銀座でモテるのは一流の男
ある社長さんは、いつも来ると冗談ばかり言っているけれど、部下やお店のスタッフの様子まで、皆のことをすごく見ているんです。例えば若いホステスが彼氏と喧嘩して、それが少しでも顔色に出ていると、帰りがけにポンと、愛情あふれる言葉をかけてくださる。
ある時は部下を接待して「今日は飲め飲め」って、女の子を部下に付ける。そうするとみんな酔って浮かれて本音も出て来る。そこで、部下の心理状態、実は息子が病気でとか、奥さんと不仲でとか。そんなことまで、さり気なく探ってしまう。接待のお客様だけでなく、部下やスタッフも分け隔てなく実に細やかに気配りされる。そういう方をそばで見ていると、本当にすごいなと思うし、もちろん、そんな男性ならモテますよね。
モテる男は威張らない
中には「俺が俺が」じゃないですが、常に自分が中心じゃないと気が済まないお客様もいらっしゃいます。「俺も夜の銀座で飲めるようになったんだ」と威張りたくなる気持ちもわかりますがが、そういう方は正直モテません(笑)。やっぱり人を大事に思う、周囲に対する思いやりがある人がモテるんです。それが基本です。
とことん威張る男はモテる
モテる男は自慢しない
でもね、普段、自慢も威張りもしない人が、たまに疲れてひとりで来て、ワガママ言うのはいいんです。それは大丈夫。ホステスさんは間違いなく褒め称えますから。素敵!カッコいい~!って。そう言われるために、高いお金を払いに来る人もいます。もちろんそういう使い方があってもいい。それが銀座ですから。
モテる男は自分を落とせる
モテる男は下品と上品の切り替えがうまい
モテる男は準備万端
例えば相手より自分が楽しんじゃうような人は論外ですが、デキるなと思うような人は、たいてい事前に私たちにも接待する人の情報をくれるんです。そうするとこちらも心の準備ができます。例えばタクシー会社の社長さんを接待するって女の子たちに言っておけば、「最近、タクシーってサービス悪いですよね」なんて話は絶対出ない。そうやってお店も味方につけて準備万端にできるような男性は女性から見てもカッコいいしモテると思います。
モテる男は記憶力がすごい
あるいは、私がその人の誕生日にネクタイを贈ったとすると、私と会う時にはちゃんとそのネクタイを付けてくれてるとか。たぶん、いっぱいプレゼントをもらうんでしょうけど、モテる男はそういうところは外さないです。会社に何本ネクタイを置いてるんだろうとは思いますけど(笑)。
モテる男は同性の友情も大切にする
モテる男は余計なことは言わない
モテる男は愚痴を言わない
これはよく講演で話すんですけど、「九州に左遷になっちゃった」って来た人がいて、「私、九州出身だけど、とても楽しくていいところよ」って言ったら「何で俺が九州に行かなきゃいけないんだ~!」って言ってずっと帰らないんですよ。「じゃあバーに行こう」って朝まで飲んで、凄いやけ酒で。懲りずに次の日も来て、その後も何日も来ましたよ!
最後には社長も一緒に店に来て、「君を見込んで九州に行ってもらうんだよ」って言われているのに、「いやだ、絶対に嫌だ」って言い張って。ダメだこの人って思いましたね。左遷されても、辛いことがあってもスッと切り替えて行くくらいの気持ちがないと。復活劇だってありますから。
モテる男は財布が薄い
「今日は僕が」って言うのは、サラっとがカッコいいんです。お財布を出すのが遅い人はダメ。カードだけポケットに入れておくとか、用意しておかないと。デキる人は早いですよ。ごそごそ探したりせずに、すっと出す。これも結構ワザです。それと、お会計でお財布出したとしても、ぺったんこで、きれいな財布じゃないと。領収書でパンパンにしてる人なんて「仕事デキないだろうな~この人」って思っちゃいます(笑)。だって整理できてないんですから。
モテる男は手がきれい
モテる男は趣味が豊富
モテる男は見返りを求めない
普通のお付き合いでも、別れる時に「俺がプレゼントしたもの返せ」とか言う人、いますよね。でも、プレゼントって気持ちですから。見返りを求めちゃいけないし、無理をしてしまうと後が続かない。高価なものじゃなく、その方のことを思って選んだものが一番です。値段じゃなく、気持ちのこもったプレゼントをいただけると、人はうれしいんだと思います。
モテる男はなかなか口説かない
モテる男は我慢強い
白坂亜紀(しらさか・あき)
大分県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。在学中に日本橋の老舗クラブにて勤務。女子大生ママとなる。1996年、銀座5丁目、7丁目に2軒のクラブを開店。その後、競争の激しい銀座でリーマンショック、東日本大震災の危機を乗り越えながら現在「クラブ稲葉」「和食 穂の花」など4店舗を経営。著書に『銀座の流儀—「クラブ稲葉」ママの心得帖―』(時事通信社)、『銀座の秘密—なぜこのクラブのママたちは、超一流であり続けるのか-すご腕女性10人の金言』(中央公論新社)。最新刊はケント・ギルバート氏との共著『銀座の美人ママとダンディ弁護士の粋で鯔背なニッポン論』(ビジネス社)。名刺交換したお客様には必ず翌日お礼のメールやお手紙を送り続け20年以上。現在パソコンには3万人のデータが入っているという。