2022.05.26
ローランド「歌えも踊れもしない自分の武器は言葉。それで世界平和に貢献できれば……」【後編】
2022年4月に新ブランド「MINIMUS(ミニマス)」を立ち上げたローランド氏。アパレル・美容・飲食の分野に事業を拡大し、タレントとしても活躍中の氏に、今後のヴィジョンをインタビュー。今回初めて明かされた秘話も!
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文/瀧川修平 写真/椙本裕子
「自分が死ぬ時に、悲しませた人より喜ばせた人のほうが多かったなと思えるように」
ローランド まず僕は年齢をまったく気にしていないから、何十代といったような世代を主語に語ることはないんですが、今後とも僕の言葉や発信するサービスで一人でも多くの人生がポジティブに変わったり、出会って良かったなと思ってもらえるような存在でいたいです。
僕はホストをやっていたので、自分が輝いたことで表舞台から遠ざかった同僚や、恥ずかしながら悲しませてしまった人たちがいるんですね。踏み台がないと高いところにあるものも取れませんので、僕はたくさんの踏み台の上にいると思ってるんですよ。だから、自分が死ぬ時に悲しませた人より喜ばせた人のほうが多かったなと思えるように、というのが人生のテーマです。
実は死ぬ間際にそう思える人って案外少ないんじゃないでしょうか。歌えも踊れもしない自分の武器は言葉だけだと思っているので、過去を浄化できるとは思っていませんが、僕の言葉で一人でも多くの人生を変えていきたいですね。
実際に書いた本(※)が翻訳されて世界中に発信されて海外の人まで勇気づけられるところを見ると、言葉って海を越えるんだな、世界平和もあながち夢じゃないかな、なんて気にもなれるんですよ。
もう年商いくらとか、あれが欲しい、これが欲しいといったようなステイタスには興味がないんです。
ローランド どうなんでしょうね。まずは人に僕と出会えて良かったと思ってもらうには面白い必要があるじゃないですか。となると、必然的にキャッチーな言葉を使いたくなりますよね。だからきっかけで言うと、目の前の人を楽しませたいというエンタテインメント性からきていると思います。ボキャブラリーの収集は今でもしていますしね。
でも、先天的でもあるかもしれない。というのも、昔から名言をはじめとした言葉を調べることが好きでしたから。僕は好きって才能だと思うので。なので、先天的であり後天的でもある、が答えではないでしょうか。
── ローランドさんが繰り出す名言は、瞬発的に湧いてくるのでしょうか?
ローランド 瞬発的に口をつくこともあれば、自分の得意なかたちに誘導していることもあります。決めゼリフも自分から能動的に言うより、質問に返す形で受動的に見せるほうが面白かったりするじゃないですか。
── 確かにそうです。ただインタビューを受けるだけではなく、いろいろなことを考えてくださっているんですね。では少し話が変わります。著書には金髪ロン毛を生涯貫くとありましたが、現在黒髪にイメチェンされているのはなぜですか?
イメチェンということで一昨年ショートにしていたのはそんな理由がありました。でも、ネガティブキャンペーンになるから当時は言えなかった顛末をなんで今なら言えるかというと、彼がその反省を糧にメチャメチャ頑張ったことでとても成長したからなんです。業績が爆上がりした売れっ子の彼を見たら、ブロンドヘアの失敗なんて安いモンだなと思いましたね。
── ではもう少し伸びたらまたブロンドに!?
ローランド 迷っています。黒は黒で評価してくださる方もいるし、7月にはまたホストとして復帰しますからね。
── ホストに復帰ということは、店に行けばローランドさんに会えるということですか? ファンでいっぱいになってしまうのでは!?
ローランド どうでしょうね。2年間もブランクがあるのに“俺が帝王だ”ってイキってたらあんまり良い結果にならないと思うから、イチからスタートというような謙虚な気持ちでいきますよ。ただ、まだ新参者には負けねーぞとは思いますけどね。
「成功の道を辿ってきたんじゃない。選んできた道を成功に変えてきた」
ローランド これは僕の持論なんですが、2個の選択肢があった場合、どっちが正しくてどっちが間違っているかというような話になるじゃないですか。それって違うと思っていて。
例えば僕の場合、大学を辞めてホストになるか在籍したまま4年間を過ごすのかという2択に迫られてホストになったんですが、どっちを選んでも正解にできたと思うんですよ。頑張れば自分が選んだ道が正解となるし、頑張らなければどっちを選んでも失敗なんです。
だから、僕は成功の道を辿ってきたんじゃなくて、選んだ道を成功に変えてきた、ということじゃないでしょうか。
ローランド 以前は過度な美容って女々しくて嫌だったんですが、今は気を遣うようになりましたよ。人前に出る自分のメンテナンスに気を配ることは設備投資や企業努力、マナーと同じだなと思えるようになってきまして。
そもそも僕は美容会社の社長なので、僕が汚かったら話になりません。例えば中卒の人が予備校を開いたとしたって、誰も通わないじゃないですか。だから今は逆にトコトンまでこだわろうと。高い美容液や日焼け止めを使い比べては自社の製品にフィードバックさせています。ちなみに日焼け止めは家にいる時も塗っていますよ。
ローランド 映像媒体が好きな人もいれば活字のほうが入ってくる人もいますから、どっちの発信力が強いとかは関係なく、文字媒体に携わるプロとして自信をもってほしいですね。僕は紙をめくる時の感触が好きなので、今も本や雑誌を買いますよ。
僕自身、文章を書くのが好きなんですが、言うとクサいセリフも文章だったら腑に落ちることもあるじゃないですか。
【Point Check】
仕事やデート、スポーツシーンまで着られるジャケットは細部に工夫が!
◼️ ROLAND/ローランド
1992年7月27日生まれ。帝京高校サッカー部出身。高校卒業後、進学した大学は早々に自主退学し、18歳で歌舞伎町ホストデビュー。名実ともにナンバーワンになると26歳で独立し、ホストクラブ『THE CLUB』をオープンさせる(現在閉店中)。実業家として美容や飲食、アパレルに携わり、投資家や慈善事業家として活動する傍らメディアにも多数出演。
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