2020.02.26
【第18回】
あなたは年収1億円の人と付き合ったことがありますか?
年収1億円! 普通のサラリーマンには夢のような金額を、アナタにとってリアルな目標に変えていくのがこの連載です。まず大事なのは思考法。考え方が変われば仕事に対するスタンスが変わり、見えてくる世界が変わります。マーケティングコンサルタント船ケ山哲氏がアナタを年収1億円に導きます。
- CREDIT :
文/船ケ山 哲 編集協力/遠藤励子 写真/内田裕介(maettico) スタイリスト/稲田一生 ヘア&メイク/鈴木竜也(S-14) 撮影協力/ホテル&レジデンス六本木 協力/エストネーション

その要点をまとめると、
ズームアウト:全体像の把握、全体設計(戦略)
ズームイン:細部への取り組み(戦術、手法)
この2つはまったく違った役割を担っており、タイミングに応じて2つの視点・思考をうまく組み合わせていくことで初めて仕事を成功に導くことができるようになります。才能があるにもかかわらず、成果がなかなか出ないという人は、2つの視点の役割を理解しないまま作業を進めていることが多いのではないでしょうか。
(前回の記事は、こちらよりご覧いただけます)
それを踏まえた上で、今回は、あなたの収入を一気に上げていくためにぜひ覚えておくべき「ステージ別・人との付き合い方」についてお話をさせていただきます。
人生をより良く変えたいなら、付き合う人を変える必要がある
つまり、もし、あなたの今の人生があまり望ましくないものだとしたら、それはあなたがこれまで得て来た知識や経験にこそ原因があるということで、これを変える必要があるのです。
そして、そもそも「知識や経験とは何か?」というと、そのクオリティに一番大きな影響を与えているのは、あなたが付き合ってきた「人」だということにお気づきですか。
「人」が、あなたに知識を教え、関わる「人」を通じて経験してきたことで、あなたの「人格」は作られます。ということは、あなたの人生をより良いものに変えたいと望むのであれば「付き合う人を変える必要がある」ということです。
とは言え、誰と付き合えば、人生を向上させ、未来を望むように変えることができるのでしょう?
収入ステージ別に付き合う人は違うという現実
しかし、それは絶対的なものではありません。身分制度のあった大昔と違って、現代では、少なくともチャンスは誰にでも開かれています。自分の置かれている場から抜け出して別のステージへと跳んでいくことも決して不可能ではありません。
大事なのは自覚があるかどうか。自覚をもてば、今の時代、付き合う人は変えることができます。別にあなたは移動を禁じられておらず、その気になればどこへでも行けるし、インターネットでいくらでも他人と繋がれる時代です。それを前提に、収入ステージ別に付き合う人のモデルケースについてお話していきます。
まず、年収1000万円の人はどんな人と付き合っているのでしょう。
もちろん年収1000万円は現代の日本においても決して少ない年収ではなく、むしろ多くの人にとっては憧れの金額かもしれません。しかし、年収1億円を目指すあなたにとっては、その第1歩となるスタート地点の金額でしかないです。
● 年収1000万円のAさんが付き合う人(限られた狭い情報)
こう言うと「そんなことはない。ニュースも見ているし、新聞も毎日読み、社会情勢には詳しい」と言う方もいると思います。しかし、彼らが見ているのは誰でも見られる一般レベルの情報のみです。そのような雑多の情報を見ている間は、正しい情報など入ることはなく極論すれば無駄な人生を過ごすことになります。
その証拠に、ニュースや新聞の大半の記事はネガティブなものばかり。人生の肥やしにならないものばかりです。商談の席でアイスブレイクなどという言葉に惑わされ、昨晩のニュースを「確認」しあうだけの会話を行っても、それで信頼関係が構築されるほどビジネスは甘くはありません。
<解決策>
こういう人こそ、付き合う人を変えるべきです。情報を俯瞰し、顧客の願望を満たす話題を提供することができれば、収入を次のステージのものにあげていくことができます。そのためにやるべきことは、ひとつ。それは、自分が次に目指すべき世界をすでに手に入れている人=師匠を探し出し、その人を参考にすること。
例えばその人の著作を読むもよし、セミナーに参加するもよし。そうやって自分を取り巻く情報のアップデイトを行うことです。そうすることで、あなたは次なるステージへ上がるきっかけを手にすることができます。
● 年収3000万円のBさんが付き合う人(情報を広げる)
このステージの人は、経営者が多く、雇われで稼ぐには少しハードルの高い金額になってきます。そのため自分自身のステージを上げて彼らと対等に付き合いたいと願うなら「経営者思考」を持ち合わせる必要があります。
お金の使い方、気遣いレベル、個人的見解ではなく社会全体の動向や動きの把握など、様々な視点を持ち合わせない限り、より上位の人から相手にしてもらうことはできません。
なぜなら、3000万円クラスの人たちは、まだ小さな見栄と偏見が残っているため、自分たちはサラリーマン(雇われ)ではないという自負が強すぎるのです。そのためサラリーマン思考の人たちを軽侮し、線引きしたがる傾向にあります。
その典型が、いかにもな成金趣味スタイルです。飛行機のビジネスクラスラウンジに入れば、一目瞭然ですが、このような価値もわからずブランド品に身を包んだ残念な人たちで溢れかえっています。
しかし年収3000万円は、所詮ビジネスクラスです。どんなに成功者を気取ろうが、Tシャツ、短パンのファーストクラスの人たちには敵いません。
<解決策>
1億円のステージ(ファーストクラス)にいきたければ、見掛け倒しで中身のない人になるのではなく、自分自身がブランドとなっている人とだけ付き合い、振る舞いや話し方など徹底して真似ることをお勧めします。
もし、そのような人が周りにいなければ、先生や師匠となる人の側にぴったりついて上位層ばかりが集まる場=自分自身の位置づけが低くなるような居心地の悪い環境に飛び込んでみてください。そうすることで天狗になりかけていた自分に気づくことができます。
● 年収1億円のCさんが付き合う人(情報を厳選)
このステージの人は、大衆の真逆を行くので、情報を厳選し、いい情報だけに触れることを意識しています。当然、情報を厳選するということは付き合う人も絞り込み3000万円のステージで出会った本物の人とだけしか、付き合うことをしません。
言い換えれば、マイナスをできるだけ排除し、プラスだけを求めるイメージです。
そのため、収入が上がれば上がるほど付き合う人数も減り、成功している者同士、または先生と呼べる人としか付き合うことをしません。しかし、このステージの人は、付き合う人の数は少なくとも、それぞれが権威と実績、そして十分な顧客リストを持っているので、大きなインパクトを市場に与えることができます。
これは、業界は違えども、どの世界も同じような仕組みになっているのですが、成功者は成功者によって守られるという法則があります。年収1億円を早い段階で達成したいと願うなら、自分の能力を過信するのではなく、どのような価値を提供できれば、そこに仲間入りさせてもらえるのかを観察することから始めてみてください。
というのも、彼らにとってお金とは、もっとも価値の低い存在であり、所詮、価値を交換するためのツールにすぎないと考えているのです。
そのため、彼らは一度換金して終わりのお金より、何度もお金を生み出せる源泉(価値)自体を提供された方がうれしいと感じます。つまり彼らと付き合いたければ「お金以上の価値を届ける」必要があるのです。
例えば、顧客リストの紹介であったり、ブランドを高める貢献活動などを行うことで彼らの仲間として受け入れてもらうことができるようになります。
ただ、これは年収3000万円以上の人が行える行為でもありますので、今1000万円に位置している人は、まずは欲張らず3000万円を目指してみてください。
まずやるべきは「橋繋ぎしてくれる人」を見つけること
ただ、それを単なる情報に終わらせることなく、現実に意味のあるものに変えたいと希望するのであれば、まずやるべきことは「橋繋ぎしてくれる人」を見つけることです。
必ず、どのステージにも門番となる人が存在していますので、その人の懐に入り、貢献して認めてもらうことです。
それがうまくいけば、あなたの収入は劇的に上がり、ステージを上げて行くこともできます。そのためにも、まずは収入ステージ別の考え方の違いを知ること。それが、あなたのステージを上げる最初に踏むべきステップなのです。

● 船ケ山 哲(ふながやま・てつ)
1976年、神奈川県出身。心理を活用 したマーケティングを得意とし、人脈なし、コネなし、実績なしの状態から、起業後わずか5年で1000社以上のクライアントを獲得。その卓越したマーケティング手法は、数々の雑誌やメディアに取り上げられ、現在ではテレビ番組(テレビ神奈川)のメインキャストを務めるほか、ラジオ番組(FM横浜)でもメインパーソナリティーとして活躍中の起業家。 またプライベートでは子どもの教育を最優先に考え、カナダのバーナビーに在住。
主な著書に『武器としてのビジネススキル』(PHP研究所)、『お金と自由をもたらす最速の稼ぎ方』(徳間書店)、『洞察のススメ』『超・起業思考』(きずな出版)他。最新刊は『会社を辞めずに収入を月50万円増やす! 小さく始めて成功させる「自分ビジネス」』(集英社)本体1400円+税。