2021.03.14
【第41回】
元地下アイドルの田中みな実似美人「私は自分の好きなように生きます!」
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林伸次 写真・構成/木村千鶴
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第41回のゲストは、前回(こちら)に引き続き、IT企業勤務のみな実さん(30歳)です。前編では、天然の“あざとかわいさ”でバイトクラッシャーになってしまった短大時代についてお話しいただきましたが、後編では芸能活動を始めてからのことを伺います。
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アイドルになる!と言いながら、芸人合コンの日々
「地下アイドルみたいなのを18~21歳くらいまで続けてました」
── きっかけは? スカウトとかですか?
「もともと目立ちたがり屋だったので(笑)、声優の養成学校みたいなのに半年間だけ通ったんです。ま、ちょっと可愛くてきゃぴきゃぴしてたので、そこのお偉いさんに凄く気に入られて、卒業後にラジオ番組を持たせていただけて。その卒業生の女の子たちでグループ活動して、番組を持って、歌って、イベントなんかもやってました」
── へぇ~なるほど! じゃあファンがついたりとか。声優さんだとオタク系の人が多いのかな。
「はい、なんかアニメオタクって親切な人が多いんですよね。声優さんを好きな方たちが、今で言うインターネットラジオみたいなことをしていて、ちょっと空いた枠に売れない子たちを入れてくれてたんです。そうすると、声優のファンたちが聞いてくれるんです」
── あ~なるほど。イメージできます。
「皆さん、“売れない子たちを育てたい”みたいな気持ちがあるようで。それで、声優のイベントでは、私たちも物販娘みたいな感じでブースに立つんですよ。そうすると『○○ちゃんだよね、聞いてるよ』みたいな感じでファンをつけていく。まぁ、そんな売り出し方でした」
── そこまでちやほやされたら、あれですね、もっと他にも出られるんじゃないかって思っちゃいますね。その活動後はどうされたんですか。
「結局はアパレル会社に就職したんですけど、“やっぱり私はアイドルになるんだ!!”って思って、1カ月で辞めました(笑)」
── やっぱりそう思っちゃいますよね。辞めてからどうしましたか?
「その時に東京に出たんですけど、結局アルバイトしながら、芸能活動をしていました。女優の卵とか劇団の子とかダンサーの子とかが働くようなお店で働いてて」
── はいはい、ありますね。
「で、そこで知り合ったアイドルの先輩みたいな子が、私を悪い道に引っ掛けまして(笑)。彼女は芸人さんの伝手が多くて、芸人の合コンとかにめっちゃ呼ばれるようになったんですよ」
── あぁ~(笑)。そっちに行きましたか~。
「『私、アイドルになる!』とか言いながら、バイトしてオーディション行って、夜な夜な芸人合コン(笑)」
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結局、セフレで終わっちゃって
「すっごく楽しいです!」
── へぇ~! えっと……知り合って芸能界でうまくいくとか、知り合いを紹介してもらえるとか、そういうことってあるんですか。
「いや全然ないですね(笑)。私自身、たぶん、ちやほやされたいだけだった」
── その芸人さんたちとは付き合ったりはしたんですか?
「ほとんどが大人の関係。セフレですね。その人のライブを観に行って、ご飯食べたりして、でも私が『好き好きー!』ってやっちゃうから、結局ダメなんですよ(笑)」
── そうか~。えっと、でも彼らって全然お金ないですよね?
「だから家に行って……」
── え、セックスだけして終わり?
「そうそう。20代前半そんな感じで(笑)」
── え~っ、それは何というか、残念ですよね。普通に出会って恋愛するチャンスだっていくらでもあったでしょうに。もったいないというか。
「はじけちゃったんでしょうね。あとは女子に嫌われがちだったので、元々女友達が少なくて、誘われることが単純にうれしかったのもあります」
── そうか~、一緒に出掛ける女友達ができたのがうれしかった。
「はい、うれしかったですね。合コン仲間の女の子はみんな結構はじけてたので、止める人もいなかったし、なんかちやほやされるし、うん、楽しかったっちゃあ、楽しかった(笑)」
── でも、芸能人になりたいと思ってる女の子たち同士で、張り合ったりとかはなかったんですか?
「なかったです」
── 同じ夢を持ってる女の子たち同士、戦友みたいな感じなんですか?
「これ言ったら本気でこの活動をされてる方たちに対して申し訳ないんですけど、私はそんなに売れたいという気持ちがなくて。当時の考えとしては、そこらへんでイケメンの彼氏捕まえて結婚して主婦になろうっていう感覚でした。もうすみません(笑)」
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女ボスを嗅ぎ分ける能力はめっちゃあります
「そうなんですよ〜! まあ捕まらなかったんですけど(笑)。30歳になりましたが、今や“好きって何だろう?”って感覚になっちゃってます」
── えっと、顔で選ばない方が、性格やら生活やらがちゃんとしてる男性に出会えるっていうことは知ってますか?
「あ、もちろんわかってます(笑)」
── わかってるんですか(笑)。
「はい(笑)。20代半ばには私も真面目に戻って、見た目も仕事も普通な感じの人と付き合っていました。結婚も視野に入れて同棲して。でも全然大切にされなかったんです。だって、デートはパチンコ屋で、私は隣で見てるだけ、とかですよ(笑)」
── それは最悪! 別れられました?
「なんやかんや2年付き合いましたけど、別れました。同棲していた家から身一つで出ちゃったんで、その後シェアハウスに住んで。で、そこでまたクラッシャーに(笑)」
── ワハハ、シェアハウスでモテたんですね。
「私、静かにしてるとすごく女の子っぽく見えるらしいんですけど、仲良くなると結構さばさばしてるんで、面白がられて仲良くなる男の子が多くて」
── あ、それわかる気がします。
「あいつノリがいいから呼ぼうぜ! みたいな感じで声がかかることも多かったです。でもちょっと、みんなの見えないところで誰かと隠れてモニモニやってるみたいな(笑)」
── あ~いますねそういう女の子! でも、同性からマークされたりしませんでした?
「そうですね、男の子に対して無意識にスキンシップしちゃうんですよね、私。触ったりとか抱き着いたりとか。そういうのを見て、最初はやっぱりシェアハウスの女の子たちから嫌われました」
── うわぁ、そうでしたか。
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── それは、どうすることで認めてもらえるようになったんですか? 男性にモテるよりも、同性に嫌われないことを重視する女性も多いなか、みな実さんはあっけらかんと思うままの行動をされている気がして(笑)。
「いや、私だって秩序を乱したいわけじゃないんですよ(笑)。結果そうなりますけど。えっと、コツがあるとすれば、私はそのグループの中で一番偉い女ボスに気に入られるようにしてます」
── あ~なるほど、そこだけは押さえるようにするんだ。そうしたら大丈夫?
「だいたい大丈夫ですね。『なんか、みな実ちゃんうざくない?』みたいな空気になっても、ボスが私のこと好きだったら『でも、あの子いい子だよ』って絶対的に守ってもらえるんで。そこを嗅ぎ分ける能力はめちゃくちゃあります(笑)」
── おお! そうすると、いろんな集団とかに入る時には、誰がボスか嗅ぎ分けるんですか。
「はい、やってますね。会社でも何かの集団でも、一番偉そうな人、ボスには懐きに行きます。媚びるのではなく、懐く」
── それをやっておけば、みんなにいじめられたりとかすることはまずないんですね。
「だいたいは大丈夫です。で、徐々にボスと親しい人ともじわじわと関係を作っていく感じで(笑)。カースト上位に入っておければ、“私のこと嫌いな人がいても、別にいいかな”くらいの感じになれますから」
── あ、嫌われないようにしようとは思わないんですか?
「思わないですね。だって、その人の気持ちであり、人生でしょう。誰かが私のことを嫌いでも、私は痛くもなんともないし。私は自分の好きなように生きます(笑)」
── 凄い! そこまで言い切った人は初めてだ。
「絶対的な親友がいるので。叱られることもありますけど、ちゃんと理解してくれているので。大切な女友達さえいればいいかなって思っています」
── そういう友達がいるというのは、みな実さんが楽しくて良い人なんだと思います。いじめられやすい女子の参考にもなったはずです。今日はありがとうございました!
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【林さんから〆のひと言】
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■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。最新刊「なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか」(旭屋出版)は、林さんが「このお店はすごい! 」と感じた飲食店のオーナーに自らインタビュー取材。繁盛店の秘密に迫ったドラマティックなビジネス書です。