さて、アナタは「イル・ヴォーロ」というグループ名を聞いたことがあるでしょうか。イタリア生まれの男性3人組ヴォーカルユニットである彼らの平均年齢は24歳と、まだコヤジの年代ながら、世界中をツアーし、多くの女性ファンから熱狂的な支持を受けているスーパーグループなのです。
この度2度目の来日を果たした「イル・ヴォーロ」にLEON.JPが単独インタビューを行いました。グループの成り立ちから日本にかける思い、イタリア男としてのプライドと生き方まで、熱く語ったインタビューを2回に分けて公開します。
人気オーディション番組で見出された3人の少年が世界的なスターに
彼らのデビューは、2009年。当時、まだ13〜14歳だった3人は、イタリアの子供向け人気オーディション番組にそれぞれソロ歌手として登場し、名曲「オー・ソレ・ミオ」を熱唱。
いまだ少年の域を出ないこの年齢で、大御所テノール歌手にも匹敵する美声を披露し、イタリア国民の脳裏に鮮烈なインパクトを焼きつけました。これを契機に、3人の若者は三大テノールをイメージしたオペラユニット「イル・ヴォーロ」としてデビューすることとなったのです。
2017年に開催した世界ツアーでは、ヨーロッパ、アメリカ、ラテン・アメリカの45都市を凱旋し、57公演の成功をおさめました。「イル・ヴォーロ」は飛ぶこと、飛行の意味。まさにその名前どおり、世界に羽ばたいて活躍を続けてきた3人。
日本でも、平昌五輪のフィギュアスケート男子で金メダルを獲得した羽生結弦選手がエキシヴィジョンで使用した曲「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」で知られるようになり、多くのファンを獲得しました。
デビューから10年が経ち、歌手としても、男としても、より深みを増した3人に、まずはこれまでの生い立ちや日本のイメージについて聞きました。
ピエロ 僕も前に来た時に日本に魅了されました。やっぱり日本の料理は素晴らしいですね。特に、お鮨は格別! トロ買ってきてくださ~い(とスタッフに)。
イニャ 日本の魅力を知ってからは、イタリアやヨーロッパでインタビューを受ける時も、日本での素晴らしい経験について話していますよ。
ジャン それから、日本はテクノロジーにとても優れているというイメージがあって、実際に日本へ来るたびに、その凄さを実感しています。
ジャン 「ドラゴンボール」も面白いよね。
ピエロ 僕は「NARUTO(ナルト)」が好きだ~!
ジャン 「ゴルゴ13」もカッコいい!
ピエロ あと、なんと言っても「アルプスの少女ハイジ」!
3人 ハイジ〜ハイジ〜♪(皆で歌い出す)
イニャ 僕の音楽との出会いは4歳の頃から始めたキーボードかな。それから家族のすすめでオーディション番組に出て、2人に出会ったんです。
ピエロ 僕も8歳の頃からいろいろな場所に呼ばれて歌っていました。いま、子供の頃からの夢が実現して、世界で歌えるようになったことは本当に幸せなことだと実感しています。
イニャ 結成した当初から、オペラとポップスのクロスオーバーを歌ってきました。「イタリアの音楽と自分たちの歌で世界中を感動させたい」という想いは、ずっと変わっていません。
ジャン 日本でコンサートをすると、若い人たちも音楽に対する興味やオペラのような伝統音楽に対する尊敬の気持ちを強く持っていると感じて、とてもうれしく思います。いまは世界中でそういう流れがあると思います。
■イル・ヴォーロ
3人とも生粋のイタリア人で、子どもの時に三大テノールに憧れて歌手を めざし、2009年イタリアの人気オーディション番組出演をきっかけにグループを結成。2011年には全米ビルボードのクラシックアルバム及びラテンポップアルバム部門で第1位を獲得。2012年にはバーブラ・ストライサンドのツアーに参加。2015年にリリースされたアルバム「グランデ・アモーレ」は世界各国で大ヒットし、同名シングルのミュージックビデオ再生回数は1億回を突破! オペラからポップスまでイタリアの音楽を世界に広めつつ、世界規模で大旋風を巻き起こしている。今年5月に2度目の来日。東京、横浜、大阪で6公演を行った。
現在、結成10周年を記念した、約4年ぶりとなるオリジナル・アルバム『MUSICA~愛する人よ』(ソニーミュージック)好評発売中。日本版ボーナストラックとして、羽生結弦選手がエイキシビションで使用した楽曲「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」を新録音収録。
7月19日(金)より、 Bunkamuraル・シネマ(渋谷)で映画『イル・ヴォーロ with プラシド・ドミンゴ 魅惑のライブ~3大テノールに捧ぐ』が上映。全国順次ロードショー予定。