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2024.04.14

【第27回】中条あやみ(女優)前編

妄想にもほどがある! どうやったら中条あやみに逆プロポーズされるのか!?

世のオヤジを代表して作家の樋口毅宏さんが時代の先端を走る女神たちに接近遭遇! 今回のゲストは、女優の中条あやみさんです。映画『あまろっく』で歳の差45歳(役のうえで)の笑福亭鶴瓶さん演じる竜太郎と結婚するという、ありえない設定に樋口さんも興奮気味です(笑)。

CREDIT :

文/井上真規子 写真/トヨダリョウ スタイリング/藤井希恵(THYMON Inc.)(中条) ヘアメイク/加勢 翼(中条) 編集/森本 泉(Web LEON)

中条あやみ
『さらば雑司が谷』『タモリ論』などの著書で知られる作家の樋口毅宏さんが、時代の先端を走る女神たちの魅力に迫る連載対談企画「樋口毅宏の手玉にとられたい!」。

今回のゲストは、雑誌、ドラマ、映画、CMと年々活躍の幅を広げる人気女優、中条あやみさん。雑誌『Seventeen』の専属モデルから2012年に女優デビュー、映画『チア☆ダン』では第41回日本アカデミー賞 新人俳優賞も受賞。最近ではドラマ&映画『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』で若手研修医を演じ、注目を集めています。そんな中条さんが主演する最新映画『あまろっく』が4月19日より全国公開されるということで、樋口さんが撮影秘話からプライベートなお話まで色々と伺ってきました!
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「江口さんを娘のように思っている自分がいた」(中条)

樋口毅宏さん(以下、樋口) 本日は、よろしくお願いいたします。最近テレビで、中条さんのことを見ない日がないなと思っていたら「2023年~2024年の年末年始 TV-CM放送回数ランキング」で1位になられたんですよね!

中条あやみさん(以下、中条) そうなんです。私もニュースで見たのですが、すごいって思いました。学校のかけっことか、いつも1位が取れないタイプの人間だったのですごくうれしかったです(笑)。

樋口 アハハ(笑)。CMでは、お父さん役の豊川悦司さんや國村隼さんと共演されてますよね。豊川さんは61歳、國村さんは68歳ですが、今回の映画『あまろっく』では、中条さん(近松早希役)が、72歳の鶴瓶さん(近松竜太郎役)と結婚するという設定で驚きました。今までのお父さんたちより、10個以上も上じゃないか! っていう(笑)。

中条 確かにそうですね!
中条あやみ
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樋口 早希は20歳、竜太郎は65歳という設定ですが、鶴瓶さんと結婚するって聞いた時はどう思いましたか?

中条 これだけ年の差があっても結婚したいと思うものなのかな? って考えました。でも竜太郎さん=
鶴瓶さんに対して年の差を感じてしまったら映画が成り立たないと思ったので、年齢を超えた感情みたいなものが抱けたらなって思っていました。そういう意味で、今作はファンタジー要素もあるかもしれないです。

樋口 実際に演じていくうち、主人公の気持ちや役にのめり込んでいったりするようなことはありましたか?

中条 竜太郎さんには優子ちゃん(江口のりこさん)という39歳の娘がいて、いきなり年上の娘ができたら自分は受け入れられるのかな? とも考えました。でも鶴瓶さんや江口さん、みんなと一緒に過ごすうちに、早希ちゃんの暗い過去を忘れさせてくれた竜太郎さんの存在がすごく素敵だなと思うようになって。不思議と竜太郎さんが私の旦那さんで、優子ちゃんが私の娘のような気持ちになってきたんです。

樋口 それは、素敵ですね。
中条 カメラが回ってない瞬間も、優子ちゃんを演じる江口さんに対してちょっとお節介になったりして、娘のように思ってる自分がいるなって思ってました。

樋口 今回、中条さん、鶴瓶さん、江口さんと皆さん関西出身だから、やり取りも違和感なくできたんだろうなって思います。

中条 そこは(中村和宏)監督のこだわりだったみたいです。ナチュラルに関西弁で話せる方がいいっておっしゃっていました。
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中条あやみ

「関西弁のツッコミは優しさです」(中条)

樋口 関西弁っていいですよね。

中条 関西弁で話すと、標準語とはまたちょっと違う独特のファミリー感みたいなものを感じますね。相手との距離が一気に近くなれるというか。街で買い物していて初めて会った人に「おっちゃん」「おばちゃん」って気楽に呼べたりするのも、関西弁だからなんだろうなって思います。

樋口 そう思います。僕は東京生まれ東京育ちですが、年を追っていくうちに東京でもテレビから関西弁がいっぱい溢れてきて、日常会話でも関西弁が自然と出てくるようになったんです。多分、東京人の話す関西弁って、大阪出身の人からしたらムカっとくると思うんですけど(笑)。

中条 アハハ(笑)、エセ関西弁。

樋口 そうそう。東京の人間同士なのに、相手が変なこと言ったら思わず「ほんまか!」「なんでやねん!」とか言っちゃうんです。絶対発音がおかしいってわかっていても「それでいいんじゃない、知らんけど」とか言ったり。
中条 関西弁って、きっと使いやすいんですよね。ツッコミは優しさに聞こえるし、アフターフォローのワードも多いなって思います。相づち用の言語ですよね。

樋口 本当にそうなんですよ。でもよく大阪の男の人は、同じ大阪弁を話す女の人はきつくて嫌がるって聞くんですけど、実際そういうものですか? 僕からすると、可愛いな〜って思うんですけど。

中条 場所によるかもしれないです。大阪の中でも関西弁が強い地域があるんですけど、そこは同じ大阪人でもちょっと怖いなって思います。あと京都や神戸の人も、大阪弁はすごいきついって思ってるんですよね。ひと言で関西弁と言っても、地域によって全然違うんです。ちょっとしたニュアンスではあるんですけど。

樋口 そうなんですね。今作でも関西弁で、おかしみだとか、独特のユーモア、人情がすごく感じられてよかったです。
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中条あやみ

「一人ひとりの感情にこれだけ寄り添った脚本って見たことがなかった」(中条)

樋口 後半はとにかく怒涛の展開で、こんなこと起こるんだ! って度肝を抜かれました。中条さんも、脚本を渡されて驚かれたんじゃないですか?

中条 脚本を最初に読んだ時は、早希ちゃんや竜太郎さん、いろんな人物の目線で物語を描きながら、それらが一つにまとまって終わりに向かっていく感じが素晴らしいなと思いました。登場人物一人ひとりの感情にこれだけ寄り添った脚本って見たことがなかったし、すごくリアルだと思ったんです。だからはじめ、何人かで脚本を書いたのかなって思いました。

樋口 そうなんですね!

中条 監督に聞いたら、7年ぐらいかけて温めて描いたっておっしゃっていて。すごく監督の思いが詰まった作品ということが伝わってきて、ぜひやらせていただきたいと思いました。あとこの物語が、台風の時にニュースで見た「尼ロック」(尼崎閘門)から来ているのも面白いなって。そういう目線で家族の物語を描くって、なかなかないですよね。

樋口 僕は今回初めて「尼ロック」を知りましたが、兵庫県一体を守る水門であり、今作では市民を守ってくれる心の拠り所の象徴として描かれています。それが竜太郎に重なって、早希や優子にも浸透していくところが、うまい構成になっているなって思って見ていました。撮影はどんな感じだったんですか?

中条 監督は、自由にやってみてっていうスタンスでした。撮影はセットではなく本当のお家をお借りして、撮影の合間もそこで鶴瓶さんや江口さんたちとずっと寛いでいたので、家族のイメージがすごく湧きやすかったです。映画の中で、早希ちゃんが竜太郎さんに定食屋さんでプロポーズするシーンがあるんですけど、休憩時間はその定食屋にみんなで行ってご飯食べたりしてましたね。
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中条あやみ
樋口 確かに、食事のシーンが多かったですね。

中条 はい。今回の撮影で、ご飯を一緒に食べることってすごく大事で、心が通う瞬間だなって改めて思いました。

樋口 コロナ禍はできなかったですしね。それは映画からもすごく伝わってきました。それにしても「どうやったら中条さんに逆プロポーズされるのか⁉」って見ていて思ってました。あ、僕はそんな身分不相応なことは言わないですよ、虫ケラですから。LEONオヤジ代表として何かアドバイスをいただけないかなと……。
中条 虫ケラ⁉(爆笑) もう十分素敵ですよ。鶴瓶さんと同じ福耳を持ってらっしゃるし、すごく気持ちに寄り添ってくださるじゃないですか。

樋口 もったいないお言葉です。見せかけだって妻に言われます。ああ、今日はよく寝れそうです。

中条 アハハ(笑)。でもやっぱり思いやりって、長く一緒にいるうえですごく大切なことだなって思います。その時はなかなか気づけないものですから。

後編につづきます。
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中条あやみ(なかじょう・あやみ)

● 中条あやみ(なかじょう・あやみ)

1997年生まれ、大阪府出身。14歳で芸能界に入り、2011年に「ミスセブンティーン」グランプリに選ばれる。翌年、TBSドラマ「黒の女教師」('12)で俳優デビュー。2014年には『劇場版 零 ゼロ』('14/安里麻里監督)にて映画初主演を務め、『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』('17)、『覆面系ノイズ』('17)、『3D彼女 リアルガール』('18)、『ニセコイ』('18)、『雪の華』('19)、『水上のフライト』('20)、『劇場版 TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』('23)、『ある閉ざされた雪の山荘で』(24)など数多くの映画に出演。バラエティ番組やCMへの出演も多く、ドラマ「白衣の戦士!」('19/NTV)、「閻魔堂沙羅の推理奇譚」('20/NHK)、「君と世界が終わる日に」('21/NTV)などにも出演。
SNS/Instagram

樋口毅宏(ひぐち・たけひろ)

● 樋口毅宏(ひぐち・たけひろ)

1971年、東京都豊島区雑司が谷生まれ。出版社勤務の後、2009年『さらば雑司ケ谷』で作家デビュー。11年『民宿雪国』で第24回山本周五郎賞候補および第2回山田風太郎賞候補、12年『テロルのすべて』で第14回大藪春彦賞候補に。著書に『日本のセックス』『二十五の瞳』『愛される資格』『東京パパ友ラブストーリー』『大江千里と渡辺美里って結婚するんだとばかり思ってた』など。妻は弁護士でタレントの三輪記子さん。最新刊『無法の世界』(KADOKAWA)が好評発売中。カバーイラストは江口寿史さん。現在雑誌『LEON』で連載小説「クワトロ・フォルマッジ-四人の殺し屋-」を執筆中。
SNS/公式X

あまろっく 4月12日より兵庫県先行、4月19日より全国公開。

『あまろっく』

巨大な閘門”尼ロック”によって水害から守られている街・尼崎。理不尽なリストラで失業し、この街に戻ってきた39歳の近松優子(江口のりこ)はニートのような日々を送っていた。ある日、「人生に起こることはなんでも楽しまな」が口グセの能天気な父(笑福亭鶴瓶)が突然、再婚すると言い出し、20歳の早希(中条あやみ)を連れてきた! 家族だんらんを夢見る早希と、自分よりずっと年下の“母”の登場に戸惑う優子の共同生活は噛み合うはずもなく、一家は騒動の連続。しかし、ある悲劇が近松家を襲い、優子はこれまでの人生を振り返り、家族の“本当の姿”に気づいていく。監督/中村和宏。他に出演は松尾諭、中村ゆり、中林大樹、駿河太郎、久保田磨希、高畑淳子、佐川満男ほか。4月12日より兵庫県先行、4月19日より全国公開。
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©︎2024映画「あまろっく」製作委員会
HP/映画『あまろっく』公式サイト

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