2017.08.22

公開! 菊池武夫が愛した名車と音楽

タケ先生の愛称で知られるファッションデザイナー菊池武夫さん。じつはクルマと音楽が大好きなことでも有名なのでした。というわけで、ご登場頂きました! 愛車遍歴から、お気に入りのプレイリストまで大公開! 必見です。

CREDIT :

取材・文/福田豊 写真/前田晃 special thanks/Apple Music

日本のファッションデザイナーの草分けである菊池武夫氏は、周りの皆から「タケ先生」と呼び親しまれている人気者。クルマ好き、音楽好き、としても知られ、この「ドライブ & ミュージック」特集にまさにうってつけ。そこでインタビューを申し入れたところ、快諾していただけたのです。
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リストを作ってみたら、今までに乗ってきたクルマは20台

さて。ということで、インタビュー当日、タケ先生は真っ白のBMW Z4で登場。幌をオープンに、白のシャツの首元にスカーフ、黒のハットとサングラス、ドライビンググローブ、というスタイルがシャープなZ4のフォルムとマッチして最高に格好いい!

さっそく、お話を伺うと「Z4は2003年の最初期モデル」とのこと。

「買って手元に来たばかりのときに、クルマ雑誌で『20年乗れるクルマ』という取材があって、Z4を挙げたんですよ。で、今は15年目だから、後5年は乗らないといけない(笑)。まぁ、それは冗談として、本当に20年乗れると思う。ほかのクルマがあったときも、ずっと続けて乗り続けていますから」
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さまざまなクルマを乗り継いできたタケ先生にとって、同じクルマに15年も乗るのは異例のこと。現在はZ4とX1の、BMWの2台持ちだという。

「実は、一昨年、足をケガしてしまって。それでしばらく低いZ4に座るのが辛くて、車高が高くて楽なSUVを探したんですよ。で、私は最近はここ20年ほどBMWばかりに乗っていたので、いちばんちっちゃなX1にした。大きいと会社のパーキングスペースに入らないし、小さいと小回りが利いて運転も楽ですからね」

では、タケ先生のお気に入りのドライブミュージックはどんな曲なのか。
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タケ先生のお気に入りプレイリスト

 
「当たり前だけれども、時代によって変わりますよね。たとえば、’70年代にはクルマに乗ると、いつもニール・ヤングを聴いていた。なんだか走っている感じと、よく合っていたんですよ。それとレゲエが好きになって、ブラック・ウフルばかり聴いていた時期もある。そんな風に、このアーティストがいいと思ったら、そればかりを聴いていた時代があって。でも、今はそうじゃなく、自分のベストヒットみたいなのをつくっている。お気に入りの曲を集めたのを、いつも聴いているんですよ」
そしてそのなかでも特別のお気に入りが、King Everaldの「After All」という曲。

「1985年にロンドンの連中とコラボして、そのときにDJのドン・レッツが持ってきた曲。CDを探したのだけど見つからなくてね。すごく格好いいんですよ。なかなか日本人の選ぶ曲じゃないよね」

また「アルバムでは、今は、これがNo,1」というのが、映画『Suicide Squad』のサウンドトラック。そのほか、Twenty One PilotsやDJ Khaled、Clean Banditの「Rockabye (feat. Sean Paul & Anne-Marie)」、David Guettaの「2U (feat. Justin Bieber)」など。それらをiPhoneのプレイリストに入れ、シャッフルしてクルマで聴くのが、お気に入りだそう。
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いまはiTunesで気に入った曲をプレイリストにしています

「昔はレコードで、その後はCDで、アルバムを買っていたのだけれど、今は気に入った曲だけをiTunesで買うことが多くなっている。そもそも、昔、ジャズを聴き始めたときから、アーティストではなくて曲、だったんですよ。ああ、そういえばジャズの大のお気に入りだったのが、Softly As A Morning Sunriseという曲。Wynton Kellyの演奏が好きで、ほかのミュージシャンのもいい。同じ曲をいろいろなミュージシャンで楽しめるのが、ジャズの魅力ですよね」
 
昔から集めていた膨大なレコードのコレクションは「たくさん引っ越しをして、生活を変えていくうちに、いつの間にかなくなっちゃった」そう。「CDで買い直しているのだけど、やっぱりレコードで聴いていた音と違う」という。

「レコードは手間がかかるのだけど、でもそれが楽しい。そしてそういうのが、ヴィンテージのクルマと似ている。今のクルマは便利だけど家電みたいで、デザインとか夢がないよね」

そんなクルマに対する感想を、以前、クルマ雑誌に連載していたこともある。

「クルマの専門家はクルマのことだけ書くけど、私は自分の生活感で書くから、まったく違う。そこが面白かったらしくて、2年間も続いたんですよ」

これまで乗ってきたクルマは「リストをつくってみたら20数台あった」とのことで、BMWや、メルセデス・ベンツ、ジャガーなどの名が並ぶ。そしてそのなかで、特に思い出深い1台は「キャデラック」という。
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「キャデラックは3台買っていて。その最初の、’70年代のフリートウッド・ブロアムっていう、いちばん長いヤツが楽しかったんですよ。NYに頻繁に行っていた頃、レキシントンとかでストレッチのリムジンがダブルパーキングして、運転手がドアを開けて、というのをよく見かけて。それが格好いいと思ったんですね」

そのほかにも「デイムラーのリムジンもよかった」そう。

「ロンドンでよく見ていて、これにしよう!って思って。何度目かにロンドンに行ったときに、ディーラーに行って即決して、アレコレ全部注文して。個人で輸入したから、日本に届くまでに8ヶ月ぐらいかかったかな」

そういう「大きく現実感のないクルマが好きだった」というタケ先生。

「他人が欲しがっているクルマはハズしていたんですよ、わざと。他人がフェラーリとかいっているときに、アメ車のデカイのとか。レンジローバーじゃなくて、わざわざジープのワゴニアとか。反骨精神みたいな感じなのかな。皆が良いと思って乗っているのを見ると、拒否反応が出ちゃうんだよね」

今、欲しいクルマは、フェラーリの275GTB。新車だったら、ロールス・ロイスのレイスなのだそう。

「どちらも高価で買えないですけどね(笑)。275GTBなんて、昔は数千万円だったけど、今は数十億円だものね。でも、ロールスは乗ると、本当に良いのがわかる。昔のでも、今のでも、座った瞬間にシートも違うし、乗り心地も違うし。ああいうのが文化なんだと思うな」

そんな風に、クルマにも、音楽にも、深い想いを持つタケ先生。次にお会いするときには、どんなクルマに乗って、どんな曲を聴いているのか。とても楽しみです。

菊池武夫さんの愛車遍歴をすべて公開

■1970年代前半
・フィアット 124 クーペ(1970~1971年)
・BMW 3.3iL
・メルセデス・ベンツ 280SE
・キャデラック フリートウッド ブロアム (1973~1974年)

■70年代中盤
・BMW 733 ※2台続けて購入

■70年代後半
・メルセデスベンツ 600 プルマン (1976~1977年頃)

■80年代前半
・フォルクスワーゲン ゴルフ カブリオレ 初代モデル (1981年頃)
・フォード フィエスタ 初代モデル (1981年頃) ※ゴルフ カブリオレと同時購入

■80年代中盤
・デイムラーW6

■80年代後半
・メルセデス・ベンツ 300TD ワゴン
・メルセデス・ベンツ 190E2.3-16 コスワース (1986年 発売時購入)
・BMW 735(1987年頃)
・BMW 750iL (1988年 発売時に購入)
・325 カブリオレ(1988年)

■90年代前半
・キャデラック セビル(1990年)
・デイムラー リムジン (1991年頃)
・ジープ ワゴニア

■90年代後半
・BMW Z3 (95年頃)

■2000年代
・BMW Z4 (2003年)
・BMW X1 (2012~2013年)

● 菊池武夫 / ファッションデザイナー

1939年、東京都千代田区生まれ。文化学院美術科と原のぶ子アカデミーを卒業後、1964年に注文服の制作を開始。1970年 にBIGIを設立。1975年にMEN'S BIGIを設立。1976年にパリへ渡り MEN'S BIGI Europeを設立してパリでコレクションを発表。1984年にワールドへ移籍しTAKEO KIKUCHIを立ち上げる。2003年に同ブランドを後任へ引き継ぎ退く。2005年に40ct&525を立ち上げ、2012年 TAKEO KIKUCHIのクリエイティブ ディレクターとして復帰。日本のメンズファッションの先頭を歩みつづける存在。

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