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2019.07.29

軽井沢の新ホテルが教えてくれた新たな「泊まり方」とは?

坂 茂氏による設計で昨年12月に開業した軽井沢のスモールラグジュアリーホテル「ししいわハウス」は、デザイン性はもちろんのこと、コンセプトが軽井沢イチ!? ユニークなんです。

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文/八木千晶(LEON)

かねてより別荘地・避暑地として高い人気を集めている軽井沢。現在も老舗店が建ち並ぶ「旧軽井沢銀座通り」はもちろんのこと新たなレジャー施設、旬なショッピングスポットなども増え続け、それでいて緑豊かな大自然にも身をまかせることができる ── いわば都会生活者にとっての“オアシススポット”は、過ごし方が年々目まぐるしく進化を遂げています。

そして長い梅雨が明けていよいよ来たるこの夏こそ、五感に富んだ大人の軽井沢デートの腕が試せる絶好の時季というわけなのですね。そこで今回ご紹介するのは、「いつもと違う軽井沢」を魅せてくれる話題のブティック・ホテルです。
ししいわハウス
そのホテル名は、「ししいわハウス」。ハウスってどういうこと……? のご説明は後ほどするとして、コチラはプリツカー賞受賞の建築家、坂 茂氏が設計した話題の一軒です(近年では山形に建てられたショウナイホテル スイデンテラスが記憶に新しいかと)。

近くにはハルニレテラスやセゾン現代美術館、千ヶ滝など見どころあふれる中軽井沢エリアに立地するわずか10室のスモールリゾートは、3 つのテラス・ヴィラ構成されているのですが、建築好きではなくても思わず驚くのがホテルの「カタチ」。なぜなら、外構は「滑らかな曲線」形状でできていて(設計図写真参照)、まるで、モダンなアートギャラリーに滞在しているようなデザイン性の高さが実に新鮮な驚きなのです。
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さっそく、エントランスからご案内いたしましょう。到着のお出迎えを受けるのは、国内最大級という木枠のガラス扉が印象的なライブラリー。こちらでチェックインを済ませて、中庭に直結している「グランド・ルーム」へ。ここは言うなればパブリック・ダイニングスペース。巨大ホームシアターや音響なども装備されており、ゲスト同士の交流を深める共有スペースとしても利用されます。
そう、ふたりだけの完全密室プライベートタイムももちろんいいけれど、共有ダイニングやテラスなどでのオケージョンやCOZYな時間を他の宿泊者とまるで“家の居住者”のようにこの邸宅的ホテルを共有することで、よりいろんな交流を深められる「新たなホテルの泊まり方」をコチラでは提案しているんですね。

これはある種、軽井沢にとっても“新たな風”を感じさせる試みだと感じました。テラススペースも十分にあるゆえ、これからの季節は屋外で歓談を楽しめたりも。また、暖炉を配しているため冬もコンフォータブルに過ごすことができますよ。
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隣接する「キッチン」も本格仕様。事前相談をすれば、地元で人気の出張料理人によるケータリング・サービスを予約してくれます。そうそう、軽井沢は別荘文化が深く根付いているためにケータリングのクオリティもレベルが非常に高いそう。レストランに行かずとも、気取らずに美食を楽しめるのはカップルにとってもうれしいことですよね。当日は「浅間兄弟」さんが地元食材を使用した豊かなコースを提供してくださいました!
そして気になるお部屋は平均25平米とミニマムな構成ながらも、各クラスターにはそれぞれ共用エリアのリビングルームとキチネット(ミニキッチン)、大きな窓からは浅間山や美しい庭の景色を臨むことができるため、圧迫感などはまったく感じさせません。

また建築家の坂氏はこのホテルのために館内および室内インテリアも設計。サスティナビリティに配慮してゴミを極力生み出さないシンプルなアメニティは、華美なものや不必要なモノを極力そぎ落としたミニマルな美意識を感じさせるもので、日々多くのモノに囲まれている方にこそ何かを感じ取っていただけるかと。
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加えて、この「ししいわハウス」は、スモールアートギャラリーとしての顔も持ち合わせています。1960年代に具体美術のリーダー的存在であった日本の巨匠、吉原治良をはじめ、現代美術作家の杉本博司、今井俊満、鷲見康夫、元永定正、山田正亮などの国内アーティストのアート作品や、海外アーティストでは、ザオ・ウーキー(Zao Wu Ki)、イ・ソンジャ(Seundja Rhee)、ギュンター・フォルグ(GüntherFörg)、ベルナール・ベネ(Bernar Venet)など、世界的に著名な画家たちのオリジナル作品の数々が館内のシンプルなインテリア・デザインをエレガントに際立てているのも見どころですよ。
「この隠れ家的ブティック・リゾートは、訪れるゲストがエネルギーを取り戻し、新たなひらめきを生み出せるような場所になることを目指しています。また、企業、地域社会、様々な人々と、世界中で起こっている事象やトレンドについて意見交換、あるいは議論を交わす場としての機能も果たすでしょう。」と話すのは設立会社であるHDH キャピタル・マネージメントの最高経営責任者、フェイ・ホアン氏。

個人的にはひとつのテーブルを大人数でギャザリングやシェアリングをしながら食事や会話を楽しむ空間は、海外にいるかのような、ある種非日常な時間を体験できると思います。いつもの別荘やいつものホテルでマンネリしているそこのオヤジさん! ぜひ軽井沢トリップの新たな滞在にお役立てくださいね。
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◆ ししいわハウス

住所/長野県北佐久郡軽井沢町長倉2147-646
URL/http://www.shishiiwahouse.jp/
予約・お問合わせ/080-7691-6020

●料金 4万5000円~(1泊1室2名、朝食込み・税サ別)
※8月はハイシーズンにつき5万4000円~となります

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