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2025.03.21

第4回 有森也実 【vol.03】

美しい人、有森也実。「私が涙が出そうになるぐらい美しいと思うことは……」

大人の女性の美しさに迫るグラビア連載「美しい人」。第4回目に登場いただくのは有森也実さんです。「東京ラブストーリー」の関口さとみ役で大きな話題になった後も、イメージに囚われることなく様々な役に挑戦して表現者であることにこだわり続けてきた有森さん。ますます情熱溢れる有森さんの「美」の秘密とは? そのvol.03です。

CREDIT :

文/渡辺朋子 写真/野口貴司 スタイリング/佐伯敦子 ヘアメイク/福沢京子 編集/森本 泉(Web LEON) プロデュース/Kaori Oguri

有森也実 美しい人 WebLEON

表現者であることにこだわり続ける有森也実さんの情熱溢れる美しさに刮目せよ!

グラビアと言えば女性の若さとボディを売りにした企画が多いなか、女性であるKaori Oguriさんをプロデューサーに据え、豊かな人生経験を持つ女性たちの、内面から醸し出される“大人の美しさ”に迫る、ファッションと融合した新たな連載グラビア企画「美しい人」。

第4回ゲストとしてご登場いただいたのは有森也実さんです。人気ドラマ「東京ラブストーリー」で演じた関口さとみ役で大きな話題になった後も、イメージに囚われることなく様々な役に挑戦して、表現者であることにこだわり続けてきた有森さん。いまも映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍し、ますます情熱とエネルギー溢れる有森さんの「美」の秘密とは?
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【interview 03】

バレエは私の基礎。体が動くことが最大の喜びです

── 有森さんは5歳からずっとバレエを続けられているそうですね。

有森也実さん(以下、有森) はい。この業界に入って16歳の時に一旦やめて、8年ぐらいのブランクの後、20代に入ってからまた再開しました。

── 今は大人の方に向けてバレエを教えられているそうで。

有森 友人と二人でやっています。私たちはバレエ歴は長いですけど素人なので、理屈では分かっているけど、体は思うように動いてくれないという経験をずっとしてきました。だから、大人になってからバレエを始めて、普通のお教室に行くのはちょっと敷居が高いという方に向けてのアプローチは得意かもしれないねと。バレエって理想とする形があって、決まりごとも多いので、体の使い方とかもちゃんとやらないと難しい部分もあるんですけど、そういうことを試行錯誤してやってきた私たちなら、生徒さんに寄り添えるよねということで、月に6クラスやっています。
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── 教えるのとは別に、ご自身のレッスンもされるんですか?

有森 もちろん。レッスンしないとできなくなっちゃうので、本当は毎日やりたいけど、舞台の稽古とかが入ると全然行けなかったりもするし。今は週に1、2回ぐらいですかね。

── 有森さんは、人の美しさはどういう部分に表れると思いますか?

有森 う~ん……、向上心かな。これができるようになりたいとか、こういう風に何かを目指したいとか、あと1キロやせたいとか、わからないけど(笑)。目指すところに向かって自分ができることをやるのが“美しい”ということなんじゃないかと思います。

またバレエの話で申し訳ないんですけど、バレエって、あと1ミリ足を高く上げたいとか、あと1回転多く回りたいとか、日々そういう戦いなんです。だから子どもでも大人でも、“ちょっとでも”と努力している人は本当に涙が出そうになるぐらい美しい。そのマインドと肉体が本当に美しいと思います。
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── 有森さんの向上心もバレエにあるんですか?

有森 それしかないかも(笑)。いや、もちろん女優のお仕事にもありますよ(笑)。ただ、女優のお仕事ってこれが正解というものがないじゃないですか。バレエは正解の形、理想とする形というのがあるから目指すところがわかりやすいんです。でも、女優のお仕事は演出家の方に求められることが向上心に繋がるのかな。
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── 人生を通して続けてこられたバレエとは、有森さんにとってどういうものですか?

有森 私を作った基礎。私は小さい頃から、自分が思っていることと話していることが乖離しているような感覚があって、思いを言葉にするのが苦手だったんです。でも、バレエを踊っている時はあまりそういう感覚がなくて。だから、夢中になったんだと思うんですけれど、バレエの表現、体の表現は信じられるというところがあるんです。

言葉って相手の受け止め方でも違うけど、自分としては発した言葉通りに受け止めてもらいたいというわがままな気持ちがあるじゃないですか?(笑) でも、ダンスってもっと自由で、受け止めてほしいというより受け止めてもらったことのほうが大事だったりうれしかったりするので、そういうところがあったかいんですよね。
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── ひとりの人間として、これからの人生をより良く、心地良く生きていくためにはどんなことが必要だと思いますか?

有森 私にとっては体を動かすことが最大の喜びなんですよね。だから、ケガや病気をしないように体を鍛える。私、体を鍛えると心も強くなるんじゃないかという思い込みがあって(笑)。年齢を重ねても体と心を鍛えて、健全に生きられたらそれが幸せなんじゃないですかね。
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── 有森さんは年齢についてはどう捉えていますか?

有森 自然に歳をとっていくのが一番いいとは思うんですけど。精神と肉体のバランスがうまく取れていればいいんじゃないかと思うので、年齢は……カレンダーみたいなものなんでしょうかね。みんな1年は一緒でしょ? だから、1年が過ぎていったという年輪じゃないけど、そのときどきを楽しめばいいのかなと思います。だんだん体は動かなくなるだろうけど、やりたいことが増えたり、精神的に充実していたり、50代ってそうじゃないですか。
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── 有森さんのやりたいことと言うと?

有森 もっといろんなところにも行きたいしね。私、景色って美しいと思ったことがあまりなかったんだけど、ここ3年ぐらい、夕日とか空の雲とかお花とか、そういう自然の景色が本当に美しいなと思うんです。風景写真も昔は何がおもしろいんだろうと思っていたんですけど、最近は車窓から写真を撮ったり(笑)。ここにはしばらく来られないだろうなとか、最後かもしれないと思うと、写真に収めておきたくなるのかもしれないですね。
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● 有森也実(ありもり・なりみ) 

1967年12月10日、神奈川県生まれ。雑誌『mc Sister』の専属モデルを経て、1986年に女優としてデビュー。同年『キネマの天地』でヒロインを演じ、ブルーリボン賞新人賞、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。1991年にドラマ『東京ラブストーリー』で大きな注目を集める。ほかにもドラマ『翔ぶが如く』、『明日さがし』、『わが町』、『都合のいい女』、『最高の片想い』、『HOTEL』、『秀吉』、『北ホテル』シリーズ、『ゲゲゲの女房』、『監察医 朝顔』、『嘘解きレトリック』、映画『いぬむこいり』、『天上の花』、舞台『放浪記』、『化粧二題』、『フラガール-dance for smile-』、『ある八重子物語』、『かへり花』、『片づけたい女たち』など出演作多数。

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