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2019.02.01

冬の京都は早朝が狙い目。早起きしなきゃできない特別の経験とは?

例えば京都のような人気の観光地は、行きたいのはやまやまだけれど、あまりの混雑ぶりに、つい躊躇してしまいがち。でも、そこで諦めるのではなく、早朝を狙って訪れるというのが新しい旅の楽しみ方。早起きして行く京都には特別な楽しみがあるんですよ!

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文/只野仁志

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一時期、朝活というのが流行りましたね。「時間が有効に使える」「早起きすると健康に良い」など、朝活には多々プラス面があるわけですが、コレ、旅と組み合わせると、さらに素晴らしいことになるのです。例えば京都のような人気の観光地だと昼間はどこも混雑がすごい。でも早朝なら人が少なくてスイスイ見て回れる。しかも朝の空気は凛として気持ちがいい。

近頃は朝早くから参拝が可能な社寺もあるし、坐禅の会なんかも開かれていたりする。最近はそんな早朝の社寺を巡るツアーまで登場しているのです。今回はそんな早起きして楽しむ京都の旅をご紹介します。

『My Favorite Things』を聞く度に、京都に行きたくなる!?

早朝から動き出すということは、この旅、必然的に前泊が必要ということです。でも、あくまで“早起きのためのお泊り”なので夜遊びはせず早寝しようねと、そんなお誘いなら彼女のハードルも少し下がる。

そう、今回の旅はあくまで健康的に楽しいことする!がキモなのです。
実はいま、JR東海では「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンの一環として「春はあけぼの 京都の世界遺産いちばん乗りツアー」なるものを企画しているのですね。ナレーションが長塚京三さんから柄本佑さんに変わった新CMでも「春はあけぼの」を入口にした京都の早朝の美しい映像が流れていますが、『My Favorite Things』を聞く度に、京都に行きたくなっちゃう人は多いんじゃないでしょうか。
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「東寺」の五重塔の向こうから登る朝日を眺めて過ごす

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今回は、まずその「いちばん乗りツアー」の目的地のひとつにもなっている世界遺産の東寺を、早朝訪れてみました。この日の日の出は7時4分。その30分以上前に東寺に着いた頃、あたりはまだ夜明け前の風情。東の空が次第に白々と明けていきます。
この日は雲の感じがいまいちで、最高の朝焼けにはなりませんでしたが、それでも人気のない早朝の境内は清々しい空気が満ちていてなんとも気持ちいい。五重塔の向こうから日が昇り、空がうっすらと色づいてきたのは日の出から20分ほど経ってから。次第に明けていく空にシルエットとなってそびえる五重塔の美しい姿は彼女との良き思い出になること間違いなしですよ。

450年近く続く瓢亭の朝がゆをいただく京都の朝

本来のツアーでは、境内が暗い時間帯はライトアップを、空が明るみだしてからは朝焼けの風情を楽しみ、その後、申込みすれば東寺の早朝特別拝観が可能となります。他の観光客を気にせずに金堂、講堂、五重塔の初層(1階部分の内部)なんかも見られるのでぜひ参加したいところですが、本日は、移動して朝食へと向かいます。
訪れたのは東山にある南禅寺近くの「瓢亭 別館」。瓢亭は天保8(1837)年に創業した、京都の老舗料亭。元をたどれば南禅寺境内に茶屋として店を出し、以来450年近くの歴史を誇る名店なのは皆さんご存知のとおり。こちらの別館では朝の8時から「朝がゆ」の定食が食べられるのです。
正確に言うと、この「瓢亭 別館」では冬の時期(12月1日~3月15日)は「うずらがゆ」、それ以外の時期が「朝がゆ」となりますが、どちらも最後を「おかゆ」で締める和定食。三つ重の瓢箪形の器には、和え物、蒸し物、炊き合わせが入っていて、さらに名物の瓢亭玉子や鯛の求肥巻きなどの前菜が載ったひと皿がつき、お吸物、そして最後にうずら肉の入った雑炊が出てきます。ボリュームもたっぷりでとにかく美味しい。こんな最高の朝食がいただけるのは、まさに頑張って早起きしたからこそ。
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朝日に輝く「龍安寺」の石庭を独り占め気分で鑑賞

早朝の京都を楽しむ「いちばん乗りツアー」、お次にご紹介するのは石庭で人気の禅寺「龍安寺」と、千年にわたって皇室から住職を迎えた門跡寺院「仁和寺」を巡り、一般客が来る前の時間に特別拝観しちゃおうというコースです。
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まずは「龍安寺」。いつも観光客でいっぱいの石庭を、美しい朝の光のもとで独占して見られるのはなんとも贅沢。他にも室町時代風に作庭された回遊式庭園・西の庭と仏殿、「吾唯足知」の蹲踞(つくばい)の実物を鑑賞できるほか、茶室「蔵六庵」も拝観できます(石庭以外はすべて通常非公開)。

◆龍安寺 http://www.ryoanji.jp/smph/ 

色鮮やかな五大明王の迫力に驚く「仁和寺」

お次の仁和寺では昨年初公開され話題になった金堂裏堂の「五大明王壁画」や経蔵内部の特別拝観もあります。これがまたすごい! 特に「五大明王壁画」は400年近く前、このお寺の復興時に絵師、木村徳応によって描かれた絵なのですが、これまでほとんど人目に晒されなかった、まさに秘宝中の秘宝。不動明王を中心に五大明王が一列に並ぶ姿は、その鮮やかな色彩と描写の迫力で、観る者を圧倒するパワーをもっています。
この金堂、元々は桃山時代に建てられた京都御所の紫宸殿を移築したもので、現存最古の紫宸殿の遺構。極彩色の「浄土図」が描かれた堂内には江戸期の仏師・運節の阿弥陀三尊像や四天王像などが安置されています。また経蔵は仏教の経典を収めるお堂で、中央には八角形の回転式輪蔵が据えられています。普段非公開のこれらの宝物をゆっくり特別拝観できるって、早起きってどんだけお得なんでしょう!

◆仁和寺 http://www.ninnaji.jp/

この他、「いちばん乗りツアー」には平成の大修理中の清水寺と、朝焼けに浮かぶ圧巻の平等院鳳凰堂を訪ねるコースもあります。早起きすると貴重な体験ができるこのツアー、注目です。

※「春はあけぼの 京都の世界遺産いちばん乗りツアー」のくわしい内容はこちら

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非公開文化財の数々が見られる「京の冬の旅」

さて。早起きからの貴重ないちばん乗り拝観を体験した後はどうするか? ここでぜひ活用したいのが、いま、JRグループと京都市・京都市観光協会が共同で実施している京都デスティネーションキャンペーン「京の冬の旅」(2019 年1月1日~3月18 日)。

毎年この時期に行われる「京の冬の旅」というキャンペーン、 第53回を迎える今回は、2019 年9月に日本で初開催となる ICOM KYOTO 2019(国際博物館会議京都大会)に先駆けて、「京都にみる日本の絵画~近世から現代~」をテーマに、多くの「非公開文化財」が特別公開されているのです。
この期間は、普段拝観することができない庭園や建築、襖絵、仏像などなど秘められた美術品の数々を、期間限定で目にすることができるのです。せっかく京都に行くなら、こういう「今しか見られない作品」に触れたいもの。さっそくその中からいくつかをご紹介します。

「転法輪寺」で御室大仏と裸の阿弥陀如来像に出会う

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仁和寺に近い山裾にひっそりと佇むお寺、転法輪寺。江戸中期の1758年に念仏道場として創建されたこのお寺は、裳階付きの本堂に安置された本尊・阿弥陀如来坐像が見ものです。像高2丈4尺(約7.5m)の大きさは木造坐像としては京都最大と言われています。

江戸時代に桜町天皇追福のために造られたものと伝わりますが、10年ほど前まではほとんど一般には知られていなかったそうです。首元まで纏った袈裟に特徴があり、住職の説明によれば日本一厚着の仏様とか。まだまだこんな素晴らしい仏像がひっそりと隠れているということに京都の底知れぬパワーを感じます。
また、寺の創建時に描かれたという「釈迦大涅槃図」はご覧のとおりの大迫力。2016年の修復によって釈迦の入滅を巡る物語が色鮮やかに蘇りました。本尊背後の厨子内に安置された阿弥陀如来立像は、裸のままの姿であることが珍しい童姿の像で、天智天皇の誕生にまつわる説話から安産守護の御利益があるといいます。
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大名茶人として知られる織田有楽斎の寺「建仁寺 正伝永源院」

この寺は建仁寺の塔頭寺院で、織田信長の弟である大名茶人・織田有楽斎と、熊本藩主・細川家の菩提所。境内には有楽斎が建てた国宝の茶室「如庵」が復元されており、「有楽囲」「有楽窓」など有楽斎好みの特徴を見ることができます。
今回は、狩野山楽筆の鮮やかな金碧の障壁画「蓮鷺図」や、細川家とゆかりのあることから、2013年春に奉納された元首相・細川護煕氏筆の襖絵が公開されています。華やかな印象の「蓮鷺図」では、蓮のツボミから開花、枯れ葉に至るまでの過程が描かれ、栄枯盛衰の世界観がありありと示されています。

生誕480年、長谷川等伯の名画を「建仁寺 両足院」で愛でる

仏の尊称のひとつ「両足尊」にちなんで名付けられた建仁寺塔頭寺院。室町時代中期まで「五山文学」の最高峰寺院で、江戸時代以降も「建仁寺の学問面」の中核を担ってきた歴史があります。
今回は、桃山時代の絵師・長谷川等伯生誕480年を記念し、「水辺童子図(みずべどうじず)」や「竹林七賢図(ちくりんしちけんず)屏風」のほか、希代の画家・伊藤若冲筆「雪梅雄鶏図(せつばいゆうけいず)」が特別に展示されます(2月1日~25日)。
早朝の時間を上手に活用した今回の京都旅行、1日をたっぷりと使えるので、なんだかとても得した気分です。思い立ったが吉日、「そうだ」と思ったら、まずは彼女を誘って京都に行ってみましょうか。

※京都デスティネーションキャンペーン「京の冬の旅」の詳しい内容はこちら

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