2021.11.14
【第49回】
浜辺美波似の美人モデル「私をペット扱いするワルい男は……」
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真・構成/木村千鶴
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第49回のゲストは、前回に引き続きモデルとして働く美波さん(28歳)。前編では厳しめの家庭で育ったことや、結婚したものの男気に欠ける夫に離婚を切り出したことをお話いただきました。後編ではその後の恋愛について伺います。
離婚を切り出したら豹変した夫
「自由になりたいというか、今後も家族としてやっていくなら直してほしいことなんかを伝えました。でも、私が言ったことは真剣に考えてくれてなかったですね」
── そうでしたか。
「そもそも、私が仕事の関係で東京に出る機会が増えたあたりから、価値観のギャップが広がってきていたので。もしかしたら、気持ちを伝えたら向き合ってくれるかなと思ったんですけど、彼の方から『じゃあもうダメだな、別れよう』って急に(苦笑)。すごく驚きました」
── もしかしたら彼の中にコンプレックスのようなものがあったのかもしれません。
「当時は分からなかったですけど、あったのかもしれませんね。急に掌を返したようになりましたから。すでに月の半分東京にいるような生活でしたが、別居生活でも私のことを気にもせず。お金のことも急にあれこれ言われました」
「それまで住んでいた家から完全に荷物を移動させるまでは、そういうことはなかったですね。19歳から26歳まで彼とだけ一途に付き合ってました」
── え〜〜!! でも悪い男がいっぱいいますよね? 美人さんだし誘われますよね?
「いましたけど、当時は参加するコンテストに打ち込んでいたので。私、集中しちゃうと真っ直ぐなんです。過密スケジュールで勉強して、ウォーキングにレッスン、自己管理もちゃんとしないといけないから、お酒飲んで遊んでる暇なんて正直なかったです。遊んでる子も、なかにはいるんでしょうけど、プロでモデルをやってる人ってあまり夜遊び歩いたりしてないですよ」
東京に出てきてすぐに、悪い男に引っかかり
「あ、もう離婚してるんで、今は遊んでます(笑)。離婚のタイミングで、まぁなんと言いますか、危ない感じの人に捕まりまして」
── アハハハ! えっと、その人は悪い人なんですか。
「はい、お約束のように、ちゃんと悪い人でしたよ〜(笑)。東京らしい感じの、コンサルタントっていう、何やってるかよくわからない職業の男。超エリートで、しかも外面が凄く良いので、魅力的なんですよね」
── 外面がいいってことは中身が良くなかった?
「最悪でしたね(笑)。女癖も悪いし、ちょっとした行動を指摘して怒るんです。食事のマナーも神経質すぎて、お肉の切り方やお酒の飲み方までいちいち『わかってね~女だな』という言い方で怒る。しかも潔癖で、コロナの前からカトラリーすべて除菌シートで私に拭かせるような男でした」
「はい、それはないんですが、言葉の暴力が凄かったです」
── この人は危ないって思った時、すぐに逃げ出せました?
「いえ、すぐには抜け出せなかったです。田舎から出てきたばかりだし、恋愛経験も浅いので、『東京ってそういうもんかな?』って思っちゃった(笑)。でも私もおかしいんですよ。そこに楽しさを見出しちゃって、1年くらい付き合ってました」
── あ〜そうなんですか、そんなに面倒くさい人と(笑)。
「はい。ただ、どれだけ指摘されても私が同じ失敗を繰り返していたら、終いには向こうの性格が変わってきて。何も出来ない私をペットのように扱って、なんでも彼がしてくれるようになりました(笑)。でも女性関係は最悪なままでしたね。平気で嘘をついて他の女性と旅行するし、途中でとんでもない過去も露呈したので、一緒に暮らしてたんですけど、そっと荷物をまとめて家を出ました」
「あちこちに子供がいました。性格のこともあり、これまでの女性を見ても、明日は我が身と思ったので」
人の家を見てアレコレ分析しています(笑)
「そうですね、彼氏がいなかったら適当に遊びますよ(笑)」
「そういうことなんでしょうか? 誠実で堅実な人には『僕なんかじゃ……』と言われてしまうことがあります」
── 美波さん自身はどんな人がいいんですか? カッコいい人? お金持ち?
「結構本能的に決めますね。カッコいいも大事だし、ん〜なんというのかな。遊びならお金持ってる方がいいですけど、本当は、年収は600万円とかで大丈夫です。でも、反復しているだけのような生活の人は嫌。美術で“価値”というものを追求して学んだので、そこを一番大事にしています」
── お金にはあまりこだわらないんですね。
「お金がたくさんあるからって威張る人は嫌だし、お金ベースで幸せを考える、みたいな価値観の人とはもともと合わないんですよね」
── そんな感じは伝わります。あとは男性のどんな部分を見ますか。
── どんな部屋がいいとかってありますか。タワマンはいい?
「いや、私はタワマンはあまり……。だってコスパを考えたら、都心のタワマンなんて見栄っ張りかなと。場所選びからもそういうのが読み取れます。あとは、女性の喜びそうな、最新のディフューザーなどが常に置いてあったら、遊び慣れてそう、とか」
「そうかも。あとは置いてある本の内容も見ます。勉強の本だけが置いてあるのか、心を動かすような本があるか、バランスがいいのか、漫画ばかりあるかとか」
── 本のチョイスとかにセンスが出ますよね。
「はい。家ってその人そのものが出るような気がして、見るのが好きなんです。好奇心が旺盛なんですよ(笑)」
── では、その洞察力とこれまでの経験を生かしていただくとして、次はどんな恋愛がしたいですか。
「価値観が合う人と恋愛がしたいです。年収や学歴などで人を見てしまった時期もありますが、やっぱりお金を稼ぐことと一緒で、いくら追っても終わりがないんですね。自分の大切な時間ですから、大事に思い合える人といい時間を過ごしたいですね」
── う〜ん、経験をしたからこその言葉ですね。深いです。ありがとうございました!
【林さんから〆のひと言】
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。近著に小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)など。最新刊はcakesの連載から大人論を抜粋してまとめた『大人の条件』(産業編集センター)。