2019.06.11
【第13回】
有村架純似の肉食系地下アイドル「寝たい人はいても付き合うのは面倒だと思ってました」
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか?「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠されたプライベートに迫ってみる連載です。
- CREDIT :
構成/木村千鶴

アイドル世代だったボクらからすると、地下アイドルって新鮮な響きで。
インディーズバンドとか、アングラ劇団とかなら昔からあったけど、アイドルもそういうのができたってことなのかな。そう考えると、そっちもちょっとカッコイイ感じがしますね。
グループのメンバーは自分でスカウトして集めました
「歌ったり踊ったりするのが好きだったんですね。小学生の頃から」
── あの、僕よくわかってないんですけど、架純さんがやっているのは地下アイドルですよね? アイドルと地下アイドルの違いって何ですか?
「明確な定義はないんですけど、地上波のテレビに出るか出ないかが大きな違いって言われていますね。地下アイドルの活動はライブが中心になります」
── インディーズバンドのアイドル版みたいな感じなんですね! 地下アイドルにはどうやったらなれるんですか?
「地下アイドルになる道には大まかに2つあって、事務所に入ってやるのと、フリーでやっていくのと。私は自分で始めました」
「よし、やるぞ!って思って、自分でスカウトしてメンバーを集めたんです(笑)」
── え~~! 街中とかで、アイドル一緒にやりませんかって?
「そう、一緒にやりませんかって(笑)。そしたら『向いてないですぅ~』なんて言われちゃって(笑)。“いやいや、向いてないって、やったことないんだから、わかんないだろ!”って思いましたけど」
── ワハハ! そりゃそうだよね~。
「そしたら友達にアイドルをプロデュースしたいって子がいて、じゃあ一緒にやろう、と。その人は芸能界に伝手がある人だったので、色々手配してくれて」
── メンバーは街でスカウトした子?
「一人はそうですね。それと、シンガーをめざしてスクールに通っていた子を紹介してもらって、4人でやってました。けど、これがあんまり上手くいかなくって(笑)」
── 上手くいかなかった理由って何だか自分ではわかるものなんですか? 僕には売れた子と上手くいかなかった子の違いがわからないけど……。
「単純に、プロモーションも資金も経験も練習も不足してました」
── そうか~、やっぱり歌やダンスが上手かったら売れるんですかね。
「ダンスが揃ってると見栄えがいいですから。アイドルやってる人ってフリーターの人も多いので、すると週3とかでライブできるんですよ。私たちはみんなの都合で週末1回しかできず、プロモーションのお金もなかったので、オリジナル曲が作れなかった」
「実は地下アイドルってバンギャ(ビジュアル系バンドの追っかけをするギャル)が多いんですよね。その関係で、少しメジャーになってきたくらいのビジュアル系バンドの人に、楽曲提供してもらうのがよくあるケースでしょうか」
── その関係からそういう流れがあるんですね~。でもなんかそういうのって、枕営業だったり、女の子が嫌な思いしてたりとかしそうですね。
「フフフ。ウワサでは聞きますよね。女の子が枕営業するんじゃなくて、イベントの主催、楽曲提供、プロデュースの人とかが、女の子を食いものにするって話は」

東京は“顔なんだな”と思って大学に入って、整形しました
「あ、元バンギャです(笑)」
── ほぉ、やっぱりそうなんですね! ちょっと気の強い感じとか、わかる気はします。ところでファンにはどんな子が人気高いんですか?
「地下アイドルの世界って、ちょっとファンの年齢層が高いんですよ。30代から40代とか。以前、現役中高生のメンバーがいたんですが、彼女はちっちゃくて元気溌剌。愛嬌があったんですね。そうすると元気もらえるみたいで、すごく人気がありましたね」
── 若さってやっぱりポイントになるのかな。
「地下の世界では20代半ばくらいになってくるともうおばさん、手あかがついているみたいな感じがするんです(笑)」
「私は人間臭い部分がある方が好きなんですが、ファンの人には、やっぱり処女神話みたいなものがあるって感じるので。真っ白で幼くかわいいっていう方がウケはいいのかなぁ……」
── 架純さんにはどんなファンが?
「私のファン層は平均的よりはちょっと若くって、友達ノリで応援してくれる方が多いです」
── あ~、オジサンに人気があればお金も使ってくれるからいいのかもしれないけど、モテの部分でいったら若い方がいいですよね?
「まあ、話が合うところはありがたいですね、歳も近いので。SNSの感度が高いので、発信力もありますし。そう考えると、感度の高い若年層に推してもらう担当と、現場でお金を落としてもらう担当に分けると良さそうですね(笑)」
── 架純さん、何歳くらいのときに“自分モテるな~”って気づきました?
「最初にモテるかもって思ったのは小学校高学年。でも中高生の時に自分のことをそんなにかわいくないって思って、大学生になってから整形をしました」
── あ、そうなんですね! でも、元もかわいいと思うんですけど、なぜ整形を?
「まぁ、整形と言っても目を二重にしたのと、あとは涙袋をちょっといじったぐらいではあるんですけど。中高もモテてなかったわけじゃないんです、実は。でも大学に入って東京って街に来た時に、“顔なんだな”って思いました」
── 見た目がいい方が得に見えた?
「サークルで優遇されるのも、イケイケになるのも、初手、顔なんだな、と」
「初めましてのコミュニティでは顔で差が付くって感じたんです。いや~やっぱ違うな、東京って思いました」
── あ~、そういうのありますね。あるある。地元とは圧倒的に違う大きさですよね、東京って。じゃあ、気にしてコンプレックスをもつくらいだったらやったほうがいいと?
「うん~、そうですね。自信がもてるようになったんで、私はいいと思っています」
いろんな人と関係を重ねて、人間の幅を広げたいんです
「私、わりと壁をつくってしまうんですね、最初は。でもこの人好き!って思ったらさっと隣に座ってガンガンアタックします。“私、懐くといっぱいしゃべっちゃうんですよ~”って」
── かわいい~(笑)。すると、大体、落ちますか?
「そうですね~、私、アイドルをやる前って結構遊んでたんですけど、その頃を振り返ってみると、この人と寝たいな、って思ったら、だいたいできてました(笑)」
── お~っと(笑)。寝たいな、と付き合いたいな、は別なんですね?
「別ですね。性的な目で見ている人と、お付き合いしたいなって思うのは違いますね~。圧倒的に前者の方が多いです(笑)」
── え~! すごい肉食系なんだ(笑)。付き合いたいなって人は少ないんですか。
「そうですね、セックスしたいと思う人はいますけど、付き合うってなるとめんどくさいなって感じて」
── あ、そうなんだ。ええっと、デートに行ったり、夜中にずっとLINEしたりとかは楽しくない?
「最近は考えも変わってきましたけど、遊べなくなるじゃないですか、一人と付き合ったら」
「だって、色んな人と色んな関係を重ねていった方が人間の幅も広がるし」
── なるほどね。僕の知っている素敵な大人の女性って、20代前半に遊んでた人が多いんです。いいと思いますよ。彼女らが言うには、男性はセックスしたら一番わかるっていうんですが、本当ですか?
「そうかもしれません。カッコいいって思ってたのに、セックスになったとたんにカッコ良くなくなる人とかいますね。どうしたどうした!ってなる人が(笑)」
── やっぱりいるんですか~。
「さっきまでスマートだったのに、急に必死になっちゃって、どうしたの!って思ったことがあります」
── あぁ~それは、実際には慣れていないってことも……。じゃあそういうことになって、向こうが本気になってしまうこととかありそうですね。
「メッチャありましたね。本当にあの頃の自分ってクソだったなって思うんですけど(笑)。付き合う気はないってはっきりさせると(相手は)いなくなっちゃうので、キープするためにぼやかした表現でごまかしてました。ダメだな~って今では思ってます」
── いやいや凄く面白いし、こんなに正直に教えてくれる人はいません(笑)。

正直言って、美人は得しかしないです!
「バカでしたたかでなければできませんね。神経質だったら精神やられちゃうし。ある程度ガードして、ちょっとしたたかで、図太い子が生き残ると思います」
── バカで、したたかというと、どんな感じだろう。
「いろんなこと言われますから。いちいち気にしないけど、肝心なことは気にする。オタさんの一言一句に惑わされない」
── あ~、それボクもインターネットで叩かれたりするのでわかります。架純さん、凄くしっかりしてますね。ちょっと安心しました。最後に伺いますが、美人って、得する?
「美人は得しかしないです!」
── アハハ、そういうとこ凄くいいです。

そんな架純さんをワインに例えると
PIN UP de janiny (ピナップ・ド・ジャニーニ)
南フランスのピノノワールです。ピノノワールは多くはブルゴーニュの品種なんですが、南フランスだとコクと甘みが出て、ちょっとチャーミングな感じになるんです。架純さんのチャーミングさとよく似ているんです。

■ Bar bossa
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
TEL/03-5458-4185
営業時間/18:00~24:00
定休日/日、祝
● 林 伸次
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷にbar bossaをオープンする。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSをオープン。選曲CD、CD ライナー執筆多数。「ワイングラスの向こう側」(cakes)で連載中。著書に『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)がある。