2022.02.20

【京都の新個性派ライフスタイルホテル Vol.2】

シャープなデザインにこめられた、深遠なる京都の美と伝統「hotel tou nishinotoin kyoto」

アフターコロナを見据えて続々と新しいホテルがオープンする京都。今回は個性的でお値打ちなホテルをシリーズでご紹介。第2回は三千家ゆかりの道筋である西洞院通りに誕生した京文化の香りを纏ったライフスタイルホテル「hotel tou nishinotoin kyoto」です。

CREDIT :: 写真・文／古関千恵子

2020年あたりから京都に新しいホテルが続々とオープン。ウルトララグジュアリー系からバジェット系まで、百花繚乱な状態です。ここではデザイン性と居住性に重きを置きつつ、お値打ちな“ライフスタイルホテル”をクローズアップ。2軒めは「hotel tou nishinotoin kyoto」です。

西本願寺と東本願寺の中間、西洞院通り沿いに2021年４月オープン。なんといっても、エントランスのインパクトは特大！扉が開くと、きらびやかなコッパーゴールドのトンネルが続きます。その奥には一本松。どこか非日常へと、ワープする気分です。

トンネルの突き当りの右手の扉が開くと、いきなり視界が開け、漆黒のレセプションエリアへ。チェックインカウンター前のスペースには、格子窓からの光を受けた、巨大な円盤のテーブルがどすんと置かれています。

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▲ 円盤のテーブルは、何層も和紙を塗り重ねた、和紙職人のハタノワタルさんの作品。
▲ 大浴場は深海をイメージ。客室のテレビから混雑具合のデータを知ることができます。

▲ 円盤のテーブルは、何層も和紙を塗り重ねた、和紙職人のハタノワタルさんの作品。
▲ 大浴場は深海をイメージ。客室のテレビから混雑具合のデータを知ることができます。

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デザイン監修は、渋谷の「hotel koe」や「ONOMICHI U2」を手掛けた「SUPPOSE DESIGN OFFICE（サポーズ・デザイン・オフィス）」。コンセプトは「京都の“奥”に触れ、京都を“奥”まで体感する滞在」。

大浴場や日本庭園などは、「作庭衆庭譚」の橋本善次郎さんによるもの。ライブラリーには選書集団「BACH（バッハ）」のキュレートによる蔵書が並んでいます。

伝統的な様式美とモダンなデザインが融合した館内には、クリエイターたちによる作品や、京都の“奥”を知る手がかりが、ちりばめられています。

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▲ 観光地というよりも、地元の暮らしを感じるエリア。
▲ ５つのセクションからなる、京都の“奥”を知るライブラリー。

▲ 観光地というよりも、地元の暮らしを感じるエリア。
▲ ５つのセクションからなる、京都の“奥”を知るライブラリー。

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日本庭園のテラス付き tou プレミアムキングルームがおすすめ！

４階建て121の客室は、部屋タイプが10種類。広さは17～35平方メートルですが、高さを抑えた家具などの工夫から、実際は数字よりも広く感じます。

おすすめは２室ある「テラス付き tou プレミアムキングルーム」。小上がりにベッドを置き、冷蔵庫やテレビなどの“日常”を感じさせるものは銅をイメージした引き戸で目隠し、大きな窓からは日差しがたっぷりそそぎます。

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▲ テラス付き tou プレミアムキングルーム。テラスの庭のタイトルは「ヨンテンゴ」。朝とされる4時半を意味するネーミングです。
▲ プレミアムルームテラス付き touキングのバスルーム。シャワーのみです。

▲ テラス付き tou プレミアムキングルーム。テラスの庭のタイトルは「ヨンテンゴ」。朝とされる4時半を意味するネーミングです。
▲ プレミアムルームテラス付き touキングのバスルーム。シャワーのみです。

そして一番の特徴は坪庭のテラスです。ここで月を見上げたり、語らったり……、くつろぎのひと時が過ごせそう。

１階のアメニティバーでは基礎化粧品からマウスウオッシュまで必要なものを自分で選ぶスタイルです。アッパークラスの客室にはフットマッサージャーが置いてあり、貸出で美顔スチーマーやヘアアイロンなどの用意も。女性への気くばりも、バッチリです。

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▲ 最も広い35平方メートルのtouプレミアムツインルーム。畳エリアに布団３枚敷くことができます。
▲ 客室には館内移動用のカゴバッグや作務衣を用意。SALONIAのドライヤーや一保堂茶舗のお茶も。
▲ 各種バスアメニティは１階のアメニティバーで好きなものをピックアップ。

▲ 最も広い35平方メートルのtouプレミアムツインルーム。畳エリアに布団３枚敷くことができます。
▲ 客室には館内移動用のカゴバッグや作務衣を用意。SALONIAのドライヤーや一保堂茶舗のお茶も。
▲ 各種バスアメニティは１階のアメニティバーで好きなものをピックアップ。

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ゆっくり楽しみたい、ひとつひとつ吟味された朝食

ビジターも利用しやすい、西洞院通りに面した「cafe&bar oku」。迎石が鎮座する黒をベースにした店内は、格子窓を通したやわらかい光が満たされ、日本庭園も望めます。

メニューのディレクションを行ったのは、フードコーディネーターの浅本充さんが率いるunite inc.（ユニテ）。朝食には、洋と和の２種類があります。

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▲ テーブルと座敷席もある「cafe&bar oku」。
▲ 格子窓など京都らしい意匠の店内。ビジターとしても利用したいお店です。

▲ テーブルと座敷席もある「cafe&bar oku」。
▲ 格子窓など京都らしい意匠の店内。ビジターとしても利用したいお店です。

自慢の「京の朝粥定食」をぜひ！　「京都八代目儀兵衛」がこのホテルのために精米からブレンドまで行った専用の米で炊いたこだわりのお粥です。まずはお粥の“甘さ”を味わい、そして“すぐき”醤油漬けやちりめん山椒などの６品のお供と、お茶の風味香る特製出汁の餡で、味変が楽しめます。鯖の西京焼き、季節のおばんざい、出汁巻き玉子、そして鮪節だしの味噌汁が、朝の胃袋にしみわたります。

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