2018.10.15
Interview 【vol.1】
爆笑問題が語る、初めて!?の「お洒落論」
LEONはお陰様でこの秋に創刊17周年を迎えました。これを記念して各界で活躍する皆さんに「アナタにとってLEONってなんですか?」と尋ねてみました。第1回はお笑い界のレジェンド、爆笑問題のおふたりです。
- CREDIT :
文/吉井タカシ 写真/野口貴司(San‣Drago) スタイリング/植田雅惠 ヘアメイク/小林朋子
“LEONでスーツを学びました”(太田)
太田 2008年ぐらいかな。漫才の時は必ずスーツを着るようになりました。
田中 ま、そうだよね。
太田 これはLEONのおかげだと思ってます。確実に影響を受けています。
田中 んなわけねえだろ!
太田 1周回ったうえでスーツを着ているからさ。かつての演芸場の漫才師は揃いの背広というイメージがあるじゃん。
田中 そうですね。
太田 それが「漫才ブーム」以降カジュアルになって。たけしさんが「イッセイミヤケ」を着たりしてさ。
田中 「FICCE」とかね。
太田 で、とんねるず以降「DCブランド」が全盛期で。
田中 肩パッドが入ってるようなお洒落な感じね。
田中 お金もなかったし。
太田 それなりに年齢も重ねてスーツを着ようとなった。
田中 それが10年前ぐらい。
太田 その時、たまたま開いたLEONのページに載っていたスーツを揃えました。
田中 ウソつけ!
太田 昔の漫才師は派手な色だけど、我々の場合はトラディショナルな3ピースです。
田中 そういう意味では、たしかに参考になるかもね。
太田 時事ネタもやるからね。ただ、普段着はデニムとシャツがほとんどです。
田中 いたってカジュアル。
太田 ジェームズ・ディーンに直接影響を受けた世代ではないけど、憧れはあるからさ。
田中 リーバイスのCMキャラクターのポスターとか。
太田 あとは片岡義男の世界。映画にもなった『スローなブギにしてくれ』にも憧れた。
田中 そうね。70年代後半から80年代前半が思春期だから、LEONの読者世代だし、世界観とも近いかな。
太田 Tシャツはワンポイントのキャラクターが控えめに入っているのを好んで着ます。
田中 『ど根性ガエル』のピョン吉Tシャツじゃねえか!まったく控えめじゃねえよ!
LEONは“大人が着るもの、大人の存在”(田中)
太田 いまだにお前は大人になりきれてないからね。
田中 精神的にもそうかもしれないけど、肉体的な問題もあってさ、コートはやっぱり似合わないんだよね。
太田 お前がトレンチコートを着てたら「ちびっ子スパイ」の世界になるからね。
田中 ほんとそうなんだよ。ほかにも革ジャンなんかは絶対に着られない。もちろん背が低いなりの着こなしもあるんだろうけどさ。
太田 大人の男のアイテムでもあるからお前には無理だね。
田中 だからというか、基本はアメカジが好きなんだよ。
太田 お前、胸に「UCLA」とか大学名が書かれてるTシャツが大好きだよな。
田中 そう。つい買っちゃう。
太田 「日本大学」と書かれたTシャツも持ってるわけ?
田中 「日大」だとアメカジじゃなくなってるじゃねえか!
太田 イメージはあれな。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なんだろ。
田中 そうそう。
太田 あれのドク。
田中 そっちじゃねえよ! マーティに決まってるだろ!
田中 モテたい意識はないんだけど、そうだね、基準になっているのは“カワイイ”という面も少しあってさ。
太田 LEON的にはそれはどうなんですかね。
田中 可愛げのあるオヤジは、バブル世代の男性のキーワードでもあるんだって。
太田 へぇ〜。そうなんだ。
田中 アメカジでも「スタンダードカリフォルニア」や「ロンハーマン」は我々世代向けでもあるから好んでます。
太田 あと、お前は“部活ファッション”もあるじゃん。
田中 そうね。それで言うと「アディダス」が好き。スニーカーというか靴全体で考えても、アディダスのスタンスミスがあればもういいんじゃないかって思うぐらい好き。
太田 ちょっと待ってよ。靴は「コンバース」の白のハイカットだけでいいだろ。
田中 それはお前の好みだろ!俺の部分まで口を出すな!
● 爆笑問題 (ばくしょうもんだい)
日本大学芸術学部の同級生だった太田光と田中裕二が同大学を中退後、1988年結成。政治から芸能界まで社会を斬る漫才をはじめ、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。雑誌の連載も手がけるなど、執筆活動も活発に行い『爆笑問題の日本原論』は50万部を超えるベストセラーとなる。