2017.09.24
現役秘書の本音対談【3】男性選びに目の肥えた秘書、その恋と結婚の実情とは?
常にボスのサポートに追われる秘書は恋も結婚もしづらいって本当? 現役秘書4人が疑問に答えてくれました。
写真/椙本 裕子
協力/「こちら秘書室」powered by ぐるなび

参加してくださったのはこの4人
Aさん マーケティング会社勤務 秘書歴1年半
Bさん 電機機器メーカー勤務 秘書歴12年
Cさん 外資系保険会社勤務 秘書歴5年
Dさん IT関連会社勤務 秘書歴14年
実は既婚者も多い秘書。しかも結婚後も長く続けられることも
秘書は公私にわたって上司をサポートする仕事で、時間に縛られることが多い気がします。普通に恋愛をするのが難しいのかなという印象があるんですが……。
一同
爆笑
Cさん
「そんなこと、全然ないですよ。私、結婚していますし(笑)。結婚しても秘書を続けている人は多いですよ」
Bさん
「私も26歳で結婚しました。秘書になったのは結婚してからで、それから12年続けています」
Dさん
「結婚後もずっと続けられているのって素晴らしいですよね」
Aさん
「うちの会社には、結婚後、産休前まで秘書を続けていた人もいますよ」
Cさん
「体調さえ良ければそれも可能かもしれません」
Aさん
「産休明けに時短で秘書をやっている方もいて、さすがにそれは、ちょっとボスのほうが大変そうでしたけど……」
Bさん
「時短になっちゃうと、仕事に支障が出る場合もあるかもしれないですね。でも、それも上司次第かと」
Aさん
「そうなんですよ。担当するボスといい人間関係が築けていると、ライフスタイルに変化があっても、秘書の仕事は続けられることが多いと思います」

秘書は結婚生活でもピシッとスケジューリング!?
結婚された秘書さんは、ボスと旦那さんのふたりをサポートすることになりますが、旦那さんに対しても秘書っぽく振舞ってしまうこととかは?
Bさん
「私はないですね……。夫にはあまり仕事の話もしないし。秘書っぽいって何ですかね?(笑)」
Cさん
「私はちょっと、“秘書っぽい”って嫌がられる時があります(笑)」
Aさん
「えっ、なんでですか?」
Cさん
「ふたりで旅行するにも、私がスケジュールをガチガチに決めちゃうんです(笑)」
Aさん
「あぁ、ボスのスケジュールを組む時みたいに……(笑)」
Dさん
「秘書“あるある”ですね(笑)」
Cさん
「だから、旦那さんには“もう少しゆるっといこうよ~”って言われてしまいます(笑)」
Bさん
「秘書って、仕事柄、調整欲が強いんですよね」
Aさん
「それはありますね。スムーズに事が運ぶことが何よりうれしい、みたいな(笑)」
Cさん
「そうなんです。だから家事も効率よくやりたくて」
Bさん
「イメージしていた時間のピースがパチッとハマる時の快感ってわかります!」
Cさん
「気持ちいいんですよ~。仕事じゃないんだから、もっとラクにやればいいと思うんですけど」
Dさん
「もともとが秘書気質だと、手を抜くのは難しいですよね(笑)

日頃から一流の方と接していると目は肥えてしまう
プライベートで秘書という肩書きでモテたり得したことはありますか?
Aさん
「20代の頃は、合コンで“どんな仕事をしているの?”と聞かれた時に“秘書です”と言うと“おお!”ってどよめかれることは確かにありました(笑)」
Dさん
「不思議ですよね。なんなんでしょう、あれは(笑)」
Bさん
「何か、いいことをしてくれるような気がするんでしょうか(笑)」
Aさん
「当時、私は秘書的な業務以外に飛び込み営業のような仕事もやっていたんです。誇りをもって仕事をしていたので、時間がある時や、気が向いた時にはそちらの仕事の説明をしていたんです。でも、相手の反応はイマイチで(笑)」
Cさん
「なんか、わかります(笑)」
Aさん
「同じ人間なのに、肩書で相手に与える印象がこうも違うのかと、ちょっとびっくりしました」
Cさん
「そういう肩書だけに興味を示すような男性は、こちらから願い下げですよ(笑)」
Bさん
「そうですよね!」
Aさん
「ボスに信頼されて、人間性をちゃんと見てくださっているという安心感のある職場で働いていると、余計に、あれれ?と思ってしまいますね」
Cさん
「確かに、ボスと二人三脚の仕事だからということで、自分だけだったら出会えない、一流の方にお会いする機会は、多いですからね……私たち」
Bさん
「そこが一つの基準にはなってしまうかもしれません」
Dさん
「年齢を重ねて仕事のキャリアが積みあげられるなかで、自分の恋愛観って出来ていきますからね」
Cさん
「周りに立派な方が多いと、どうしても見る目は厳しくなるかもしれません」
Dさん
「そうなんです。例えばトップになる方って、マイナス思考だったり、文句ばかり言う人っていないじゃないですか」
Bさん
「はい、いませんね」
Dさん
「私は、どうもそういう方が苦手で。だから、ちょっといいなと思った方でも、マイナス思考が垣間見えると、あ~、この方のことは好きになれないわ、って思ってしまうんです」
Cさん
「でも、それは当然ですよ! そういう人は出世もしなさそうだし(笑)」

秘書と上司の恋は……物語の中だけ?
これは妄想と言うか、一般人のロマンの領域なんですが、秘書が上司に恋する……という展開はあるんでしょうか
一同
大爆笑
Cさん
「もう、そんなこと、本当にないですよ」
Aさん
「ありえないです(笑)」
Dさん
「基本、ボスと秘書の年齢差って大きいじゃないですか。私が今担当しているのは会長と社長ですが、どちらも、自分の父のような年齢ですよ(笑)」
Aさん
「上級役員ともなれば、定年退職されたあと、70歳以上という方もおられますし。恋愛対象には??ですよね」
Dさん
「私の場合、おふたりとも娘さんがいらっしゃるので、私のことを娘のように思ってかわいがってくださるってことはあるかもしれませんが……」
Bさん
「まぁ、世間には、還暦を過ぎた方と30代、40代の恋愛なんていう話もありますけど(笑)」
Cさん
「秘書と上司に限っては、ないですね。それに、仕事ができて、マネジメント能力にたけているからといって、プライベートでも同じかっていうと、それはわかりませんし」
Aさん
「私たちを紳士的に扱ってくださると言っても、それはボスにとってはあくまでも仕事。そこに幻想は抱けませんよ」
Dさん
「優秀な、理想の上司だからといって、夫として理想的かと言うと、また話は別かもしれません」
Cさん
「そうですね」
Bさん
「それに、秘書がつくような上司って、全員、ご結婚されていますから」
Dさん
「そうですよ。だから余計にあり得ない(笑)」
Cさん
「世の中は不倫流行りですけれど、役員まで登りつめる方って、危機管理能力がしっかりされている方ばかりなんです。不倫なんて言う、バレたら一大事になるようなことは、絶対にされないですよ」
Aさん
「とくに秘書は、パーティーなどでボスと一緒に出席される奥様と必ず顔を合わせますから。ボスと不倫なんて……。考えただけでも恐ろしいです(笑)」

「あ、でも秘書同士っていうのは聞いたことありますけど」
Dさん
「え、秘書同士って……!?」
Bさん
「いやいや、男性の秘書と女性秘書」
Aさん
「ああ! そういうことですね(笑)」
Bさん
「もともと、ボスのスケジュールの調整などで、親しくされていたみたいなんですけど。本社のあるタワービルの、絶対、仕事ではお互いに行く必要のないフロアにふたりが頻繁に出入りしているというウワサがたって……」
Dさん
「秘書同士だと、悩みが共有できるから、仲良くなりやすいのかも」
Bさん
「そうなんだと思います。ふたりとも独身だったし、年齢も近かったので」
Aさん
「それなら普通の社内恋愛。結婚までに至ればむしろおめでたいお話ですよね」
Dさん
「確かに(笑)」
Cさん
「あとはIT関連会社とか、ベンチャー系の企業だと、経営者も若いし、秘書が広報を兼ねていたり、業務全般をサポートするパートナーになることもありますよね」
Bさん
「多いですね、ベンチャーの場合は」
Cさん
「そういう立場だと、上司と秘書の関係でも対等に近いので、恋愛に発展することってあるみたいなんですよ、やっぱり。年齢も近いですしね」
Aさん
「わかります。でもそれは特殊な例ですよね」
Bさん
「結局、恋愛ってお互いが対等な関係だと思えなければ、続きませんよね。秘書と上司ってそもそもそれがないから。たとえ、上司がそう思ってくださり、言葉をかけてくださったとしても、圧倒的な立場の差がある。だから、やっぱり、ムリなんですよ(笑)」
Cさん
「秘書と上司の恋愛とか不倫とかは、物語の中だけで楽しんで欲しいですね(笑)」
Dさん
「ほんとうですね(笑)」

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