社勤務 秘書歴1年半
Bさん 電機機器メーカー勤務 秘書歴12年
Cさん 外資系保険会社勤務 秘書歴5年
Dさん IT関連会社勤務 秘書歴14年
トラブルにも慌てず冷静に対処できる余裕があるか
まず、皆さんが秘書としてつかれている上司の方の「デキる」ところ、スゴイなと思うところってどのあたりでしょう?
Dさん
「私は、会長と社長の秘書を兼務しているのですが、さすがだなと思うのは、誰にでも平等に接されていて、しかも、その態度が常に穏やかだということ」
Cさん
「わかります。トップになる方って、いろんな意味で余裕がある」
Bさん
「うちの上司も誰にでもきちんと挨拶されて、接していて気持ちのいいかたが多いです」
Cさん
「それは、ご自身に自信があるからこそなんでしょうね」
Aさん
「何かトラブルが発生しても、感情的になって声を荒らげたりということが絶対にない」

「そう。それそれ」
Aさん
「例えば、これは秘書としてあってはならないことですが……面談のダブルブッキングをしてしまった時などにも、叱るんじゃなくて、瞬時に優先順位を判断して、指示を出してくれるような……」
Bさん
「あぁ…。秘書にとって、ダブルブッキングに気付いたときが、いちばん怖いんですよね」
Aさん
「そうなんですよ。ボスに相談した時に、冷静に対応してくれて、どうしてこちらが優先なのかなどの理由を教えてくださるのは、本当にありがたい。今後の参考にもなるし、もっとこのボスのために頑張りたいと思えるんですよね」
Dさん
「ボスでなくても、一緒に働いている人間のモチベーションを自然と上げられる方っていますよね。そういう方に出会うと、この方は出世するんじゃないかな、って思います」
Cさん
「私もそう思います。上の人には媚びへつらうけれど下の人への当りがキツイといった方は、もちろん、仕事のスキルが高ければそこそこ出世するかもしれませんが……」
Dさん
「会社の中では絶対にトップまでにはならないですよね。起業して自分の会社を作るというなら話は別ですけど」
Aさん
「そうですね。トップに行く人は、バランス感覚が良いかたが多いと思います。ある意味、常識的で総合力の高い人。人間的に周囲の人に慕われているというか」
Dさん
「だから、人間性ってとても重要なんですよ」
部下のモチベーションは上げてナンボ
やはり仕事が「デキる」人は皆さんコミュニケーション上手なのですね。
Dさん
「私はこれまで、5人のボスについたんですが……」
Bさん
「それ、多いですね(笑)」
Dさん
「デキるデキないではないですけど、秘書って人につく仕事だから、基本業務は変わらないけど、求められることが人によって違うなっていうのは思います」
Cさん
「そう、それ! 私が以前ついたボスは、ひとりで何でも決める方で。“この人って秘書、いらないんじゃないかな? 私、必要?”って思ったことも」
Bさん
「あぁ、わかる。ワンマンのボスだと、仕事のモチベーションも下がりますよね」
Cさん
「やっぱり、頼られてナンボというところがあるから、秘書の仕事って(笑)」
Dさん
「それは言えますね」
Aさん
「部下をやる気にしてくれる上司は、やっぱり人気だし、尊敬されていますよね」
Dさん
「そうそう。ある意味、“レディファースト”(笑)。“どうぞお先に”と自由にやらせてくれるんだけど、絶対、うしろで見守ってくれているという」
Bさん
「カッコイイ(笑)。そういう上司って、魅力的だし“デキる人だな“と思いますよね」

学歴よりは人間性とプレゼン能力が重要
企業で出世するのに、今は学歴って関係あるのでしょうか?
Cさん
「うちは外資系ということもあって、学歴と出世はまったく関係なくて。純粋に利益が出せるかどうかなんです。営業力がないと出世できない。皆さんの会社はどうですか?」
Dさん
「私の会社もないですが、ナショナルブランドの企業だと、学閥があったり、上司と同じ大学の人が出世しやすかったりというのは聞きますね」
Aさん
「うちは、少しあるかもしれません。とはいえ、どこの大学だから必ず出世する、ということはないです。スタートラインに立っている、という程度の扱い。その中でも優秀でないとトップにはなれないですよ」
Bさん
「私のところもそう。さほど関係ないかな。むしろ、Dさんがおっしゃったように、人間性のほうが評価されていると思います」
Dさん
「人の目を見てきちんと話ができるとか、上司に自分の意見をきちんと言えるとか」
Aさん
「そう! 出世できる人は、話す前にきちんと戦略を立てられる人。忙しい上司を捕まえた時、手短かに自分のアイデアをプレゼンできるってことが大事!」
Bさん
「わかる! 明るいとか、溌剌としているとか、話が面白いとか……。いわゆる合コン受けするようなキャラクターかどうかっていうのは関係ないですよね」
Cさん
「そういう人は、社内の女性にはモテるのかもしれないけど(笑)」
ファッションにこだわりのない男は出世しない
LEONとしては仕事がデキる男はお洒落にもうるさいという風に思うのですが、そこはどうですか?
Aさん
「お洒落かどうかは別として、身だしなみに手を抜いている方は、おやおや?と思ってしまいます。いちばん目についてしまうのは、やはり靴ですかね……」
Bさん
「靴は本当に大事ですよね。トップになる方で、靴がボロボロの方というのは、見たことがないし。いつもピカピカ」
Aさん
「革がガサガサでヒビが入ってる靴の人を見ると、あ、この人ダメだって思っちゃいます」

「当たり前ですけど、だらしがないという見た目の印象って、仕事の信用度においても不利になりますよね」
Cさん
「それを本人が気づいてない場合は最悪ですね」
Bさん
「あと、私はパンツのスソが妙に短くて、ソックスが見えすぎちゃっている人もダメ(笑)」
Aさん
「本人はお洒落のつもりかもしれませんよ(笑)」
Bさん
「いや、サイズが合っていないだけな気がします。というか、そうとしか見えない着こなしなんですよ(笑)」
Aさん
「適当に裾上げしちゃったんですかね(笑)」
Cさん
「やだ(笑)。私は、今の会社に来る前にファッション業界にいたこともあって、ボスがお洒落だとうれしくなってしまいます」
Bさん
「いちばんお洒落なボスって、どんな方でしたか?」
Cさん
「うちの会社は服装規定がないんですが、以前のボスは、毎日スーツで出社されていたんです。いつもその日のタイと同じ色のポケットチーフを挿していて……。スマートだなぁと、うっとりしていました(笑)」
Bさん
「ステキですね。」
Cさん
「シャツのカフスボタンも地球儀がモチーフになっているものだったり、座ったときにだけチラリと見えるソックスもネクタイの色と合わせていたり。小物使いにもセンスが感じられる方で」
Aさん
「いいな~。出社するのが楽しくなりそう(笑)」
Cさん
「楽しかったですよ~。気さくで大らかな性格もあって、部下からもとても慕われていたボスでしたが、見た目のステキさも人気の理由のひとつだったと思います」
Dさん
「出世する人で、ファッションに対して、なんでもいいや!と思っている方はいないですよね」
Bさん
「そうですね。それぞれ、みなさん、こだわりがある。スーツなどの服装はもちろんですが、靴と時計はとくに」
Dさん
「社外の方との面談の時に相手にも目に付きやすい小物ですし。バッグは、会食などのシーンではお店に預けることが多いので、これも、持つ人の格が計られやすいものですよね……」
Aさん
「スペシャリストの方の中には、仕事は抜群に優秀だけれどコミュニケーション能力は??ですとか、ファッションが??という方もおられますけどね。トップに立ってマネジメントする立場の方で、ファッションにこだわらない方というのはいないと思う」
全員
「確かに」

イケメンは男性上司に嫉妬される!?
最後に、男性の場合でもビジュアル、つまりイケメンは出世に有利に働くのかという話なんですが(笑)。
Bさん
「わぁ……。それは……答えにくいですね(笑)」
Aさん
「営業とかなら、顔の善し悪しが関係することもあるかもしれませんけど……」
Cさん
「部下として付くならイケメンの上司はうれしいです(笑)」
Dさん
「でも、トップになられる方は、皆さん、表情に自信が満ち溢れていて、“いい顔をされている”というのはありますよね(笑)」
Bさん
「ですよね(笑)。顔の造作がどうこう、ということはあまり関係がないのかもしれませんが」
Aさん
「でも、うちのボスなんか、飲みの席などで、“俺より格好いい男は出世させない”なんて、冗談を言ったりしますよ」
Cさん
「私の今のボスも同じことを言っていました(笑)。もちろん、冗談なんでしょうが、本心のところでは、ちょっとイケメンに嫉妬しているところもあるんでしょうか(笑)」
Dさん
「男性同士でも、女性と同じように、見た目が良すぎる同性後輩はなんだかもやもやしてしまって、かわいがりにくい、っていうのがあるのかな(笑)」
Bさん
「難しいところですね……。それも男ゴコロなのかもしれません(笑)」

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