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2023.07.26

愛されオヤジの趣味はまさかのガンプラ!? 「好きなことをやっていると良いアイデアも湧く」

目まぐるしく時代が変化しているなか、モテるオヤジはどうあるべきか? 過去の価値観にとらわれず、しなやかにしたたかに現代を生き、男女を問わず皆に好かれる「愛されオヤジ」たちをご紹介する本特集。今回は、日本のトップマーケターとして活躍する長瀬次英さんの登場です。

CREDIT :

写真/トヨダリョウ 文/吉田 巌(十万馬力) 編集/岸澤美希(LEON.JP)

【愛されオヤジ03】長瀬次英さん(マーケター)

愛されオヤジは少年の心を忘れない

▲ 長瀬次英さん。インスタグラムの初代日本事業責任者を務めるなど、著名企業のマーケティングを手掛け、現在は独立して幅広い分野で活躍する。
▲ 長瀬次英さん。インスタグラムの初代日本事業責任者を務めるなど、著名企業のマーケティングを手掛け、現在は独立して幅広い分野で活躍する。
モテるオヤジのありようは当然ながら時代によってさまざまです。ジェンダー平等が叫ばれパワハラ&セクハラに厳しい目が向けられる現代にあって、ひとりよがりのアピールはモテないどころか社会的地位さえ危うくしかねません。今求められているのは他者に対する共感と、それを可能にする心のゆとり。それさえ持っていれば、多少突っ込みどころがあろうと(むしろある方が?)皆に愛されるし、結果モテるってもんです。

そんなリアル「愛されオヤジ」たちを紹介していく本特集。今回お話を伺ったのは、マーケター・経営者としてマルチに活躍する長瀬次英さん

仕事を精力的にこなす一方、好奇心の赴くままロードバイクや油彩といった趣味に興じ、ゲーム、ガンプラ作り、昆虫採集など、少年のような遊びにも全力で取り組んでいます。

そんな彼の周りには、常に多くの人が集まり、まさに“愛されオヤジ”の典型と言えるでしょう。どうしたら彼のような生き方ができるのか? インタビューで探ってみました。
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丸1日のオフはないけど、いつでもやりたいことをやる

一般的には、歳を重ねるごとに挑戦より安定を求める人の方が多いもの。そのためか、いくつになっても少年のような好奇心にあふれ、エネルギッシュに過ごしている人には、性別を超えて人を惹きつける魅力があります。

長瀬さんはパラレルキャリアを実践し、多忙な日々を過ごしながら、SNSからは多彩な趣味を楽しんでいる様子が伺えます。いったいいつ遊ぶ時間を作っているのかと尋ねたところ、実はいわゆる休日はほとんどとっていないのだとか。
▲ 長瀬次英さん。インスタグラムの初代日本事業責任者を務めるなど、著名企業のマーケティングを手掛け、現在は独立して幅広い分野で活躍する。
「僕は、その時やらなくちゃいけないこと、やりたいことを細切れにしてやっているんです。パワポの資料作りがキリのいいところまで進んだら、5分筋トレをして、また次のことをする、みたいな感じです。

昔は仕事一筋すぎて精神的にも追い込まれたところもあったので、ちょっと息抜きの仕方に工夫しなくちゃなと思って、今振り返ってみると、当初はあえて仕事中に別のことをする時間を取り入れていたと思います。

それで、ロードバイクに乗ったりとか植物を育てたりとか、子どもの頃から好きだったことを再びやり始めたんです。すると気持ちがすっきりするので、さらに、ガンプラ作りやゲーム、ビックリマンシール集めなど、もともと好きだったことをどんどんやるようになっていきました。今は遊びと仕事が地続きみたいな感じですね。

夏には、夜、家に仲間が来ている時に、思い立ってみんなでカブトムシを採りに行ったこともありますよ。久しぶりにやろうぜ! と、近郊でカブトムシのいる場所を検索して、レンタカーを借りて、ドンキで着替えと網とかを買って(笑)。やりたいことって、気持ちが高まっている時にやるのがやっぱり一番良いと思う」
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ガンプラを作っているとα波がガンガン出る気がする(笑)

ウィークデイに仕事をし、週末にその疲れを取ったり遊んだりするという一般的な感覚からすると斬新な時間の使い方のように感じられますが、長瀬さんは遊びを挟むことで仕事にも好影響がもたらされていると語ります。

「少なくともふたつのメリットがあると思っています。ひとつは、自分自身の気分転換とか、メンタルコントロールの部分で役立ちます。もうひとつは、好きなことをやっている時の方が仕事の良いアイデアが浮かぶことが多いんです。

例えば、好きな音楽をかけながらガンプラを作っていると、いつしか頭がすっきり整理され、クリエイティブな発想がどんどん湧いてくる。そういう時ってリラックスしているから、α波(※)が出まくっているはず」
※心身ともにリラックスした状態の時に出る脳波。心身の健康に好影響を及ぼすとされている。
好きな時に好きなことをして過ごす長瀬さんの自宅には、仕事机のほかにゲーム用の机、ガンプラ、ロードバイク、油彩を立てかけたイーゼル、観葉植物などが各所に置かれています。

「ひとつのことをそんなに長くやらないんです。例えば、僕の部屋には自分で描いた油絵がたくさん掛けてありますが、全部描きかけです。僕の場合、気が向いた時にちょこっとアクセント的に色を加えただけで“あぁ、今日は絵を描いたな”と満足できてしまう。つまり細切れで遊んでいるんですよ。ガンプラだったら、今日は頭のパーツだけ作ってみるか、なんて感じでせいぜい15分程度で済んでしまう。

多分、僕は元々そんなに集中力がないんですね。新入社員として仕事を始めた頃は普通に朝出勤してずっと働いていましたけど、今では仕事も1時間同じことをしていることはまずありません。外資系企業で自由度の高い働き方を知ったことが、今の働き方に影響していますね」
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▲ 制作中の絵画。部屋の中には各所に油絵が飾られている。
▲ 制作中の絵画。部屋の中には各所に油絵が飾られている。
「ただ、集中が続かないのは性分なんだと思います。子どもの頃はよく、落ち着きがないって言われていました。あっちで遊んでいたかと思えば、すぐまた別の場所に行ったりして。それがそのまま今のライフスタイルになってるんでしょうね。好きな仕事だけ引き受けて、いろいろさせてもらって、合間合間に子どもの頃から好きだったことをやっているという毎日ですから。

でも自分としては、仕事も遊びもこれが一番パフォーマンスを出せる方法だと信じています。イヤイヤではなく、やりたいと思った時にガーッと集中してやっているので、資料の出来も、ガンプラのパーツの出来も、悪くないと思うんですよ。

僕のやり方だと進むのはちょっとずつでも、やるべきことは一応みんな頭に入っていて、必ず前進させています。普通は、このタスクが全部終わったらあれをしよう、みたいに考えて、結局まったく手をつけられないものが出てきたりしちゃうと思うんですけど、僕の場合は常に少しずつ触れているので、それぞれ何をどこまでやったか覚えてる。いわば、いろんなものとオンラインの状態というか、アイドリングの状態で生活しているんです」
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無理してカッコつけるより、好きなことをする活力に惹かれる女性は多い!?

長瀬次英 ビックリマンシール
お話を伺うと、長瀬さんの周りに人が集まる理由がよく分かってきます。長瀬さんは、常に好きなことに集中して取り組んでいるから、いつでもポジティブな活力が湧いてくるようです。

「周りの人からは『長瀬さんって心は少年ですよね!』とよく言われます。実際、やっていることや興味のあることは子どもの頃とそんなに変わっていないので、その通りなのかもしれないですけど。

僕の周りの人たちが僕の趣味や生き方をポジティブに捉えてくれている状況に対して、マーケターとしては人々の価値観、特に女性の価値観が変わってきているなぁ、と感じています。それは、単純に『ガンプラを作ればモテる!』とかいう意味ではなくて、オトコの趣味を認めてくれる人が増えてきた、ということです。

昔はお洒落なスーツを着て、仕事も遊びもスマートにこなすオトナがモテるとされていた。カッコいいオヤジ像みたいなのが作られすぎていて、だからオトコもカッコつけようと頑張っていたんです。

でも、今の女性の多くは、オトコのいろんな趣味を許容してくれるように思います。それも、母性本能がくすぐられる云々ではなく、純粋に、趣味をもって楽しく生きている男性って素敵かも、なんて思ってくれるようになってる。

昼間はサーフィンをして、夜はバーで働く、みたいな生き方を理解してくれる女性も多くなってきた。そもそも女性にもそういう自由な生き方を選択する人が出てきていますよね。

ちなみに、僕の家は2階を治療院として貸している関係で、女性の芸能人もよく訪れるんです。彼女たちはたまに、僕の部屋に置いてあるガンプラやロードバイクなんかを眺めて、いいねとか、うちの旦那もやればいいのに、なんて言ってくれる。こんなことも昔じゃ考えられなかったと思っています」
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誰しも、好きなことをしていると生き生き輝ける

▲ 長瀬次英さん。インスタグラムの初代日本事業責任者を務めるなど、著名企業のマーケティングを手掛け、現在は独立して幅広い分野で活躍する。
マーケターの肌感覚から、女性や社会の変化も語ってくれた長瀬さん。今更趣味をもつことに躊躇いのある大人の背中を押します。

「これは僕の持論ですが、子どもの頃に夢中になった遊びって、メンタル的にもフィジカル的にも良いことだらけだと思うんですよ。自転車に乗れば身体を動かせるし、ゲームやガンプラは指を使うからボケ防止にもなっていると思う(笑)。だから、大人がやったって悪いことなんてひとつもない。

昔は、ゲーム=オタクの遊びみたいに思われていたかもしれないけど、今ではeスポーツというジャンルができたりして、ずいぶんと健康的なイメージになってきた気がします。

大人の場合、気持ちをリフレッシュするために、お酒を飲みに行くのも良いとは思うけど、二日酔いになれば仕事にも支障が出るし、トータルでは効率がそんなに良くないと思う。そう考えると、ガンプラ作りなんて最高の息抜きですよ」

長瀬さんの好きな物事に取り組む姿勢は、大人に純粋な好奇心を思い出させてくれます。

「ちゃんとした大人になるため、あるいは女性にモテたいため、昔好きだったことや興味を捨ててしまった人って多いと思います。でも、もし仕事や人生に行き詰まっていたら、そういうことをもう一度やってみたらいいんじゃないでしょうか。

知人の中には僕の家に遊びに来て刺激されたのか、子どもの頃に好きだった趣味や遊びを再びやり始めた人がけっこういるんですが、皆さん生き生きとしていますよ」
▲ 長瀬次英さん。インスタグラムの初代日本事業責任者を務めるなど、著名企業のマーケティングを手掛け、現在は独立して幅広い分野で活躍する。

● 長瀬次英(ながせ・つぐひで)

1976年 京都府生まれ。中央大学を卒業後、通信事業者大手のKDD(現KDDI)に入社。その後、外資系広告代理店最大手のJ. Walter Thompsonジャパン、外資系消費財メーカー世界最大手のUnilever ジャパン&Unileverオーストラリア、外資美容系MLMメーカー最大手のNuSkinジャパンにてブランドの戦略構築、マーケティングや新商品/新規事業開発を手がける。さらに、世界最大のSNS事業会社のFacebookジャパン(現Meta)に参画し、フェイスブックのマネタイズ事業を立ち上げ、2014年にはInstagramの初代日本代表事業責任者に就任。その後、外資系コスメ事業会社世界最大手のロレアル・ジャパンで初代CDO(最高デジタル責任者)に就任し、日本初のCDOとして本役職の普及に努める。グローバルの団体CDO Clubにて世界で12番目の「CDO of the Year 2017」を受賞、世界規模のイベント「AdTech」の東京にて「ベストスピーカー」史上初2年連続1位など受賞。「非認知能力」を提唱し、その能力を育む団体や、最新の医療ビジネスのスタートアップの顧問をするなど、様々な業態や事業に参画し日本のDXを牽引。また、女性の美と健康をサポートするウエルネス事業を手掛ける会社「WellnessMe」を元テレビ東京のアナウンサー森本智子氏と立ち上げるなど新たなビジネスの可能性と働き方に挑んでいる。
Instagram/293gram 
Twitter/@239tweet
※ともにDM可。

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