2022.07.08
【連載】REIKOのNY通信
行列で噂になった注目のバー「Martiny’s」が、グラマシーにオープン
目まぐるしい変化とインフレに沸くニューヨークから菅礼子がリポートする「REIKOのNY通信」。コロナからのカムバックで新店舗が続々とオープンしていますが、業界の中でも話題となる行列のできるバー「Martiny’s(マティーニーズ)」がオープン。その魅力を探ってみました。
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取材・文/Reiko Suga
そんな来米いただいた方達からは「ニューヨークの情報がコロナ前でストップしている」というお声をチラホラ。確かにパンデミックが起こってから2年以上、ニューヨークは復活を遂げてその姿を変え続けていますが、なかなか雑誌やガイドブックではアップデイトされた情報がないのかもしれません。ここでは気になる新名所もご紹介していきます。
カクテル文化が根付いているニューヨークはロンドンと並び、世界的にハイレベルなカクテルバーが点在しています。人気のバーには看板バーテンダーがいて、その人の作るカクテルが飲みたいということでいつも人気店は混み合っていて、なかなか入れないのです。が、そこで振る舞われるカクテルはとっても創造的! これからのカクテルトレンドとなるヒントが隠された一杯です。
また、先日惜しまれながらイーストビレッジのロケーションを閉じたニューヨークで最も長い歴史を持つカクテルバーでもある「Angels Share」も日系のバー。閉店前は連日行列ができ、NYタイムズ紙に取り上げられるなど、ニューヨークでも日本人バーテンダーが活躍し、日本の素材を生かしたカクテルは地元ニューヨーカーからも支持されています。
150年前の馬小屋を改装した上品な一軒家のバー
オープン直後からお店の前に長蛇の列ができ、「Eater NY」など主要なフードマガジンにも取り上げられるなど、ニューヨークのメディアからも注目を集めています。日本のメディアでは初の露出とのことで、出張やプライベートでニューヨークを訪れる機会のある方はぜひ訪ねてみてください。
「Martiny’s」がお店を構えるのはマンハッタンのグラマシー地区で、ユニオンスクエアから徒歩数分のアクセスが良いエリアでありながらグラマシーは緑に囲まれ、古き良きニューヨークの建物が立ち並ぶ落ち着いた場所です。
そこに元Angels Shareのヘッドバーテンダーが新しくバーをオープンするということで話題となったわけです。お店は150年前に建てられた馬小屋一棟を改装し、こぢんまりとしながらも地下1階、地上2階でエクスクルーシブ感があります。
ニューヨークでも一軒家丸ごとバーというのはなかなかなく、贅沢な造り。また、店名の「Martiny’s」は馬小屋として使われていた後に、アーティストのフィリップ・マティーニがこの場所でアート活動を行っていた縁で、彼の名前から由来しています。
創造性に富んだカクテルと有名シェフによるフードも絶品!
インフレもあってニューヨークの飲食店は次々と値上げを実施していますが、ニューヨークのトップバーはカクテル一杯約$30(約4000円!)+チップ(約20%)というのも珍しくありません。
味はもちろん、バーテンダーのテクニックやお店の雰囲気も価格に含まれているということになります。また、カクテルは食前に適している「APPETITIVE」や食後にオススメしたい「AFTRE DINNER」や「DESSERT」など、メニューにシーン別の提案も書かれています。
2階はソファ席もあり、ディナーの後にゆっくりとカクテルを味わったり、グループで来店する際に適しています。2階のみで楽しめるカクテルも登場予定だとか。
特筆すべきはカクテルだけではありません。カンパチや帆立、和牛タルタルなど、日本人にもお馴染みの素材が使われたスモールバイトのフードの「KOZARA(小皿)」も好評です。
それもそのはず、2017年に世界のベストレストランに選ばれた「Eleven Madison Park」で経験を積んだシェフのWayne Cheng さんがフードを手がけているのです。
カクテルに加え、一流のお料理にも注目。今後は地下席でフードのおまかせコースや世界の一流シェフとカクテルのコラボなども企画中とのことで、幅広い広がりが期待できそうです。もちろん、大人のデートにもピッタリのエクスクルーシブな空間です。
■ Martiny’s
住所/121 E 17th St, New York, NY 10003
HP/https://www.instagram.com/martinysnyc/
● 菅 礼子( Reiko Suga)
LEON編集部で編集者として勤務し、2018年に渡米。現在はニューヨーク在住、LEON特派員。ニューヨークのライフスタイルの情報から世界中の旅の情報までを執筆している。