2019.03.15
観光客はまだ知らない、京都の隠れ家美術館
かつて都であったこともあり、京都は素晴らしき美術品、工芸品でいっぱいです。でも、ちょっと、とっつきにくくて……。と、芸術に尻込みしている方のために、足を運べば、興味津々になること間違いなしの2施設を、京都生まれのライターがご案内いたします。
- CREDIT :
文/川田剛史
ほかにはない個性派アートスポットへご案内
◆ 清水三年坂美術館
ほんまに人の手で?! すさまじい幕末・明治の精緻な技
会社勤めをしてはった村田さんは1980年代にニューヨークの骨董屋はんで幕末から明治にかけて作られた印籠を見かけたそうな。あまりの精密さに驚いた村田さんは2本の印籠を購入なさった。そこからはじまって、オークションやら書面契約やらで手に入れた収集品は、すぐにものすごい数に膨れ上がってしもうた。会社員としての仕事もあった村田さんやけど、置き場所にも困らんし、心ゆくまで美術品を眺めていられるからというて、1999年に会社を辞めて美術館の設立に動き出さはった。
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◆ 清水三年坂美術館
住所/京都府京都市東山区清水寺門前産寧坂北入清水3丁目337-1
開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
お問い合わせ/075-532-4270
定休日/月・火曜日(祝日は開館)。展示替期間、年末年始、臨時休館あり。
http://www.sannenzaka-museum.co.jp/
● 入館料は大人800円
※本記事の掲載作品は展示入れ替えがあります。
◆ 河井寬次郎記念館
京都の街中で登り窯が見られるやなんて
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記念館の中はかつての様子をうまいこと残してあって、暮らしぶりがうかがえる。館内は多くの場所が自由に見学できるうえ、申告して帳面に記名したら撮影しても構わんということやった。あちこちに展示された作品は、雲の上の美術品という雰囲気ではのうて、自然に施設の雰囲気に寄り添うているのが、なんとも心地がよろしい。
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展示作品から。民藝運動では、「用の美」というて、眺めるだけの美術品やなしに、暮らしに溶け込んだ作品が作られていた。
入ってすぐのお部屋には親子の木彫がおいやした。優しい丸みと表情を、よう見てほしい。木彫は河井寬次郎が60歳~70歳のほぼ10年間に作られた。
目の前で登り窯を見られるのは感動する。窯は近隣の人たちも使用する共同窯で河井寬次郎の作品は前から2番目の室で作られていたという。個人の作品専用の窯やとなかなか頻繁には焚けんところが、共同とあって月に一回くらいは焚くことができた。この窯では美術品だけやなしに、碍子(がいし/電柱などに使う絶縁用の焼き物)などの焼き物まで幅広く焼かれていたというのも興味深い。
中庭の様子。住居とアトリエを兼ねていたうえ、登り窯まで備えているとあって敷地は、ものすごう広い。
展示作品から。民藝運動では、「用の美」というて、眺めるだけの美術品やなしに、暮らしに溶け込んだ作品が作られていた。
入ってすぐのお部屋には親子の木彫がおいやした。優しい丸みと表情を、よう見てほしい。木彫は河井寬次郎が60歳~70歳のほぼ10年間に作られた。
目の前で登り窯を見られるのは感動する。窯は近隣の人たちも使用する共同窯で河井寬次郎の作品は前から2番目の室で作られていたという。個人の作品専用の窯やとなかなか頻繁には焚けんところが、共同とあって月に一回くらいは焚くことができた。この窯では美術品だけやなしに、碍子(がいし/電柱などに使う絶縁用の焼き物)などの焼き物まで幅広く焼かれていたというのも興味深い。
中庭の様子。住居とアトリエを兼ねていたうえ、登り窯まで備えているとあって敷地は、ものすごう広い。
◆ 河井寬次郎記念館
住所/京都府京都市東山区五条坂鐘鋳町569
開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
お問い合わせ/075-561-3585
定休日/月曜日(祝日は開館、翌日休館)。夏期・冬期休館あり。
http://www.kanjiro.jp/
● 入館料は大人900円