■ 里山十帖(新潟)
野生が洗練へと昇華した唯一無二の里山ガストロノミー
“食を中心としたライフスタイルを発信するリアルメディア”としてスタートしたこの宿を、国内だけでなく海外にも知られる”里山ガストロノミーのデスティネーション”へと成長させたのが、現料理長の桑木野恵子さん。人間の心身と自然を調和させて健康へと導く「ホリスティック」を先進国のオーストラリアで習得するなど海外で経験を積み、料理の世界へと軸足を移した桑木野さんの料理は、地元の森や山へ分け入り、食材を採集するところから始まります。
これから雪どけがはじまり、山や森が芽吹き始めると、里山十帖といえばの山菜の季節。山をよく知る桑木野さんが自ら集めた採れたての山菜を味わえます。世界が注目する料理人が創造する春の味。どうぞお見逃しなく。
■ 里山十帖
住所/ 新潟県南魚沼市大沢1209-6
HP/ https://www.satoyama-jujo.com
TEL/ 0570-001-810
料金/ 2万9260円〜(2名1室利用時の1名料金、夕・朝食付き、税サ込)
■ ふふ 熱海「木の間の月」
ふたりきりでしっぽり味わう地魚ざんまいの鮨割烹
ゲストルームから続くプライベートガーデンテラスは、四季折々の自然と触れ合い、光と風を感じるふたりだけの空間。ここでシャンパンなどアペリティフを楽しみ、ダイニングへと移動してゆったりとディナータイムを過ごす。まるでヨーロッパのリゾート地のような優雅な時間が実現します。
レストラン「鮨割烹 海の悠波(ゆうは)」で味わえるのは、相模湾の鮮魚をふんだんに使った割烹料理とにぎり鮨。季節には、伊豆半島など地元でも入手困難な脂ののったキンメダイ「トロ金目」が、お造りや炙り、しゃぶしゃぶ、にぎり、潮汁などさまざまな料理になって登場します。
月は美しく夜は長い。ディナーの後は、腕利きのバーテンダーがゲストに合わせてオリジナルカクテルをつくってくれるバーへもぜひどうぞ。
■ ふふ 熱海「木の間の月」
住所/ 静岡県熱海市水口町11-48
HP/ https://www.atamifufu.jp/
TEL/ 0570-0117-22(Small Luxury Resort総合予約センター)
料金/ 5万5000円〜(2名1室利用時の1名料金、夕・朝食付き、税サ込)
■ 星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル(青森)
美しい氷の世界で極上フレンチ&ワインに出合う幸せ
例えば今の季節なら、青森といえばのマグロをタルタルにして百合根のソースと魚醤の香るジュレを合わせたり、薄切りにしたりんごを4時間かけて焼き上げたタルトタタンに仕上げたり、青森を中心にローカルな食材を生かしつつ、都心の人気店に引けを取らない、創造力豊かなコースに仕立てています。
ここでもうひとつ見逃せないのが、ソムリエの鈴木良隆さんが集めたワインのラインナップ。なかでもブルゴーニュマニアの鈴木さんの愛が溢れたコレクションはすばらしく、これを目当てに通うリピーターがいるほど。岡さんの料理が大好きで、料理をより輝かせるワインをセレクトしている鈴木さん。これからの季節は、奥入瀬渓流のせせらぎに面したテラスで、極上のアペリティフを楽しめます。
■ 星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
住所/ 青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
HP/ https://www.hoshinoresorts.com/ja/hotels/oirasekeiryu/
TEL/ 0570-073-022(星野リゾート予約センター)
料金/ 2万2000円〜(2名1室利用時の1名料金、夕・朝食付き、税サ込)
■ 湊のやど 汀家(焼津)
マグロにカツオ、そして地酒。焼津の恵みに無我夢中
まだ30代と若い7代目の清水健太郎さんは、ガストロノミーの流れが大都市から地方へと移りつつある時代を先読みするなど先見の明がある人。「磯自慢酒造」や「初亀醸造」といった静岡を代表する蔵元など、同世代の後継者たちとネットワークを構成し、世界を目指して静岡の食文化を発信しています。
近くには、ガストロノミーファンなら知らない人はいない「サスエ前田魚店」もあるし、東京からフーディーズが続々と押しかけている懐石料理店「温石」も。焼津ガストロノミー旅、実はいまかなりトレンドです。
■ 湊のやど 汀家
住所/ 静岡県焼津市本町1-14-2
HP/ 静岡県焼津の温泉旅館 湊のやど 汀家(みぎわや) 全8室露天風呂付客室 (migiwaya.jp)
TEL/ 054-628-3155
料金/ 2万8000円〜(2名1室利用時の1名料金、夕・朝食付き、税サ込)
■ THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 熱海
ローカルな食材を世界水準の料理とサービスで楽しむ
ここでパリ仕込みのクラシックを踏まえながらも、軽やかでモダンなフレンチを手がけるのは、料理長の猪野圭介さん。伊東漁港で水揚げされる一本釣りのキンメダイをはじめとする相模湾の海の幸や、熱海を中心に信頼のおける生産者が育てた野菜、静岡の牛肉といったローカルな食材をメインとしつつ、日本各地や世界から一流の食材を取り寄せて、世界の最先端と時差のない料理を提供できるのが、レストランやホテルを全国展開するひらまつグループならではの強みといいます。
ガストロノミー好きのなかには、ひらまつが新しいホテルをオープンするたびに足を運び、全施設をコンプリートしているファンも。ひらまつならどこへ行っても間違いない。そんな信頼のおけるオーベルジュです。
■ THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 熱海
住所/ 静岡県熱海市熱海1993-237
HP/ https://www.hiramatsuhotels.com/atami
TEL/ 0557-52-3301
料金/ 6万1300円〜(2名1室利用時の1名料金、夕・朝食付き、税サ込)
● 江藤詩文(えとう・しふみ)
世界を旅するフードライター。ガストロノミーツーリズムをテーマに、世界各地を取材して各種メディアで執筆。著名なシェフをはじめ、各国でのインタビュー多数。訪れた国は60カ国以上。著書に電子書籍「ほろ酔い鉄子の世界鉄道~乗っ旅、食べ旅~」(小学館)シリーズ3巻。Instagram(@travel_foodie_tokyo)でもおいしいモノ情報を発信中。