2023.03.27
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創業50周年のちょい不良(ワル)な会社って!?
九州は鹿児島にある創業50周年を迎えた業務用総合食品卸の「西原商会」をご存知でしょうか。一度見たら忘れられない発色の良いグリーンの営業車を国内外に走らせ、食の世界の黒子の役割を担う一方で、有名ミュージシャンや高級ブランドとのコラボレーションなど、型破りな一面を併せ持つ、なんとも「ちょい不良(ワル)」な会社。その真相を確かめるべく、LEON編集長の石井洋が西原一将社長に突撃インタビューを敢行しました。
- CREDIT :
写真/前田 晃 インタビュー/石井 洋(LEON) 文•編集/堀川正毅(LEON)
こんな型破りな会社、聞いたことがない
食品卸の「西原商会」は、そんなひと握りの、やっていることが常に想像の斜め上をいく、なんとも「ちょい不良(ワル)」な会社なんです。どんなビジョンのもと、どういうことを実施してきたのか、西原一将社長にお話を伺いました。
石井 来ちゃいました、鹿児島にある西原商会さんの本社。西原一将社長、本日はよろしくお願いいたします。
西原 よろしくお願いいたします。よりよく知っていただくために、社内を歩きながら弊社の取り組みをお話しさせていただきますね。
石井 いきなりですけど、すごい建物ですね。
石井 なるほど、2Fの踊り場に設置された寄せ書きや数々のトロフィーもその一環でしょうか。
西原 そうです。スポンサーをしているサッカーチームの選手の寄せ書きや、M&Aで弊社グループに参入していただいた会社との記念写真など、社員が常に自分の会社のことを意識できるようにしています。
西原 はい、私は創業40周年のタイミングで先代の一義会長からバトンを受け継ぎまして、そこからM&Aをスタートしました。食品業界は小さいところが沢山ありまして、経営が難しかったり、後継者が不在だったりと問題を抱えているところが少なくないんです。小さくはありますが、それらが無くなってしまうと地域の食文化がなくなってしまいます。だから、日本の食文化のためにも、どうにか守っていきたいとM&Aを始めたんです。
西原 これまで長崎のちゃんぽん麺、鹿児島のさつま揚げ、熊本の馬刺し、小豆島の佃煮、知多半島のエビ煎餅などの会社をM&Aしてきましたが、これらはどれも地域の食文化を語る上で欠かせないものなんです。そしてそれは観光やレジャーに直結するものでもあります。観光は宿が良い、景色が良いだけではなく、現地での食に期待するところが大きいですからね。我々はM&Aを通じて、そんな食文化を守ることがとても大切だと考えているんです。
美味しい日本食を世界の人に伝える責任
西原 現在5拠点ありまして、4月にベトナムに進出して6拠点になります。石井さん、海外で日本食を食べたらあまり美味しくなかった……、なんてことありませんでしたか。
石井 あります! 日本人が経営しているところはいざ知らず、日本食レストランと書いてありながら、どこの国の食べ物? というところで残念な気持ちになったことも。
西原 そうなんです。それらを食した海外の方が「これが日本食」と思われてしまうのは嫌だなと。実際、腕の良い日本人の料理人が現地で奮闘していても、食品問屋が案外機能していないというのが実情で。我々が真っ当な日本の食材を提供することで、現地でのクオリティアップに貢献できると考えたんです。
一般には目に触れないパッケージにこだわる
西原 社長室はいらない主義です。あっても昼寝するのが関の山ですから(笑) 。出来るだけ社員とコミュニケーションを取りたいと思っています。ここに壁が一枚あると、どうしても躊躇してしまいますが、同じフロアで同じように机を並べていれば、「ちょっといいですか?」と声をかけやすいかなと思って。
西原 ここを使ってBtoBの商品や一部BtoCの商品を開発しています。食品メーカーさんとの協業も多く、例えば大手食品メーカーさんと作った「ホワイトソース」は昨年の発売以来、非常によく売れています。
西原 商品開発の際、味へのこだわりは当然ですが、パッケージやブランディングにも注力しています。BtoB商品の場合、どんなにパッケージにこだわっても、それを目にするのはせいぜい料理人くらいなので、一般的にはお金をかけていません。けれど、我々は中身も外見もきちんと手がけることを重要視しています。それにより、社員の意識も変わると思っているんです。
西原 我々は外食産業の黒子ではありますが、社員にはそんな仕事に誇りを持ってほしい。また、飲食店からも業務用は「安かろう悪かろう」と思われてきたところがあるので、味も見た目も一生懸命に作り込むことで、それが良いものであることを伝えたいんです。スーパーのお惣菜のクオリティが高いいま、消費者はちょっとやそっとじゃわざわざ外食しません。外食店のレベルを底上げするという意味でも、こういった取り組みが重要になっていくと考えています。
お金を出して買うレベルのものをプレゼント
西原 はい、会社が40周年のタイミングで社長に就任したのですが、周年って会社の都合であって、社員にはあまり興味のない話だなと。どうしたらもっと社員の皆さんに周年を体感してもらえるのか。そこで50周年のタイミングで、「こんなもの貰っちゃっていいのですか?」と言ってもらえるものをとエルゴポックのビジネスバッグを贈与することに思い至ったんです。
石井 すごぃ! でもなぜエルゴポックだったんですか?
西原 元々私が愛用していたブランドだったのですが、社員が毎日使えるもので、日本製で、何よりみんなが知っているものでと考えたら、自然と行き着いたというわけです。早速、エルゴポックを手がける「キヨモト」の清本英昇社長に連絡を入れさせていただきました。
西原 おかげさまで評判良いですよ。ただ難点もあって、飲み会に参加すると、ほぼ全員が同じバッグなので間違えて持ち帰らないか心配です。
石井 愛用されてる証拠ですね。って、バッグとは別に名入りの名刺入れも!?
西原 名刺入れの名刺入れは、勤続10年の社員に贈与しています。バッグと同じ素材で清本社長にお願いしました。
石井 徹底してますね〜。
ロロ・ピアーナのオーダースーツを贈与!?
西原 はい、勤続20年の社員にフルオーダーでスーツを仕立ててプレゼントしています。
石井 いやいや、一般的なサラリーマンがロロ・ピアーナのスーツを着ることなんて、なかなかないですよ。
西原 そうかも知れません。ですが、社員には格好良くいてほしいし、西原商会で働いていて良かったと思ってもらいたいんです。ただし、条件がありまして、フルオーダーの際、ちょっと太っても着られる“ゆるめ”のフィッティングは禁止しています。ジャストサイズで、ちゃんと格好良く見えるように作ってもらっています。
西原 仕事だけじゃなく、結婚式など、どんな席でも堂々と参加できる一着として、みんなが着てくれるのがうれしいですね。
石井 エルゴポックといい、コチラのオーダースーツといい、ほんと、聞いたことないですよ。小規模の会社ならいざ知らず、この規模でやっちゃうのは驚きです。
西原 今年、40名の社員がこのオーダースーツを受け取る対象になります。
石井 よっ! 太っ腹!
DJ時代に培った交友関係が生んだ奇跡
西原 同じ敷地内のもう少し海側に元々の社屋があったのですが、数年前にそこを残しながら新社屋を建てまして、完成のタイミングで旧社屋を解体して、この景色となりました。
西原 前にビルがないのはセキュリティ面でも良いんですよ。大切な書類を覗かれる心配もありませんしね。裸で歩いていても大丈夫(笑)。
石井 ホールと言えば、ヒップホップグループの「ライムスター」とライブで共演してホールを賑わせたことがあるとお聞きしましたが。
西原 大学生の頃、東京でDJをやっていたのですが、月に1度のペースでイベントを開催していて。その時にゲストで出演してもらったことがきっかけで、20年来のお付き合いをさせていただいています。
石井 20年!
西原 1ファンに始まり、共演させていただき、彼らの活動のサポートをさせていただくなど、多方面でお付き合いさせていただいています。もうひとつ、クレイジーケンバンドの横山剣さんとも交友させていただいていまして。
石井 でた〜。
石井 部長、泣いちゃいますね。
西原 彼に限らず、社員がステージ前方に駆け寄るくらいすごい盛り上がりようでした。あまりに熱量が高かったので、その勢いに乗じて、打ち上げの際に剣さんに西原商会の社歌をお願い出来ないかと相談してみたんです。
石井 ちょい不良(ワル)過ぎる!
西原 ありがたいことに受けていただけまして。ちょっと特殊な契約をしたこともあり、我々は社歌として歌ったり流したりしていますし、剣さんもクレイジーケンバンドの1楽曲としてアルバムに入れていて、カラオケでも歌えるんですよ。だから、彼らのライブで西原商会の社歌を歌ってもらえるという(笑)。
石井 最高のプロモーションじゃないですか。
西原 ライブに行くと会場で実際に歌ってもらい、「西原商会~西原商会~」と何度も言ってくれて、うれしいやら恥ずかしいやら。
西原 ご縁がありまして、「サンライズ」という映像制作会社にいわゆるプロモーションビデオを作成いただけることになりまして。過去にライムスターが「肉体関係パート2」というクレイジーケンバンドの曲をフィーチャリングしたことがあったので、それを基に西原商会バージョンでお願いしたんです。ライムスターは完成した曲をCDにして発売してくれて、なんとオリコンのウイークリーランキングで9位までいきました!(全社員で買いました)
西原 学生時代に始めたDJのつながりで、最終的には先述のライムスターや、須永辰緒さん、FPMの田中知之さん、ピチカート・ファイヴの野宮真貴さん、そしてクレジーケンバンドの横山剣さんという、錚々たるメンバーにイベントに参加していただけるという、素敵な人間関係を築くことが出来ました。それは、いま経営者としてやっていることと、もしかしたらあまり変わっていないことなのかも知れません。
石井 確かにそうかも知れませんね。元々あるものに対しての掛け算だったり、時に引き算を挟んでみたり。そんなリミックス感覚を一将社長はお持ちなんですね。
日本イチ合コンでモテる会社へ
西原 「日本で一番、合コンでモテる会社にする!」ですかね。
石井 お〜、ちょい不良(ワル)社長の面目躍如なセリフですね!
石井 合コンでモテる……、深いですね。社員に魅力が備わっているとういことですし、本人が自分が働いている会社を誇らしく思っているということとイコールでもある。
西原 そうですね。まだ全然そこに到達していませんし、やることがたくさんあると思っています。
石井 ちょい不良(ワル)な会社が日本一合コンでモテることが目標だなんて、最高です。ぜひその高みを目指して突き進んでください!
● 西原一将(にしはらかずゆき)
西原商会、代表取締役社長。1976年鹿児島生まれ。ラ・サール学園ラ・サール高等学校卒業。2000年、一橋大学商学部経営学科卒業。同年にKDDI入社。2005年4月、西原商会関東に入社。2007年9月、西原商会役員就任。2012年、代表取締役社長に就任、現在に至る。