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2023.05.20

ココリコ・遠藤章造「アホは才能なのか? 技術なのか?」

「子どもの頃から『遠藤やったら仕方ないか』とみんなが言ってくれた」「芸人の世界に入ったら、優秀な先輩や優秀な後輩がイジってくれた」と感謝するココリコの遠藤さん。その才能かもしれない“アホ力”に迫る!

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文・写真/中西正男(芸能記者)

記事提供/東洋経済ONLINE
昨年、コンビ結成30周年を迎えた「ココリコ」の遠藤章造さん(51)。初のエッセイ『吾輩はアホである』を先月上梓するなど、さらに歩みを進めています。「ダウンタウン」ら一流の先輩と過ごす中で気づいた、「一流ではない自分」が示すべきものとは。

エエ歳になってきましたけど、これからもむき出しで生きたい

ココリコ・遠藤章造「アホは才能なのか? 技術なのか?」
去年、30周年だったんです。本来、僕は立ち止まって何かを考えるタイプの人間ではないんですけど、大きな節目ではある。50歳にもなった。子どもも3人いる。そんなことを考えた時に「パパはこうやって生きてきたんだよ」ということを残しておきたい。そんな思いから、皆さんのサポートをいただきながら本を書くことにしたんです。

本を出すとなると、自ずとこれまでの道のりを振り返ることにもなります。そこで改めて痛感したのが、自分はいかに皆さんに支えられてきたのかということでした。そして、そこに対する感謝。行きつくところ、この2つなんやなと。

言葉にすると「普通のことやないか!」となりますけど(笑)、ホンマにそれしかない。それが思いっきり事実なんです。

それと同時に身に染みて思うのが、本当に僕はアホやということです。ホンマにアホやから、子どもの頃から「ま、遠藤やったら仕方ないか」とみんなが言ってくれていたなと。

周りに成立させてもらっている。その時点でひたすらに感謝なんですけど、大前提としてまず感謝すべきは両親。そして、子ども。そこは当然として、親族以外で言うと、やっぱり松本人志さん、浜田雅功さん。「ダウンタウン」のお二人です。

24~25歳の時に「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ)の前説をやらせてもらって、そこで芸人としての“パスポート”をもらったと思っています。

「この田中というヤツと遠藤というヤツは芸人をやっているんです」。それをあらゆる形で知らしめてくださった。そのパスポートがあるから、今も仕事をさせてもらっている。これは間違いのないことです。
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ココリコ・遠藤章造「アホは才能なのか? 技術なのか?」
あと「とんねるず」の木梨憲武さん。昔からお世話になっているんですけど、自分が50歳を超えて「これが人生の楽しみ方なんやな」と心底教わっています。

すごく気を遣われる方で、食事中もどんな若手にもやさしい。「飲んでる?」と自ら動いてお酒を注ぐ。ゴルフに行っても人のクラブを担いで走る。そして、何をしゃべるにしてもネガティブなことをおっしゃらない。そういう一つひとつが周りをハッピーにする。結果、自分もハッピーになる。そういうコツみたいなものがあるんだなと。

先日も、食事をご馳走になって、帰り道でいつものようにお礼のメールをお送りしたんです。ただ、いつもこんな流れが当たり前だと思ってはいけないという自分への戒めも込めて「こんなに有り難いことをしていただけるのは当たり前ではないと思っています」みたいなことを送ったんです。そうしたら、返信メールがあって「いえいえ、当たり前ですよ」と。

一言の向こう側に果てしない奥行きがあるというか。出会ったのも、楽しんでいるのも、全て当たり前。やさしいとか、大きいとか、そんな言葉では足りないことを感じました。

そうやって一流の方にたくさんお世話になってきました。そんな中で一流ではない自分がなぜ30年もやってこられたのか。一つ思うのは、いかにハードルを下げるか。それはあると思います。

僕が20代の頃に島田紳助さんから聞いたんですけど、一番エエのは年間8勝くらいのピッチャーだと。20勝してしまうと、それが当たり前になって18勝でも「おい、どうしたんや」となる。でも、8勝なら6勝になってもクビにはならないし、何かの加減で15勝くらいしたら給料がボーンと上がる。
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ただ、ハードルの高さは自分が決めるものではなく、周りが決めますからね。意図的にこちらが計算してやってもバレますから。“天然”と言っていて計算だったら、もうそこで一気にさめますし。そんなん、芸人の世界では一番バレますしね。

じゃ、そのハードルの高さをどうやってコントロールするのか。僕はホンマにアホやし、それが素の自分なんですけど、アホは才能なのか。技術なのか。そんなことも考えます。

技術と言ったらさめる要素になりますけど、技術じゃないとも言い切れない。ホンマのホンマのアホで無礼なことをたびたびしていたら、可愛がられない。アホやけど“相手にされるアホ”であり続ける。そこじゃないとダメなんですよね。

結局ね、アカンことはしないでおこうと本気で考えて、そのうえでむき出しで生きる。これしかないと思います。そうしていると、この世界では優秀な先輩、優秀な後輩がイジってくれる。それで30年やってこられたんだと思います。

もうだいぶエエ歳になってきましたけど、これからもむき出しで生きる。アホで生きる。それしかないんだろうなと。

ただ、ここからのむき出しはかなり度合いが強くなっていくでしょうけどね。70歳、80歳のむき出しはかなりのものになると思いますけど(笑)、その時にイジってくれる人がいてくれることを願うばかりです。

僕が89歳とかになった時に、それをイジってくれてるのが97歳の浜田さん。そんなことになっていたら、たまらなくありがたいですしね(笑)。まだ見たこともない26歳くらいの若者かもしれないし、それを楽しみにとにかくむき出しで生きる。それしかないことだけはわかっています。

■ 遠藤章造(えんどう・しょうぞう)

1971年7月13日生まれ。大阪府出身。吉本興業所属。小中学校の同級生だった田中直樹とお笑いコンビ「ココリコボンバーズ」を結成、東京吉本のオーディションに合格する。その後「極楽とんぼ」の加藤浩次の勧めで「ココリコ」に改名。日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」、テレビ朝日系「いきなり!黄金伝説。」などで全国区の人気を得る。タレント・千秋と2002年に結婚。女児を授かるが、2007年に離婚する。2015年に一般女性との再婚を発表した。YouTubeチャンネル「ココリコ遠藤のへんなカタチ」も展開中。

吾輩はアホである (ヨシモトブックス)

『吾輩はアホである (ヨシモトブックス)』

自他ともに「アホ」と認めるココリコ・遠藤章造が、その「アホ力」を存分に生かし、ここまで生き延びてきた過程を赤裸々に綴る初のエッセイ本。野球漬けだった少年時代、社会人を経てお笑いを目指した経緯、相方の存在やそうそうたる芸能人の先輩・後輩との交流で学んだことなどを振り返ります。アホって最高! アホって元気になる! 遠藤家のみなさんも大絶賛の一冊!!

遠藤章造・著 ワニブックス 1430円(税込)
※書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

当記事は「東洋経済ONLINE」の提供記事です

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