2018.04.19
AIにVR。このままでは生身の女性を愛せなくなる日が来る!?
近年、何かと話題のAI(人工知能)にVR(仮想現実)。さらに3DCGの技術が組み合わさったこれらの分野では、すでに人間以上(?)の「美人」が生まれ始めているのです!
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文/平井敦貴
AIはもはや日常の一部です
ここでは、そんな「AI」とセットで語られる「VR」や「3DCG」といった先端テクノロジーを軸に、人工的に作られる恋愛対象=美人について紐解いていきます。
次の中でCGはどれでしょう?
と言っても、ハリウッド映画のCGなどに慣れ親しんだ昨今では、そこまで驚かれないかも知れません。しかしながら、このような3DCGによって生み出されたキャラクターは、生身の人間の写真とほぼ遜色のないレベルまで達しているのがわかります。
「不気味の谷」を超えたSaya
これまでもフル3DCGでの人物表現は数多く行われてきましたが、どこか見た目に違和感を覚えてしまう「不気味の谷」という技術的な壁を乗り越えることができませんでした。
しかし「Saya」は、そんな「不気味の谷」を克服し、あたかも人間そのもののように動きをつけることに成功。そのクオリティは国内外でも評判になり、ついには講談社が主催する美少女オーディション「ミスiD 2018」に正式ノミネートされるまでに至りました。
ちなみに「Saya」のプロフィールは、2月29日生まれの17歳で、身長155cm、B77・W58・H80とのこと。一見、どこにでもいそうな可愛らしい女子高生ですが、実は人工的に生み出された永遠の17歳なんですね。
AIとの会話はすでに実用レベルです
そんなAIですが、基本的な原理をざっくり言うと「ビッグデータを深層学習(ディープラーニング)して最適な答えを出す」というもの。例えば「Google Home」では、グーグルの膨大な検索データをAIに学習させ、その解析結果を音声でアウトプットする仕組みになっています。また、iPhoneに搭載されている「Siri」やスマートスピーカー「Amazon Echo」の「アレクサ」などは、みなさんも触れたり聞いたことがあるかもしれません。これらは、ここ数年で精度が向上した音声認識の技術がAIと結びついた結果なんですね。
マイクロソフトがAI女子高生を開発
チャットボットとは、その名の通り「チャット」をする「ボット(ロボット)」プログラムのこと。LINE上でメッセージを送ると、リアルな女子高生のような返事を返すことで人気を集めています。
もちろん、漫画やアニメなどの、いわゆる二次元キャラクターに恋をする男性はこれまでにもいましたが、「Saya」と「りんな」の場合、それとはちょっと性質が異なります。と言うのも、彼女たちは「実在の人間」と「架空のキャラクター」の境界線を行き来しているからです。
もし「Saya」のようなリアルCGの女子高生が「りんな」のようなチャットボットを始めたらーー? スマートフォン越しに現れる「彼女」は、さらに深層学習を続けることで実在の「彼女」と遜色がなくなっていくかもしれません。そして、その時代はもうすでに始まっているのです。
VRは人間側から架空の世界に入るもの
まず、VRの世界を牽引しているのはゲームやアクティビティ、アダルトといったアミューズメント業界と言えるでしょう。360度の映像によって映し出される世界は、ユーザーにまさに無限の可能性を提供しています。
具体的な例を見ていきましょう。2016年、VR元年と呼ばれた年に登場したソニーの「PSVR」ですが、中でも男性の話題を集めたゲームソフトがこちらの「サマーレッスン」でした。
操作性やグラフィックスなどは現実世界には及びませんが、VR黎明期であることを考えると、その出来栄えには驚かざるを得ません。恋愛シミュレーションゲームは今後、さらにグラフィックス性能が向上し、シナリオや操作感が熟成していくことで、より没入感の高い内容になることが期待できます。VRゲームにおける美人の登場はまさにスタートを切っているのです。
大人のためのVR映像はすでに数千本!?
気になるその映像の中身ですが、基本的に男性は「受け身」であることが多くなっています。これは、ゲームと違ってVR「映像」の場合、視聴者(ユーザー)が映像内を自在に動き回ることができないため。それゆえカメラは固定ポジションとなり、そのカメラに女性たちが向かってくる構図となるのです。
いずれにせよ、VRゴーグル越しに見る映像にはかなりの臨場感があり、ヘッドホンをつけると女性の息遣いまでもが間近に感じられます。
実際にアダルト分野ではコンテンツだけでなく、専用の視聴デバイスや施設などが登場し、リアル・デジタルが一体となって業界を盛り上げています。今後、VRゴーグルの解像度が上がれば、さらにその質は上昇して行くと考えられます。
今後の人間の「疑似」恋愛事情は?
3DCGの女性たちは確かに美人ですが、ようやく「不気味の谷」を超えたところ。AIは今なお発展途上中です。VRは徐々に存在感を強めていますが、現実の世界とはまだ隔たりがあります。
しかしながら、例えば「Saya」のような3DCGキャラクターが「りんな」のようなAIを頭脳に持ち、リアルな「VR空間」に現れたとしたら? 仮想空間であなたの好みを学習し、あなたとともに行動する、リアルな「女性」。しかもその見た目は非の打ち所がない美人なのですから、男性が心惹かれてしまうのは、至極当然と言えるでしょう。
現代の男性は「草食系」と呼ばれ、女性に積極的にアプローチをしないと言われています。この傾向が続けば、もしかすると近い将来、男性たちは「実在の女性」と付き合うか、実在しない「リアルな女性」と付き合うか、2つの選択に迫られるのかもしれません。
ただ、いくら栄養満点だからと言って、サプリメントやカロリーバーが主食にならないように、「人工美人」が生涯のパートナーとなるのはまだ先のことではないでしょうか。仮想現実は、あくまでかりそめの世界。実際にデートして、美味しいものを一緒に食べて、肌の温もりを感じ合って……。お互いの悩みを聞いたり、時には喧嘩をしたり、嫉妬したり、そんな人間だからこそできる血の通ったコミュニケーションは、プログラミングされたバーチャルな相手では、きっとできないことでしょう。
精巧に作られた人工美人、不完全だけど血の通った生身の人間。さて、あなたはどっちの女性に恋をしますか?