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2024.05.16

小関裕太「直感を大切にするタイプなので、ひと目惚れの経験は何度かあります」

5月16日(木)に開幕するミュージカル『ロミオ&ジュリエット』でロミオ役を演じる小関裕太さん。ロミオにとっての恋の意味とは、彼はなぜ死ななければならなかったのか。自らの恋愛観とともに小関さんが分析します。

CREDIT :

文/長谷川あや 写真/内田裕介(タイズブリック) スタイリング/能城匠 ヘアメイク/Emiy(エミー) 編集/森本 泉(Web LEON) 

小関裕太 WebLEON  ロミオ&ジュリエット
『大奥』や『不適切にもほどがある!』をはじめ話題のドラマや映画に引っ張りだこの小関裕太さん。29歳の誕生日を迎える6月8日(土)にはフォトグラファーとして初の作品集を発売、5月16日(木)に開幕するミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ではタイトルロールのロミオ役を演じるなど、今、注目の俳優のひとりです。そんな小関さんに30代を間近にした今の思い、現在、絶賛稽古中のロミオ役について、お話を伺いました。
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ロミオと同じで10代の頃はいろいろなことに反発したかった

── Web LEONです。今日はよろしくお願いいたします!

小関裕太さん(以下、小関) LEONって、あのLEONですよね(笑)?

── 多分、そのLEONです(笑)。

小関 先日、「王様のブランチ」のロケの時、電話中のジローラモさんとすれ違ったんですよ!

── (笑)。そうでしたか! イタリアといえば愛の国。ジローさんも愛に生きる男ですが、小関さんも今回、イタリアを舞台にしたシェイクスピアの恋愛悲劇『ロミオ&ジュリエット』でロミオを演じられます。どんな経緯で役が決まったのですか?
小関裕太 WebLEON  ロミオ&ジュリエット
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小関 実はこの作品のことを知る少し前に、ある舞台で、蜷川幸雄さん演出のシェイクスピア作品に数多く出演されてきた俳優さんとご一緒させていただいたんです。いろいろお話を伺ってシェイクスピア作品への関心が高まっていた、ドンピシャのタイミングで『ロミオ&ジュリエット』のオーディションの話を伺い、運命的なものを感じ、「このチャンスを逃したくない!」と思い挑戦しました。

── 念願のロミオ役、実際に演じてみていかがでしょう?

小関 稽古で演じてみて、運命について考えさせられる作品だなと強く感じました。誰もが結末を知っている、非常に有名な物語ですが、ロミオが「死」に導かれた要因はひとつではなく、友達や親など、ロミオを取り巻くすべての人が関係しているのではないかと僕は思っていて。ロミオはどこで不穏な未来を予感したのか、あるいはしなかったのか。それとも、「死」がロミオを引き寄せたのかなど、いろいろなことを考えます。
小関裕太 WebLEON  ロミオ&ジュリエット
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── 今まで世界中で、さまざまな俳優が演じてきたロミオというキャラクターについてはどうとらえていますか。

小関 真面目な部分があるけれど、真面目と言われるのがイヤなタイプなんだろうなと考えています。家柄や親に縛られるのが嫌で、マーキューシオやベンヴォーリオなど、ちょっとくだけた仲間たちとの時間を大切にしています。そして、いろいろなことに反発したい年頃でもあります。

── 小関さんもそうでしたか(笑)?

小関 10代の頃はそうでした(笑)。僕、ロミオが仲間を大切にするのは、反発心の現れだとも思うんです。そして、ロミオは女の子と遊んだことはあっても本気の恋愛はしたことがないのではないかな。

── というと?

小関 ロミオは家柄も良く、これまでの人生、常に周囲から求められてきたはずです。でも、はたして彼自身が求められていたのか、ロミオ自身も疑問を感じていると思うんです。また、彼自身が本気で誰かを求めたことはこれまでなかったのではないかなと。

だからこそ、自分は一生、本気の恋愛ができないのではと不安に感じているのではないかと考えていて。そんな彼がジュリエットと出会い、本気の恋に落ちたことが彼を死に導いた──、そんなところを大切に、ロミオという役柄に向き合っています。作品が持つ皮肉さを含め、自分らしくロミオというキャラクターを表現したいですね。
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小関裕太 WebLEON  ロミオ&ジュリエット
── ひと目惚れをして、一気に激しい恋に落ちていく感覚、小関さんは共感できますか。

小関 ひと目惚れ、理解できますよ! 僕も直感を大切にするタイプなので、何かにひと目惚れするという経験はあります。

── この『ロミオ&ジュリエット』はミュージカル版です。ロミオ役はたくさんの楽曲を歌いますよね?

小関 そうなんですよ! ミュージカルにはこれまでも何度か出演していますが、17曲もの楽曲を歌うのは今回が初めてです。クラシカル調のものなど、これまで僕が触れてこなかったジャンルの楽曲もあり、僕にとっては新たな挑戦で、今、必死で練習しています。稽古では、11時から20時くらいまで歌い続けているので、家では氷をなめるなど、喉のケアを心がけるようにしています。
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「小関はこういうこともできるんだ!」というところを見せていきたい

── 今回、ロミオ役は岡宮来夢さんとのWキャストでの上演となりますが、Wキャストの存在はやはり気になるものだったりしますか?

小関 来夢くんは今、別の舞台の公演中で、稽古場にロミオ役は僕ひとりなんです。だから、「わからない」というのが正直なところですが、来夢くんはとても器用だし覚えも早いので、準備稽古の段階では僕のほうが頼ることが多かったかな(笑)。

ただ、歌稽古の時は、ほぼ毎日、一緒でした。来夢くんと僕は、声質がぜんぜん違うんです。彼は包み込むような男性ボイスで、僕は割と細い系の声なので、それだけでもキャラクターが違って見えるのではないでしょうか。
小関裕太 WebLEON  ロミオ&ジュリエット
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── ジュリエット役も、吉柳咲良さんと奥田いろはさんのWキャストですね。相手役が2人いるというのはどうなんでしょう?

小関 ふたりともバックボーンも声質もソウルも違うので、同じセリフや歌、動きでも、まったく別のジュリエットになっています。なので、必然的に相手役である僕の芝居も変わってくるし、変えなきゃいけないとも思っています。

── 改めて、小関さんが考える、今回のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の見どころを教えてください。

小関 今回、ミュージカル版としては6回目の上演になりますが、新国立劇場で上演するのは初めてなので、新たに作り直している場面もあれば、俳優によって振りを変えている部分もあります。大まかな動きや楽曲は変わりませんが、これまでのバージョンをご覧になった方も、新たな視点で楽しんでもらえるのではないでしょうか。

あと、ダンスメンバーのクオリティの高さが本当にすごいんです! パワーがあり、しなやかさもあって、毎日、圧倒されています。ぜひそのあたりにも注目してもらいたいです。ダンスメンバーには、子どもの頃、同じタップダンスの教室に通っていた人もいるんです。時間をおいて、こういったかたちで再会できた奇跡に感動しました。
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小関裕太 WebLEON  ロミオ&ジュリエット
── 小関さんも躍りますか?

小関 はい、「小関はこういうこともできるんだ!」というところを見せていきたいです。そもそもセットを上り下りしながら歌うだけでも、ジムで汗を流しているような感覚です(笑)。演じていて爽快感があります。

丁寧さの象徴、ハンカチを持ち歩く大人になりたい

── 小関さん自身のことをもう少し聞かせてください。子役としてデビューした小関さんですが、俳優という仕事で生きていこうと決めたのは、いつ、どんなきっかけだったのでしょう?

小関 初主演舞台を経験した、19歳の時です。

── 即答ですね(笑)。

小関 はい、強く印象に残っています。こういう表現がしたいという思いはあるのに、技術がついていかないことが悔しくて、どうにかこの状況を乗り越えたい、乗り越えた先の自分に出会いたいと思いました。当時は、音楽やダンスなど、さまざまなことに興味がありましたが、まずは芝居を極めようと自分の中で決めたのがこの時でした。

趣味の写真を始めたのもこの頃です。基本的には感覚人間なのですが、苦手なものは克服したいという負けず嫌いな部分もあり、もっと若い頃は、興味の幅が広く、散漫していましたが、最近はやりたいことと、やるべきことが重なってきた感覚があります。こんな感じで、人生を充実させていきたいです(笑)。
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小関裕太 WebLEON  ロミオ&ジュリエット
── Web LEONのインタビューでは、みなさんにお聞きしているのですが、小関さんが考える、「カッコいい大人」像を教えてください。

小関 20歳を迎えた頃、ふと「ハンカチを持ち歩く大人になりたい」と思いました。その価値観は今も変わりません。僕、ハンカチって、丁寧さの象徴だと思うんです。洗濯して、きれいにたたんで、収納して、また出して。けっこう面倒くさいじゃないですか。そこをきちんとできるきめ細やかさは、他のことにも間違いなく通じます。嗜みに時間をさける30代、余裕がある大人でありたいです。
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小関裕太 WebLEON  ロミオ&ジュリエット

● 小関裕太(こせき・ゆうた)

子役として芸能活動をスタート。その後、ミュージカルや舞台、様々のドラマや映画に出演。最近の出演作はドラマ「不適切にもほどがある!」「大奥」「癒やしのお隣さんには秘密がある」「来世ではちゃんとします」、ミュージカル『四月は君の嘘』、舞台『ジャンヌ・ダルク』『キングダム』など。29歳の誕生日を迎える6月8日(土)には、フォトグラファーとして初の作品集「LIKES」を発売。6月24日(月)から30日(日)まで、東京・恵比寿のオーツーギャラリーで写真展を開催する。
HP/小関裕太 | アミューズWEBサイト

■ ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』

2001年にフランスで初演され、世界20カ国以上で600万人以上を動員したメガヒットミュージカル。日本では、2010年に小池修一郎の演出により宝塚歌劇団によって初演された。その後、2011年に男女混在のキャストによる“日本オリジナルバージョン”が誕生。さらに2017年には演出が一新された。今回の公演は、2021年以来3年ぶり6度目の上演となる。過去5回の公演では、城田優、山崎育三郎、柿澤勇人、古川雄大などがロミオ役を、木下晴香、生田絵梨花、葵わかななどがジュリエット役を演じている。

【東京公演】2024年5月16日(木)~6月10日(月)新国立劇場 中劇場
【愛知公演】2024年6月22日(土)・23日(日)刈谷市総合文化センター 
【大阪公演】2024年7月3日(水)~7月15日(月・祝)梅田芸術劇場メインホール 
HP/https://www.rj-2024.com/

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