2020.03.27
【第23回】
優香似の美人ウグイス嬢「包丁持って、奥さんと別れてくれって乗り込みかねない」タイプとは?
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか?「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
材/林伸次 構成/木村千鶴
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テーマは今どき美女たちの“悩める”恋愛事情。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。第23回のゲストは、アナウンス業務をされている優香さん(37歳)です。
最初の時は本当にバチンって音がしました
「こちらこそよろしくお願いします」
── 僕、インタビューの始まりって、いつもちょっと緊張するんですよね。なんか毎回定型なのもどうかなとか考えちゃって。
「そうですよね。私もアナウンス業務をしているのでちょっとわかる気がします」
── アナウンス業務というと、ウグイス嬢みたいな仕事ですか?
「そう、そういう仕事もありますね(笑)」
── 確かにいい声してる! 落ち着いた優しそうな感じが、優香さんっぽいので、ここでは優香さんと呼ばせてください。
「わぁ、ありがとうございます!」
── さっそくですが、優香さんが「私、ちょっといけてるかな」って思ったのは何歳の時ですか。
「いやぁ。私、全然そんな風に思えなくて。中学までいじめられてたので、それも原因だと思いますけど……。華やかな場で自信満々に生きてきた子たちとはちょっと違うかもしれないけど、大丈夫ですか」
── もちろん。この連載って、女子にも読んでもらいたいというのが裏テーマでありまして、そうすると優香さんに共感できる女子も多いんじゃないでしょうか。
「それでしたら少しは参考になる話ができるかもしれません」
「思ったことないです。でもそれは、これまで私の周りにいた子たちがきれいすぎたのかもしれません」
── というと?
「私が通ってた高校は芸能活動もOKのところで、テレビや雑誌に出ている子たちがカースト上位だったんです。私も彼女たちに憧れはありましたけど、仲間に入れてもらえるわけもなくて。私なんか……という気持ちがずっとあったんだと思います」
── わぁ、そういう学校に行っちゃったんですね。それは大変。
「でも、大学に入った頃、ちょうど読者モデルとか素人のタレントみたいのが流行った時期で、私も運よくそういう活動をすることができたんです」
── それは自分から望んで?
「はい。やっぱり高校の時に憧れていた彼女たちに近づきたい気持ちがあったのかもしれませんね」
── で、どうでしたか?
「その時は人生最大のモテ期というか(笑)」
── モテ期! いいですね。次々と男性が言い寄ってきたとか?
「というわけじゃないんですけど、何人かに告白されて初めて彼氏もできました」
── よかったですね。そこで少しは自信がついた?
「はい。と言っても、私、男性とお付き合いしたのが、大学1年の時が初めてで。意外と純情だったんです(笑)」
── そうなんですね。それはどちらから告白したんですか。
「お互いに近づいていった感じです。どちらからともなく第一印象でいいなって思ってて。ひと目ぼれ同士みたいな感じですね」
── わぁ~そういうのいいなあ。
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── 彼、かわいい(笑)。
「それなのに、実は男性と手も繋いだこともないっていうのがよかったって」
── あ~、男性っていうのはそういうギャップが好きですからね。じゃあすぐに付き合って。
「出会って1週間くらいで付き合って、初体験は1カ月待ちました」
── 待ちましたってことは、優香さん的には早くしたかった?(笑)
「なんというか。彼は1人暮らしだったし、いつでもできるんですが、私が初めてだということを尊重してくれて……私も古風な考えなので、3カ月とか経ってからと思ってたんですが、あまり待たせるのは酷かなって思って(笑)」
── 修正したんですね(笑)。
「そう、1カ月記念日を大々的にしましょうって」
── 凄くかわいい~! いいですね、そういうの。で、初めはどうでした?
「痛かったです、凄く! 本当にバチンって音がしたんですよ(笑)。膜ってあるんだなって思った」
── ワハハ。え~そうなんだ~。そういうのってあるんですね。
男性はみんな「してみないと相性なんてわかんない」って論破してくる
「2年付き合いました」
── けっこう続きましたね。
「はい、その彼と別れた後も、大学時代は ちゃんとお付き合いしてる人がいたんです。でも社会人になってから付き合った人にこっぴどくフラれて……。その後は、拒食症になったりと、しばらくはひどい状態が続いてました」
── あらら。
「そこからは、ぎりぎり、なんとか立ち直ったんですけど、その後はずっと、男性から『好きだけど付き合うのはちょっと』って言われるようになってしまって……」
── え、それはどういうことですか?
「一緒にご飯に行ったり家にも行ったりと、仲良くはするんだけど、その先には進まないんです」
── なるほど。
「それか、ある男性からは、しばらく交際した後、急に『故郷に帰るんで離ればなれになるから付き合えない』と言われてフラれたり……。そこから10年以上はずっとそんな感じです」
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「そうですね……」
── 付き合った人たちとはみんな体の関係はあるんですね?
「はい」
── 最初にそういう流れになった時に、付き合う関係かどうか相手に確認はするんですか?
「私は『これって付き合うってことですか?』って毎回聞くけど、曖昧に押し倒してくる(笑)」
── ふうむ。これ人によって分かれるところなんですけど、世の中にはセックスの相性を確かめてから付き合うか決める女性もわりといるんです。セックスをすることに関して罪悪感はないから、とりあえず簡単にして確かめると。一方で、付き合ってからじゃなければ手もつながない、セックスなんてもっての外という人もいます。その辺については優香さん、どうですか。
「私の人間性としては後者、付き合うまで“しない”派なんですけど、それが上手にできない。流されちゃうんです」
── 流されちゃうんですか。
── あ~!なるほど。してから付き合う人は、相手が自分を気に入ってるに違いないと確信がある?
「はい、自分が上の立場としてジャッジしてるじゃないですか。『相性テストしてやってもいいよ』って。私はそのタイプの男性に『テストしていただけますか』って態度をするから相手にいいようにされちゃうんだと思うんです」
── それは押されてしまうんですか、それとも雰囲気?
「『してみないと相性なんてわかんない』って論破してくるんです。それに負ける(笑)」
── え~、じゃあ毎回、男性側に上のポジションを取られちゃうんですね。なんでかなぁ。自分が先に好きになっちゃうからですか。
「私って惚れた時の勢いが凄いんです。好きって思ったら凄く好きになって、向こうが待って待って~ってなって引かれちゃう」
── えっと、男性って女性側から追いかけると本気にならないって法則は知ってます(笑)?
「知ってます(笑)。いつも頭と感情が上手くいかない。頭ではとっくに知ってるんですよ。例えば先にエッチしちゃいけない、しちゃっても絶対にこっちから連絡しちゃいけないって。知識はいっぱいもってるし、マニュアル本も読んできたけど、いざ好きな人と向き合うと……」
── 本当に好きになると上手く演じられない、と。
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「お前はもういらないヤツだ」って全部ブロックされて
「自信がある男性が好きですね。だからみんな上から来るし、女性に困ってない。困ってない人のところに行くから大勢の中の一人になっちゃう」
── 自信があって、モテる男子が好きなんですね。
「わかってても好きなタイプが変わらない。変えなきゃって思ってるけど、変わらないからダメなんですね。その次の人とはだらだらした関係を6年も続けちゃいました。彼にはSNSは全部ブロック、着信も拒否されたことがあって」
── えっ。それはしつこくしちゃってとかですか。
「ごちゃごちゃした関係になってたんです。向こうには最初から他にも女性がいて……。でも私を一番に優先していると言ってたんですが、私が彼の携帯を見たことが原因で捨てられたり、また復活したり」
── あ……。
「そのうちに彼にとっての一番がすり替わったのを感じたんです。彼も相手に夢中になってるのがわかって、さらに揉めました。その時に『お前はもういらないヤツだ』みたいなニュアンスのことを言われて。全部ブロックされて、『俺の周辺に来ないで、自分の仲間とも連絡とらないで』って」
── 大丈夫でしたか?
「そうとう病みました」
── ですよね。なんでそんなに夢中になっちゃうんですかね~。世の中には優香さんみたいにどうしてもハマってしまってやめられない人と、「こういう男はダメだ」って気づいてパッと離れられる人がいるんですが、原因どこだと思われます?
「依存症でしょうね」
── ああ、やっぱり。タバコやお酒がやめられないのと一緒。恋してる感じがやめられないんですか。
「冷静な自分としては、状態も最悪だし、たぶん彼がもう一度私を愛してくれる事なんてないってわかってるんです。でも感情的には、これだけ頑張って我慢して、彼に尽くしてきたのに、他の人と入籍するなんて許せない……、そういう執着だと思います」
── 悔しいんですね。
「悔しい。これが彼に尽くしてなかったらいいと思うんですけど、これだけ費やしてきたのに、って思いです」
── 男性にもよくそういうことあるんですよ。これだけコストかけたのに、この裏切りって何?みたいな(笑)。ただ女性は新しい恋をしたらもう大丈夫、上書きされるって言いますけど。その点は優香さんはどうですか。
「私は、しばらくは全然恋できないです。自分の中にその人を上回る人が出てこない、その人がトップ過ぎちゃって」
── でも、それは幻想、病気だってことはわかってるんですよね。
「はい、頭じゃなくて感情だからでしょうね」
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奥さんと別れて!って包丁持って乗り込みかねないんです、私
「ん~、寝てみたりはしないんですが、色んな会に顔は出しますね。でも飲みに行けば行くほどへこんだり、やっぱりここにいる人たちより別れた彼の方がいいって思ったり、と逆効果で」
── あ~、女性は「私、あなたのこと好きかもしれない」っていう気持ちが出ると、モテるって言いますもんね。でも、その逆!(笑)
「そう、全員を否定しちゃってますからね、まず。彼と比べて否定してるから。自分に自信がなくてギスギスしちゃってるのもあって。相乗効果で1ミリもモテないから、行けば行くほど傷ついて帰ってくるんですよ」
── なるほどね……。
「それこそ、何でこの子がモテるわけ?って子がモテたりするから、よけいイライラして帰ってくるわけですよ」
── デフレスパイラルですね……。
「本当に……偶然、予期せぬところでステキな人と知り合えればいいんですけどね」
── そうなるといいなぁ。優香さんみたいな人って浮気とかできない印象ですね」
「したことないです。目の前にいる人を好きすぎちゃうから、同時進行は無理です」
── そうか、浮気のできない人ってそういうメンタリティなんですね。
「好きな人に対して夢中すぎて余裕がないんですよ。だから世の既婚者男性はよくやるな~と。私、なぜか既婚者からのオファは相当あるんですよ(笑)。不倫でも良ければ相当いい気分になれたんじゃないかな。ある種のモテキですよ」
── ですよね~、お誘いはたくさんありそうですもん。
── 怖い~っ!!(笑)
「だから自分から自粛しています。危ないですもん」
── それを相手に言えばいいかもしれない! 撃退法になりますよ。
「はい、言ってます。すると大体みんなサ~っといなくなるんで(笑)、結果モテてないですね(笑)」
── ワハハハ! ところで、これまで付き合った中で最高の男は誰でしたか。
「ん……。部分的に良かった人はいるけど、トータルで良かった人はいなかった気がします」
── イイ男って関係性も入るから難しいですね。
「あ~、でも、あの時の自分がもっと大人で、相手ともっとうまく付き合えるような女性だったら、みんないい男だったのかもしれないです」
── 本当に難しいんですね。では、これから先の話をしましょうか。男性とはどんな関係を築きたいですか。
「本気で愛されてみたいです。でも自分が愛されるわけないって思ってます」
── あ~この言葉でまとめてしまうのもツライですが、自己肯定感が低いとどうしてもそうなるってよく言われるじゃないですか。やっぱりそれなんですね。
「そうですね。自己肯定感は低いと思います」
── 優香さんは自分で思っているより素敵な女性だと思いますよ。これからの優香さんを応援したいです。
「ありがとうございます」
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【林さんから〆のひと言】
★この連載では登場していただける女性を募集しています
林さんに自分の恋愛観・恋愛体験をぜひ語ってみたいというアナタ。簡単な自己紹介文と写真、どんなことを話したいかを添えて下記までメールでご応募くださいませ。お願いするかたには担当よりご連絡させていただきます。
メール宛先/s1209@mb.shufu.co.jp
件名は「美人はスーパーカーである募集」でお願いいたします。
![](https://assets-www.leon.jp/image/2020/03/21042335906336/0/bossa.jpg)
■ BAR BOSSA(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/☎ 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。最新刊「なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか」(旭屋出版)は、林さんが「このお店はすごい! 」と感じた飲食店のオーナーに自らインタビュー取材。繁盛店の秘密に迫ったドラマティックなビジネス書です。