2021.11.27
【第50回】
「とにかく経験してみたくて」好奇心旺盛な美人看護師の意外な前職とは?
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林伸次 写真・構成/木村千鶴
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。第50回のゲストは、看護師の曜子さん(36歳)です。
好奇心旺盛で、性にも興味津々な高校生でした
「はい、よろしくお願いいたします」
── もしかして、熊田曜子さんに似てるって言われたことないですか?
「何度か言われたことがあります。あ、今日のニックネームですね? この連載を読んで来たので知ってます(笑)」
── うれしい! それです。では本日は、曜子さんと呼ばせていただきますね。早速ですが、曜子さんはどんなお仕事をされているんですか?
「今は看護師です。でも私、看護師になるまでいろんな仕事をしてきていますよ。人生も波乱万丈かも(笑)」
「高校1年生の時、同じ部活の1コ上の先輩でした。本当は好きな人がそこにいたから入部したんだけど、別の先輩に告白されて、『じゃあもういいか』と思って付き合ったんですよ(笑)。そしたらその好きだった彼から1週間後に告白されちゃって、ニアミスだったな〜と思いました」
── じゃあすれ違ったまま。でもいい思い出ですね。付き合った彼とはうまくいきましたか?
「私は好奇心旺盛なので、その頃は性にも興味津々、でも彼は純粋な子だったので、関係がなかなか進まなかったんです。こっちは“早くチューとかしてくれよ”って思ってたんですけど(笑)。意を決して理由を聞いたら『すごく大事にしたいから、簡単に手を出したりしたくないんだよ。初めての人だから』って。でも私には物足らなくて……別れてしまいました」
── そうか〜! でも今になってならわかりますか? その男性の気持ち。
「はい、今は大人なので、彼のような人を選ぶべきだってことはわかるけど、子供の頃は、ほら、ちょっと悪い方がイケてると思ったりするじゃないですか(笑)」
とにかく経験してみたくて、初めては……?
「いえいえ、2コ上の先輩で、ワルくはなかったです(笑)。でも関係は進みました。こちらから仕掛けたんですけど、親もいるから家では出来なかったんですね」
── えっと、すると、ラブホテルとかですか?
「それが、公園デートしている時に向こうがなんだか凄く興奮しちゃってですね、初めての体験が公園でした(笑)」
── ええ〜〜!!! 公園の裏とかで!?
「もうね、アオカンです(笑)」
── 初めてがこんなところじゃイヤ!とかなかったんですか。
「できればどこでもよかったですね(笑)」
── 本当にしてみたかったんだ。それって好奇心ですかね〜。すると高校時代はずっとその彼ですか。
── 中退したんですか。
「はい、学校にいる意味がわからなくなって中退しました。それで1年半くらい社会人をしたんですが、社会に出てみたらやっぱり学びが足りないことがわかって、大検をとって大学に進学したんです」
── 凄いですね! 親には高校辞める時にも大学に進学する時にも反対はされませんでしたか。
「小さい頃から何でも自分で決めてやる子だったので、親も、『あ、そうなのね、ハイハイ』って感じでした(笑)」
付き合うのはいつも年上の心優しい人
「通信系の会社で法人営業をしていました。会社に訪問して契約を取ってくるような」
── その年齢で法人営業してたんんですか!?
「はい。そこで社会に出てお金を稼ぐのは大変なんだって実感しましたね。すると同じ歳の人は幼く見えて、15〜6歳上の人を好きになりました」
── やっぱりそうなりますか〜。
「大人だな〜って。だってそれまでは公園デートとかしてたわけですから(笑)。でも今振り返ってみると、男性っていつまでも少年みたいなところがあるので、その人もそんなには大人じゃなかったようにも思いますけど」
── 仕事で知り合った人かな? となると30代くらいですよね。悪い人じゃなかったですか。
── これってなぜでしょうね。この連載でお話を聞いていると、毎回真面目な人ばかりと付き合う人もいれば、モラハラDVする男とばかり付き合ってた人もいて、どうしてそうなるんだろうっていつも思うんですよ。
「ん〜、自分にないものを求めるんでしょうかね。私自身がこんな感じなので、どちらかというとフェミニンな、心優しくてきめ細やかな人が来てくれるのかもしれません」
── いわゆるマッチョなオラオラした人は、寄って来ない?
「全然来ない(笑)。そういう男性とは友達になっても恋愛にはならないですね」
── あ〜なるほど。恋愛のムードにはならないんですね。
免許証の種類の欄を埋めていきたかったんです
「タクシードライバーです。高校生時代からバイクとかメカが好きで、16歳の時にバイクの免許を取ったんですが、免許証に、普通とか大型とかの種類を書く枠があるじゃないですか。“これ全部埋めてったらどうなるんだろう”って思って、端から埋めていったんです(笑)」
「はい(笑)。普通自動車免許の次に二種免許があって、それ取得したんですけど、これ何に使えるのかなって調べてみたらタクシードライバーで。せっかくだからやってみようって」
── もう、すっごく変わってる〜! やっぱり男性っぽいのかな。コレクター気質なんですね。でもこんなに可愛い人がタクシードライバーやってたら、しょっちゅう声がかかりませんか。
「夜間走らせてもらえなかったのでそんなでもないですけど、タクシー通勤している社長さんとかには固定で呼んでもらえていましたね」
── そういう人が「ご飯に行こうよ」とか声かけてきませんでしたか。
「年齢的に孫みたいな感じでしたからそれはないですね。私が走行していたエリアは高齢者が多かったし、職場もお父さんみたいな人ばかりでした」
── じゃあその頃には恋愛みたいなのはなかったんだ。
── そっちではバンバン、モテますよね?
「まぁ、モテなきゃ成り立たない商売ですから、思わせてナンボですけど(笑)。でも付き合っちゃったらゲームオーバー。同伴で食事には行っても、枕営業は一切しません。そんなんだったらいらないよって思ってましたから」
「本末転倒はしない性格です」
── さすがです。それで、お金を貯めて留学したんですね。
「すぐというわけではなく、タクシードライバーが儲からなかったんで、まずは転職しました。以前法人営業していた時の知識と経験を買われて、大手電機メーカーに中途採用されたんです。しばらく勤めてたんですが、部署代わりすることになり、そのタイミングで辞職して、イギリスに留学しました」
── ここまでですでに波乱万丈ですね(笑)。留学後のお話はまた後編で聞かせて下さい。
※後編に続きます
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月~土 19:00~24:00
定休日/日・祝
TEL/03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。近著に小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)など。最新刊はcakesの連載から大人論を抜粋してまとめた『大人の条件』(産業編集センター)。