2018.11.11
桐島ローランドが語るデジタルの世界、連載開始! AVATTAが目指す写真の未来ーー2Dから3DCGを創る「フォトグラメトリー」とは?
モデルやフォトグラファーとして活躍したのち、2014年に3DCGプロダクション「AVATTA(アバッタ)」を立ち上げた桐島ローランドさん。同社が専門とする、写真から3DCGを描き出す「フォトグラメトリー」の技術と、その先にある未来とは? 記念すべき連載第1回目をお届けします。
- CREDIT :
文・写真/桐島ローランド コーディネイト/JUBILEE
1990年代、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせた頃の写真。(撮影:桐島ローランド)
1990年代、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせた頃の写真。(撮影:桐島ローランド)
1990年代、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせた頃の写真。(撮影:桐島ローランド)
1990年代、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせた頃の写真。(撮影:桐島ローランド)
1990年代、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせた頃の写真。(撮影:桐島ローランド)
1990年代、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせた頃の写真。(撮影:桐島ローランド)
1990年代、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせた頃の写真。(撮影:桐島ローランド)
1990年代、フォトグラファーとしてのキャリアをスタートさせた頃の写真。(撮影:桐島ローランド)
フィルムからデジタルフォトへ
ところが1990年代の終わりから2000年代はじめにかけてデジタルフォトグラフィーが一般化してきたおかげで、写真表現の可能性がそこから無限に広がっていったのです。
例えば、フィルムではできなかったこと…撮影した写真をその場で確認できるようになり、クライアントとのイメージ共有や意思疎通、ライティングの確認・変更など、限られた時間の中でよりフレキシブルな対応が可能になりました。
また、フォトショップなどのソフトを使った撮影後の表現の拡張性により、新しもの好きな僕にとってはとてもスリリングで、いろんな表現を楽しめるようにもなっていったのです。
それと同時に2000年代以降はカメラを搭載した携帯電話の普及などにより、誰もが手軽に写真を撮れるようになったし、ここ数年ではドローンを使った空撮表現も可能になり、テクノロジーの進化は写真の世界に大きな影響を及ぼしてきています。
ただそれでも、写真は写真でしかないーー。
次第に僕は、実際に目の前にあるオブジェクトを二次元に押し込めるという窮屈さに表現の限界を感じてもいました。
で、そんなレギュレーションを乗り越えて、さらに「リアル」を追及できる手法がないものか? なんて思っていた時に、たまたま友達に誘われてシリコンバレーへと向かいました。
そこで、写真を使って3DCGデータを作る技術「フォトグラメトリー」に出会ったのです。
新しい表現を求めて、3DCGへ
ただ、試行錯誤を繰り返し新しいことを覚える、そしてそれが形になる瞬間は最高にエキサイティングでした。
フォトグラメトリーの原理
(1)一つの立体物に対して、さまざまな角度から写真を撮影する。
(2)複数の写真を重ねていき、立体のポイントとなる「特徴点」を抽出する。
(3)それらの特徴点の集まり(点群)を線で結び、ポリゴンを作成。3Dデータ化する。
ちなみに、フォトグラメトリーは航空写真から地形測量を行う技術(UAV測量)がベースになっています。
ここでは実際に、どのように撮影が行われ、3Dデータ化していくかを実例を元にご紹介しましょう。
AVATTAの現在
様々なスペシャリスト達が複合的な連携を行うことが可能になり、AVATTAは現在、VR/AR等のプロダクトアウトが可能な「総合3DCGプロダクション」として完成しつつあります。そして、AVATTAは、多様な人財が躍動するコスモポリタンな場となっているのです。
テクノロジーのその先へ
また、長年ファッションフォトをやってきた僕にとっては、アパレルとの融合ももちろん視野に入れています。洋服も専用のアプリケーションを使ってデザインできる時代になったし、AIを持った人間そっくりの「デジタルモデル」が普通になる時代がすぐそこに来ているのです。
そうなれば、スタイリッシュでいながらも肖像財産権を持たないモデルが、ヴァーチャルファッションショーを行うことも可能になります。5Gと呼ばれる次世代通信インフラももうすぐ整うので、さらにリッチなコンテンツによるユーザー体験を得られる時代になっていくのは明白でしょう。
そういった「立体コンテンツ」の主軸を担うのは、フォトリアルな3DCGであることは間違いありません。手前味噌ながら、現在、AVATTAは日本トップクラスのフォトグラメトリースタジオを擁しつつ、フォトリアル3DCGを極限まで追求できる唯一のプロダクションでもあるのです。
日本の文化財をアーカイヴ
下記のメイキング映像で、そのプロセスをご覧いただくことができます。
駆け足でご紹介してきましたが、この時代、この先起こりうるすべての可能性を挙げることは難しいけれど、一つだけ確かなことは、ビジュアルクリエイションの革命が加速するスリリングな時代はもう始まっているということです。
目に見えるものカッコイイものやキレイなもの、残されるべき文化をヴァーチャル上に完全再現する。
"as real as it gets"を掲げ、フォトリアルな3DCGで、世界を席巻する。
それが今の僕の目標です。
東京から世界へ。桐島ローランドのライフハック
蛇足ではあるけれど、国越やジャンル超えるにはリスクを取らないといけない。
「take your own risk」...それが僕が幼いころに教わった指標。
その言葉をサブテーマに、この先も僕のライフハックを楽しみにしてください。
●桐島ローランド
フォトグラファー・3DCGエバンジェリスト。
1991年 ニューヨーク大学芸術学部・写真家卒業後、本格的にフリーランス・フォトグラファーとしてのキャリアをN.Y.でスタート。
1993年 東京に活動拠点を移し、多くのファッション撮影、広告撮影の他、ムービー作品も手掛ける。
2007年 パリ・ダカールラリー完走。
2014年 株式会社AVATTA設立、代表取締役に就任、3DCGエバンジェリストとしての活動を開始。国内外を問わず、多数のテクノロジーオリエテイティドなカンファレンスなどにも出席、マイクロソフトの販売代理店アドバイザー、自動二輪車メーカーのアンバサダー等も務める。
2018年 AVATTAがサイバーエージェントグループとなる。
2019年 3DCGプロダクション 株式会社CyberHuman Productions 取締役。
2023年 AI、3DCG、VIRTUAL 等、最先端技術を活用した制作会社、株式会社Cyber AI Productions 取締役。
HP/https://www.cyber-ai-productions.co.jp