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2024.06.01

オールブラックスの司令塔ボーデン・バレット選手が華麗なるラグビー人生で大切にしてきたこと

世界最高峰のラグビーチーム「オールブラックス」の司令塔として123の代表キャップを誇り、正確なプレーと甘いマスクで世界中のラグビーファンに深く愛されてきたボーデン・バレット選手。彼はラグビーに何を求め、どんな思いでプレーしてきたのでしょう。

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文/安岡将文 写真/トヨダリョウ 編集/森本 泉(Web LEON)

ボーデン・バレット WebLEON
世界最高峰のラグビーチーム、ニュージーランド代表「オールブラックス」の司令塔として123の代表キャップを誇り、3度のワールドカップに出場。2016年、2017年に2年連続でワールドラグビー最優秀選手賞を受賞するなど華麗なるラグビーキャリアを積んで来たボーデン・バレット選手。2020年7月からは日本のサントリーサンゴリアス、その後トヨタヴェルブリッツにも所属し、正確なプレーと甘いマスクで国内のラグビーファンにも深く愛されてきました。彼はラグビーに何を求め、どんな思いでプレーしてきたのでしょう。「REPLAY」のアンバサダーも務めるボーデン選手にお気に入りのお洒落についても話を伺いました。
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憧れを抱いた少年が、世界トッププレイヤーに

── 2019年のワールドカップ日本大会以降、日本でもラグビー人気が随分と高まりました。ニュージーランドはその本場ですが、ニュージーランドの人々にとってラグビーとはどんな存在なのでしょうか。

ボーデン・バレットさん(以下、バレット) いわばDNAの一部と言っても良いでしょう。国技だからというのもありますが、例えば国内の試合には多くのボランティアが参加し、ゲームを共に作り上げています。生活の一部になっているんです。そして親から子へと受け継がれてゆきます。私自身も父がラグビー選手であり、その姿を子どもの頃からずっと見て、憧れていましたから。

── 日本でのプレーを経て、来季はオールブラックスへの復帰を念頭にニュージーランドに戻ってプレーすることになりました。やはりオールブラックスでプレーすることには特別な意味があるのでしょうか。

バレット オールブラックスは、非常に特別な存在です。僕にとっても、そしてニュージーランドの人々にとっても。子どもの頃、朝の4時からスタートするワールドカップでの南アフリカ戦を家族で観戦したことを覚えています。
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── 小さな子どもがその時間に起きて観戦するほど、熱狂的なんですね。

バレット その頃から、オールブラックスへの強い憧れを抱いて来ました。父がラグビー選手としてオールブラックスの選手達とプレーする姿を見て、ヒーローは実在するんだと感動したのを覚えています。

── 以前所属していた時と今回では、その心持ちに変化はありますか?

バレット 以前はまだプロフェッショナルとして未熟だったと思います。年齢も若く、チャレンジする立場といったところでしょうか。しかし、年齢や経験を重ねた今回は、チームを引っ張る立場になります。より責任が増え、プレッシャーも感じています。これまで以上に高いレベルが要求されるでしょうからね。プレーによって、自分のポジションをしっかりと示してゆく必要があると思います。
── 兄弟3人が揃ってオールブラックス※というのは、どんな気持ちですか?

バレット 私にとって、これはかなり重要なことです。前回のワールドカップで敗戦した際に、まだ自分は終わりではない、やり残したことが沢山あると感じていました。オールブラックスに復帰し、再び頂点を目指して戦ってゆくわけですが、兄弟の存在はとても心強いです。
※バレット選手は8人兄弟だが弟のスコットとジョーディーもラグビー選手でオールブラックスに選出された経験を持つ。2019年のワールドカップ日本大会では史上初の「3兄弟スタメン&全員トライ」を達成した。
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日本への思い、そしてファッションへの思い

── 日本のチームに参加してのプレーは、ボーデンさんにどんな影響を与えましたか?

バレット 日本にはピーターステフ・デュトイ※をはじめ、世界中から優秀な選手が集まっています。様々な国の選手とプレーできたことで、今まで経験したことがないスタイルを学ぶことができました。これは、大きな収穫でしたね。

── 確かに、世界各国の有力な選手達と日常的にプレーできるのは貴重ですよね。

バレット それと、日本のラグビーはスピーディで正確。これも、オールブラックスで活かせることだと思います。ニュージーランドでずっとプレーしていたら、こうした学びは得られなかったでしょう。

また、ファンの方々の応援する姿勢に感銘を受けました。ミスをした時にヤジを飛ばす人はいなく、常にチームに対して忠実に応援してくれました。ただ、今年は怪我もあり十分なプレーで応えることができなかったので、悔いが残っていますが。
※ラグビー南アフリカ共和国代表 (スプリングボクス)として2019年ラグビーワールドカップ日本大会において優勝に貢献した。
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── 日本での滞在で思い出に残っていることはありますか?

バレット 2つのチームに所属しましたが、1つ目はコロナ禍で外出やチームメイトとの交流がままなりませんでした。2つ目の時は外出も可能になり、チームメイトとビールを飲みに行ったりしましたよ。休みの日には家族と色々なところへ出かけましたし。日本の田舎の景色がとても印象に残っています。美しい自然を、また見に戻って来たいと思っています。

── バレットさんが自身の人生において大切にしてきたのはどんなことでしょう?

バレット 広い視野を持ち、バランス感を意識することです。ラグビーに打ち込むと同時に、家族の時間も大切にしたいですから。家族と充実した時間を過ごすことは、ラグビーのモチベーションにもつながります。そのために、しっかりとプランを立てます。日本でプレーすることも、子どもたちの人生において素晴らしい経験になるだろうと考えていました。もし再びニュージーランド以外の国でプレーすることになれば、子ども達もまた一緒に行くことでしょう。
── 本日着用されているのは「REPLAY」のウエアですね。同ブランドはオールブラックスをスポンサードし、またバレットさん自身もアンバサダーを務められていますが、どんなブランドだと思いますか?

バレット ひと言で言うと、とても楽しい提案をするブランドだと思っています。前々回のワールドカップの際にフランスで「REPLAY」のイベントが行われたのですが、本当に色々な方々が集まっていました。それだけ、人を惹きつけるブランドということでしょう。

── バレットさんは、ファッションにどんなこだわりが?

バレット 実は私は8人の兄弟と共に田舎の農場で育ったので、正直ファッションには疎いんです。こんなクオリティの高い服を着られるようになったのは、プロのラグビー選手になってからなんですよ(笑)。個人的にはシンプルなデザインの服が好きですね。それからもちろん、着心地の良いものが。
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さらなる活躍のために、何を大切にするべきか

── 笑顔が素敵なバレット選手は女性人気も高いですが、何歳になっても素敵なオトコでいるためには何が必要だと思いますか?

バレット まずは健康であること。そのためには規則正しいライフサイクルが必要です。カラダが整っていれば、自然と気持ちも健やかになります。それはやがて自信につながり、人生を前向きに考えられるようになるはずです。そして、リプレイの服でオシャレすることも(笑)。

── 最後に、オールブラックスとは切っても切れない「ハカ」について教えてください。

バレット オールブラックスが披露する「ハカ」は、単なるパフォーマンスではなく、ニュージーランドの伝統でありプライドです。「ハカ」は、地域や部族によって異なります。ニュージーランドには、「ハカ」の大会もあるんですよ。ただし、ニュージランド全体で見れば、やはりオールブラックスの「ハカ」が最も有名で最も親しみのあるものでしょう。

そのオールブラックスの「ハカ」にも、色んな種類があります。試合前にはYouTubeなどでチェックし、対戦相手や試合をする場所によって決めています。ラグビーの練習時に、「ハカ」の練習をすることもありますよ。私がオールブラックスでプレーする際は、それもぜひ見てくださいね。
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● ボーデン・バレット

1991年ニュージランドのタラナキ地方に8人兄弟の次男として生まれる。父も地元では有名なラグビー選手だった。幼少期よりラグビーを始め2010年に州代表選手権デビュー。2012年にはニュージーランド代表チーム・オールブラックスで初キャップを獲得し、2015年のワールドカップでは優勝を果たす。2016年、2017年にはワールドラグビー最優秀選手賞に輝く。2021年からは日本のサントリーサンゴリアス、その後トヨタヴェルブリッツでプレーし、来季よりニュージーランドに戻ってプレー。2027年のオーストラリアで行われるラグビーワールドカップを目指しオールブラックス復帰が決まっている。

■ REPLAY901コレクション

90年代に展開していたモデル「9zero1」をベースに再構築したコレクション。ハイウエスト、ストレートシルエット、ワイドボディなど、当時を想起させるデザインは、懐かしくもあり新鮮。バレット選手もそのキャンペーンに登場しています。「90年代はまだ僕が生まれて間もないので記憶がありませんが(笑)、でもとてもクールですね」とのこと。

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