2019.07.14

箱根を代表する高級宿は、離れもすべてにラグジュアリーな隠れ宿なのです

日本屈指の高級宿として高名な「強羅花壇」。その離れが、素晴らしいのです。確かに、宿泊料金は箱根周辺でも少しお高めです。でも、建物に庭、温泉、本格懐石、そして真のホスピタリティ。それを納得させてしまう魅力がたくさんの離れなのです。

CREDIT :: 文／福田豊

今月の宿は箱根の「強羅花壇」。名にし負う高級宿ですので、よくご存知の方も多いことでしょう。箱根という都心からすぐの立地の良さのため、行きつけの宿にしている方も多いかもしれませんね。

そんなよく知られる宿をなぜ選んだのか。それは、離れ貴賓室の「花香（かこう）」と「残月（ざんげつ）」、離れ客室の「泉心（せんしん）」と「名月（めいげつ）」という離れが大きなポイント。これが、本当に素晴らしい。「強羅花壇」ならではの魅力を心から堪能できる客室なのですよ。

部屋から外へ一歩も出ずに楽しめる親密な時間

そもそも「強羅花壇」があるのは、江戸時代からの由緒ある宮家の末裔である閑院宮載仁（かんいんのみやことひと）親王が、昭和5年に別邸を建てた場所。このため敷地は約1万坪と広大。建物も優美で気品と趣のある造り。

それを戦後に温泉宿に改修。平成元年にさらに改装をして、いまの高級宿にした。そうして平成3年に、あの世界的権威を誇るホテルとレストランの会員組織であるルレ・エ・シャトーにも加盟。つまり「強羅花壇」は、バブルの時代でも最高級であった、大人のための瀟洒な宿。そして離れは、そんなアダルトさとラグジュアリー感をさらに高めているのです。

PAGE 2

/ 4

▲ 柱廊と月見台。夕景を眺めながら過ごすひとときも、なんとも素敵。
▲ 「柱廊」の両サイドには中庭、ラウンジ、サロンが配されている。
▲ 客室バルコニーからの眺め。敷地1万坪の広大な庭は、四季折々の自然が存分に楽しめる。
▲ こちらが「強羅花壇」の象徴「柱廊」。平成元年に全面改装された折に築かれたもので、左右には木造格子のガラス戸、床は御影石。独特の雰囲気を醸す廊下だ。

▲ 柱廊と月見台。夕景を眺めながら過ごすひとときも、なんとも素敵。
▲ 「柱廊」の両サイドには中庭、ラウンジ、サロンが配されている。
▲ 客室バルコニーからの眺め。敷地1万坪の広大な庭は、四季折々の自然が存分に楽しめる。
▲ こちらが「強羅花壇」の象徴「柱廊」。平成元年に全面改装された折に築かれたもので、左右には木造格子のガラス戸、床は御影石。独特の雰囲気を醸す廊下だ。

建物はどこもが、たっぷりと空間を使った贅沢な造り。和を基調としたしつらえも落ち着いた雰囲気。温もりのある木肌も素晴らしく、まさにオトナな離れなのです。内外は手入れが非常に行き届き、美しい緑や四季折々の花々が見られる。

/ 3

▲ 離れ貴賓室「残月」は、本間8畳、次の間8.5畳、広縁4畳に月見台という造り。テラスに岩くり抜き露天風呂があるほか、青森ヒバの内風呂も。
▲ 離れ貴賓室「花香」の12.5畳の本間。このほか次の間8.5畳、奥の間6畳、広縁2.5畳に月見台という造り。寝具はツインベッドと布団で、6人まで宿泊可能。
▲ 離れ「泉心」の12.5畳の本間と広縁4畳。

▲ 離れ貴賓室「残月」は、本間8畳、次の間8.5畳、広縁4畳に月見台という造り。テラスに岩くり抜き露天風呂があるほか、青森ヒバの内風呂も。
▲ 離れ貴賓室「花香」の12.5畳の本間。このほか次の間8.5畳、奥の間6畳、広縁2.5畳に月見台という造り。寝具はツインベッドと布団で、6人まで宿泊可能。
▲ 離れ「泉心」の12.5畳の本間と広縁4畳。

特におすすめは、離れ貴賓室の「花香」と「残月」。このふたつは、どちらも本間、次の間、庭を望む広々とした造り。しかも駐車場から直接入れて、チェックインも部屋ですることができる。つまり誰にも見られずに、お忍びで泊まることができる、というわけです。

部屋に掛け長し露天の温泉があるのも素晴らしい。「強羅花壇」は広大な敷地内に3本の源泉があり、湯量はたっぷり、温かさも抜群。湯船の大きさがふたりで、というのにちょうどなのも素敵です。

/ 2

▲ 男女入れ替え制大浴場の広々とした露天岩風呂。
▲ 離れ「泉心」の前庭にある露天石風呂。

▲ 男女入れ替え制大浴場の広々とした露天岩風呂。
▲ 離れ「泉心」の前庭にある露天石風呂。

PAGE 3

夕餉は目にも舌にも美しい懐石料理

また、このふたつの離れ貴賓室は、食事を部屋で楽しむことができるのが良い。だから部屋から一歩も外に出ないで、ゆったりと落ち着いて過ごすことだってできる。

夕餉は旬の食材を贅沢に使った懐石料理で、美味しさも量も満点。女将の選んだこだわりの器も美しく楽しい。「花香」と「残月」の脇には専用の厨房があり、そこで料理の仕上げをして、熱い料理は熱く供されるのも素晴らしい特長。

/ 5

▲ 夕食、朝食は、四季折々の旬の素材を生かした懐石料理。写真は秋の料理。
▲ メニューは、季節ごと、月ごとに変わるので、何度泊まっても、その度に新しい味に出会える。こちらも秋の料理。
▲ 料理はもちろん、器、盛り付けも素晴らしく、まさに、目にも舌にも美味しい！こちらは夏の料理。
▲ 美しく盛り付けられた夏の料理。
離れ貴賓室は部屋で食事を楽しむが、離れ客室「泉心」と「名月」は、由緒ある宮家の姿を今に伝える洋館「旧閑院宮別邸」で。

▲ 夕食、朝食は、四季折々の旬の素材を生かした懐石料理。写真は秋の料理。
▲ メニューは、季節ごと、月ごとに変わるので、何度泊まっても、その度に新しい味に出会える。こちらも秋の料理。
▲ 料理はもちろん、器、盛り付けも素晴らしく、まさに、目にも舌にも美味しい！こちらは夏の料理。
▲ 美しく盛り付けられた夏の料理。
離れ貴賓室は部屋で食事を楽しむが、離れ客室「泉心」と「名月」は、由緒ある宮家の姿を今に伝える洋館「旧閑院宮別邸」で。

朝食は、和食のほか、洋食を選べる。こんなことは老舗の温泉宿では珍しい、お洒落な心遣い。もちろんどちらも美味。

なお離れ客室の「泉心」と「名月」の食事は、敷地内洋館の個室で楽しむことができます。こちらも雰囲気があって素敵です。

というように、離れは彼女とのお泊まりデートに最高。ふたりっきりで、しっぽりと親密な時間を楽しむことができるのです。

改めて感じるホスピタリティの素晴らしさ。これぞ「強羅花壇」

そして今回、改めて感じたのが、「強羅花壇」のホスピタリティの質の高さ。これはちょっとほかでは味わえない、まさに「強羅花壇」ならではの魅力です。

例えばそのひとつが、施設のあちらこちらでシャンパンやお酒、コーヒーやハーブティーなどを飲めるのも良い。

/ 3

▲ 館内には、「花壇スパ」があり、フェイシャルやボディなど、癒しのトリートメントを予約することもできる。メンズトリートメント、指圧マッサージもあり。
▲ 天然石を使用した岩盤浴。デトックス効果が期待できる。
▲ 屋外ジャグジー付きの温水プール。利用時間は7〜19時。水着、バスローブの貸出（有料）もある。

▲ 館内には、「花壇スパ」があり、フェイシャルやボディなど、癒しのトリートメントを予約することもできる。メンズトリートメント、指圧マッサージもあり。
▲ 天然石を使用した岩盤浴。デトックス効果が期待できる。
▲ 屋外ジャグジー付きの温水プール。利用時間は7〜19時。水着、バスローブの貸出（有料）もある。

PAGE 4

さらに極めつけが、チェックイン後、クルマを洗ってくれること。そんな宿って、ちょっとないですよ。でもクルマが汚れていないと気づかないので、知らない人も多い。それが、今回、取材班は気がついた。クルマが汚れていたから、なんですけど、ね（笑）。パンフレットにもホームページにも書かずに、こっそりやるのが気持ち良い。こういうのが真のホスピタリティ。

2021年4月には離れに新たな2室がオープン

さらにここで新たな情報も追加。2021年4月には広大な枯山水の庭園を擁した新客室 2室、別邸「暁」と「曙」がオープンしたのです。特に「暁」は全41室ある客室の中でも最大規模で、強羅花壇ならではの“こだわり”が凝縮された最上の空間。庭園を望む開放的な露天岩風呂や細部まで手の込んだ調度品など熟練の職人の技が味わえる心地よい空間が広がっています。

選択肢が増えてより楽しみが増した強羅花壇離れですが、本館の客室も離れに匹敵するラグジュアリーなしつらえの部屋ばかり。ですので、そちらも大オススメですよ。

/ 5

▲ 岩石を大胆に配した枯山水庭園を望む「暁」の露天風呂。
▲ 「暁」のリビングルーム。
▲こちらは「曙」の露天風呂。
▲ 「曙」のベッドルーム。
▲ 「曙」のリビングルーム。

▲ 岩石を大胆に配した枯山水庭園を望む「暁」の露天風呂。
▲ 「暁」のリビングルーム。
▲こちらは「曙」の露天風呂。
▲ 「曙」のベッドルーム。
▲ 「曙」のリビングルーム。

◆ Gorakadan Hanare　強羅花壇離れ

住所／神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300
アクセス／東名高速・厚木IC～小田原厚木道路・小田原西IC～国道1号線～県道７３２号線
URL／http://www.gorakadan.com
ご予約・お問い合わせ／0460-82-3331　

● 料金／5万円～（1人・2食付き／税サ別）
※2021年9月現在の情報です。最新の情報は、宿のHPをご覧ください。