2021.08.07
【第47回】
橋本 愛似美女が20代、40代、60代男性と付き合っていた理由とは?
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真・構成/木村千鶴
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第47回のゲストは前回に引き続き、デザイン会社を経営している愛さん(28歳)です。前編ではギャルだった高校時代から、30歳差の元カレとの出会いなどを伺いました。さて後編ではその後の恋愛遍歴やお仕事について聞かせていただきます。
どこか彼を父親みたいに思って、逆らえなかった
「私はそれまで遊び歩いてたんで、その辺も最初は我慢できてたんですよ。それよりも、彼と出会ってからガーデニングが好きだってことに気づかせてもらったし、お料理も好きになった。色々と知れたことがたくさんあって、良かったんです。ただやっぱり付き合いの後半になると、ちょっと遊びたくなってしまって……」
── それは20代前半ですからね、当たり前だと思います。
「ある日、私が連絡せずに、飲んで夜中の3時頃に帰ったことがあったんですね。その時に初めてブチキレられて、わあ〜怖いって思っちゃって。そのまま関係を修復できず、1カ月後の話し合いで正式に別れました。今までありがとうって握手した時には、彼、ちょっと泣いてた」
── そうか〜、じゃあやっぱりイイ男ですかね。あ、でも、キレちゃうとかダメか。
「私は本来自由人なので、今思い返すと当時は窮屈だったのかもしれません。それでも4年も一緒にいられたのは、彼のことが好きだったし、我慢することよりも与えてもらうことの方が多かったから。後にも先にも彼以上の人は出てきていません」
── 凄く好きだったんですね。でもその時って浮気だったんですか? ただ飲みに行ってただけ?
「その間は一度も浮気をしませんでした。飲みには行きますけど、変な雰囲気になる前に帰ってた。自分に父親がいなかったので、父性かな? どこか彼を父親みたいに思って、逆らえないというか。まあ、家が居心地良かったのもあります。言いつけを守らなきゃって気持ちがあったのかも」
周りの人とのつながりの中でキャリアを重ねています
「キャンドル販売の個人事業の仕事と合わせて、1年くらい夜の仕事もしました。それからデザイン会社に就職して、今は独立して会社を経営しています」
── あ、そこからそうなっていくんだ。ちょっと仕事のことも詳しく聞いていいですか。この記事って女性もよく読んでくれているので、生き方とか参考になるでしょうから。キャンドル販売と夜の仕事をしながら、どうやってデザインの仕事に移行したのでしょう?
「キャンドル販売の仕事が、すべてにつながっています。商品をSNSで発信してたんですけど、それを見てくれた知り合いが、デザイン性の高い商品が多いから本格的に勉強をしてみないかって言ってくれて、そのままデザイン会社に入社して。
独立した理由も、商品をいいなって思ってくれてた知り合いが、『会社作って、将来やっていける形を作ったらどう?』って言ってくれて。そこで、やろうと思えば会社を作ることもできるんだ、って思って始めたんです。常に人が関係していて、流れるように、なるようになってきた感じです」
── 誰かが紹介や提案をしてくれて、流れができるその感じ、わかります。周りがよかった、人に恵まれていますね。
「はい、凄く恵まれていると思います。悪い人はいないかもしれない。私の周りには(笑)」
── 愛さんが素直に「じゃあやってみよう」と、行動に移すからこそだと思いますよ。そしてきっとセンスがいいんでしょう。そうじゃないと声がかからないから。
「今話してて、周りの人がいなかったら、たぶん私、生きてこれなかったな、いろんな人に助けてもらって生きてるんだなって改めて思いました(笑)」
その後付き合ったのは、20代、40代、60代……⁉
「あ〜、そうかもしれない(笑)。24、5歳の頃が一番遊んだな〜! 彼と別れた後は、同じ年代の人、40代の人、60代の人、と立て続けにお付き合いしましたが、結局は3人とも長続きはしませんでした」
── ええええ〜〜!! 許容範囲がすごく広いんですね(苦笑)
「その時期は本当に遊んでました。当時はまだ将来のことを気にして不安になる年齢でもないし、一番チヤホヤされる頃ですよね。調子に乗っていたのもあるし、それまで抑圧されていたことも合わさって、楽しくて仕方なかったんだと思うけど」
── やっぱりモテたり、チヤホヤされたりして遊んでいると楽しいんですね。そういう時って相手のこと好きになるんですか?
「ん〜私、自分から好きになることがなくて、好きになってくれた人を好きになっちゃうんです。そうすると、そこまで好きじゃない人とも付き合うことが増えてしまって、長続きもしない」
── 本気になれる人に出会わなかったわけですね。
「うん、本気にはなってないですね。これまで、あの30歳上の彼以外で、そういう人に出会えたことはないです。ちょっとは好きにはなるんですけど、1年くらいで飽きちゃうんですよね」
── まあ飽きますよ。でも恋愛って全部飽きますけどね。
一緒に成長していける男性と恋愛をしたいです
── なるほど。ドキドキが終わった後にも一緒にいられる理由が、誰からも見つからなかったと。
「将来を考えて、ずっと一緒にいたいと思える人はいなかったです。多分、いま人生で一番仕事を頑張っている時なので、仕事に対して同じ熱量をもっている人じゃないと……。だからそういう人と出会えたらいいなとは思う。それがないと今はすれ違ってしまうと思います」
── 愛さん、本当に頑張ってますもんね。
「そもそも、努力とか積み重ねとかは全然好きじゃなかったんです。好きなことだけしていたいと思ってたから。でも会社を始めたので、今になってやっと、やりたくないことを一生懸命にやってる感じです(笑)」
── 仕事のことも一緒にやってくれる男性が見つかるといいですね。
「そうですね、アドバイスをしてくれる人とかがいたら凄くいいですよね〜。考えを押し付けるんじゃなく、私のしていることに賛同して、支援するスタンスでいてくれる人が」
── 愛さんならきっと現れますよ。恋愛も仕事も頑張ってください。応援しています。
【林さんから〆のひと言】
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。近著に小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)など。最新刊はcakesの連載から大人論を抜粋してまとめた『大人の条件』(産業編集センター)。