2022.12.04
人生は大人の女性に学べ! 夏木マリ、鈴木保奈美、秋吉久美子、寺島しのぶ、かく語りき
自分が女性より物を知っていると思っている男性ほど、実は女性の手のひらの上で転がされていたりするもので。男が夢を見ている間に女性はどんどん人生への見識を深めていくのです。大人の女性の話は虚心坦懐に聞くものですぞ。
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文/LEON.JP編集部
■ 夏木マリ
夏木マリさんの“いい女”論。「男を成長させるのが本当のいい女」
「男性の場合は極端な話、仕事が出来るとかお金持ちだとか学歴が高いといった、分かりやすい“いい男”像っていうのはありますよね。でも、女性の場合は、一見して“いい女”かどうかを見極めるのは難しいと思う。そもそも万人に“いい女”なんていないと思うし」(夏木マリさん以下同)
とは言え、巷にあふれる男目線の“いい女”像には異論もあるようで。先日、ある番組では「男が思う“いい女”は一晩一緒にいてくれる女でしょ」との発言も。
「そう思いますね。でもそれは、男性にとって単に都合の“いい女”でしかないでしょう」
そんな女性ばかり求めている人には女性の本当の素晴らしさがわからないのではと夏木さんは言います。
■ 鈴木保奈美
鈴木保奈美の矜持。「何事も人のせいにはしない。まず自分が動けばいい」
鈴木 昔も今も、好きでやっていることに変わりはないのですが、若い頃はいろいろ不自由もあり、好きな仕事だけれど、自分のやりたいことが思い通りにできないというジレンマはとてもありました。
だけど、じゃあ、やりたいことをやるためにはどうすればいいのか、自分には何が足りなくて、誰に頼んで前に進めればいいのかという、改善法なり対処法をあまり考えられていなかった気がするんです。結果、うまくいかないと誰かのせい、周りが変わればいい、と思っていた部分があったと思います。
それが今は、こういうことをやりたいと思ったら、ただ待っていたり、悶々としているのではなく、まず自分が動けばいいし、その方面に明るい人に助けを求めればいいんだと思えるようになってきました。つまり、うまくいかないことがあったら、それは誰のせいでもなく、自分が変わればいいんだというふうに。
■ 秋吉久美子
「自己満足や保身はダサい」人気女優が語る大人のカッコよさとは?
秋吉 当時は尊敬するしないとか、こういう大人になりたいとか、目指すものすらなかったですね。鳴門の渦潮みたいに大きな渦巻の中に巻き込まれてしまったら、もう必死で、どれが信頼できる漂流物かもわからないじゃないですか。こんな大人になりたいという意識も一切なくて、「今何ができるのか」そして「もっとやりたい」という気持ちしかその時の私にはなかったんです。
── だからこそ立て続けの映画の主演や舞台、難解な役も怖いものなしでやれたのでしょうか?
秋吉 本当にその通りですね。今も怖いものなんてないんです。だって、戦争以外でそんなに怖いモノってありますか? どんなことがあっても人間なんか、たいしたことないなと思っちゃうんです。
でもだから、ずっと障害物競走みたいで、短距離走ができなかったんです。目の前のモノが障害物だと思わないから、頭から突進していっちゃう(笑)。
■ 寺島しのぶ
寺島しのぶ「ただの不倫映画という人もいるでしょうが、こういう愛を全うした人たちもいるんです」
寺島 本作が凄いのは、外からの雑音が一切入らず、完全に3人の世界を描いている点。原作もそうですが、3人の関係をジャッジする視点がないんです。
── 本作が日本映画らしからぬ雰囲気を持つのは、批判する視点がないからでしょうか。
寺島 まさにそう感じます。本来、恋愛はこうあるべきだと思うんです。他人が何を言ったって、好きなものは好きだし。まして、今回の場合は3人の中で完結している。であれば、誰も何も言えないですよね、という作品。この映画は不倫を推奨しているわけでもない。普通に、とある人たちのある愛の物語。それぞれの愛を描いた映画です。それしかない。
もちろん、人それぞれ捉え方はあると思う。ただの不倫映画じゃないか、という人も絶対にいるでしょう。でも、それはいいと思うんですよね。だけど、こういう愛を全うした人たちもいるという部分は尊重すべき。それはそれでいいじゃない、と私は思う。実際にモデルがいて、実際にあった話。そういうこともありましたよ、そこを否定できますかということだと思います。